乱高下のプラチナ相場は転換期への予兆?
更新日:2015年05月05日(火)
5月のNYプラチナ相場の騰落状況を振り返ると、過去10年間では4勝6敗で負け越し。その前3年間は全勝なので過去13年なら7勝6敗で勝ち越し。近年では2010年から2013年まで4年連続の下落で2014年は上昇。金相場の5月ほど偏った動きは見られません。
しかし、最近の値動きの状況を見ると、今年の5月はプラチナ相場にとっての転換期となる可能性も考えられそうです。
最近の乱高下状態のプラチナ相場の状況を数値で検証すると、
3月以降現在までの日々の騰落値幅の平均は絶対値で11.8ドル。平均的に前日比1.03%の上昇もしくは下落となっています。騰落率が2%を超えた日もこの2カ月間では5日。
これに対して今年1月から2月末までの2カ月間の平均騰落幅は10.6ドル、平均騰落率は+-0.86%。騰落率+-2%超は3日。
2015年ここまでの通しでは、平均11.1ドル、0.94%、2%超は合計8日。
2014年通年での平均騰落値幅9.7ドル、0.71%、2%超の日数8日と比較しても、日々の変動幅が拡大していることがわかります。
なお、年間で200ドル近く水準を切り下げた2013年の平均は15.2ドル、1.03%。2%超の日数は26日。2012年は15.4ドル、0.99%。2%超の日数は25日。
高値圏での乱高下状態から下落基調が強まった2012-2013年のプラチナの日々の騰落率は平均1%。
年後半に一方的な下落基調となった2014年には平均騰落率は0.7%へと低下。
それが今年、特に3月以降になって平均騰落率が再び1%へと拡大。
また、月間ベースでの騰落状況でも昨年7月から12月まで6カ月続落し、1月の反発をはさんで2月から4月まで3カ月続落。ここ10カ月間で9カ月間下落を続けてきた状態です。
過去にこれほど一方的な流れとなったのは、2009年7月から2010年4月まで10カ月続伸というケースがありました。この時は10カ月間で1170ドル台から1700ドル台前半まで500ドル超も上昇し、その翌月の2010年5月には1500ドル台へと10%超の大幅反落となりました。
10カ月前に1480ドル台だったプラチナ相場は300ドル超下落し、3月に5年8カ月ぶりの安値水準を記録した時点で下げ止まり、昨年から続いた下落トレンドが収束したのかもしれません。
レンジ相場の象徴でもある乱高下状態となっていることが、転換期を迎えつつあることを示唆している可能性もありそうです。
4日のNYプラチナ相場は3営業日ぶりの反発で1.88%の大幅高。1120ドル台のサポートラインで反発した形となり、拡大しかけた下方リスクも緩和、1160ドルの上限突破なら1180ドル付近が次の目標水準に。しかし、値動きが荒く上下にブレやすい不安定な状態でもあり、方向感も定まらない状況。下方向にブレて1120ドル台のサポート水準が作用しない場合には1100ドル近辺が下値メドに。
NY金相場は4営業日ぶりの反発で1.05%の大幅高。先週後半の大幅下落に対するショートカバーが急速に進行。結果的に1170ドルのサポートラインでの足場固めにつながる流れに。固め切れない場合には今年最安値圏への再トライへ。上方向には4月半ばまでのサポートライン1190ドル近辺が目先の抵抗水準候補、スルーできれば1210ドル台を上限とするレンジで方向感模索へ。週末まではレンジ状態継続濃厚。
ドル円相場は先週末からほぼ変わらず。東京市場休場のなか、わずかに軟調推移となった流れも限定的となり、ほぼ120円ラインでサポートされての小動き。週末に向けてやや動き難い状態が継続しそうな状況ながら、基本的な流れは上向きつつあり、きっかけ次第でドル買い円売りが加速する可能性。目標水準は122円台前半。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場5/4終値とチャート
2015年05月05日(火)時点の相場
国内金:4,875 円 5/1(金)
▼57(
1.16%)
国内プラチナ:4,702 円 5/1(金)
▼20(
0.42%)
NY金:1,186.8 ドル 5/4(月)
▲12.3(
1.05%)
NYプラチナ:1,150.9 ドル 5/4(月)
▲21.2(
1.88%)
ドル円:120.11 円 5/4(月)
▼0.03(
0.02%)
5/4(月)のその他主要マーケット指標
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