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★金プラチナ短期相場観★

イエレン・ダッシュボードは平均的に回復傾向を示すも今は脇役
更新日:2015年07月08日(水)
米労働省が発表した5月JOLTS求人件数は536.3万件となり、市場予想の530万件を上回り、統計開始の2001年以来最高水準となった4月の533.4万件(537.6万件から下方修正)も上回る最高水準。年間平均でも518.3万件となり、2014年の457.9万件から60.4万件の大幅上昇。
イエレン・ダッシュボード2015年7月版でも一部を除いて回復傾向へ。
イエレン・ダッシュボード2015年7月版

※指標:リセッション前の数値(回復目安):最低値:前回→最新値と回復率
1)NFP(3カ月平均):+16.2万人:-82.6:+18.7↑+22.1 回復率106%
2)失業率:5%:10%:5.5%↑5.3% 回復率94%
3)労働参加率:66.1%:62.6%:62.9%↓62.6% 回復率0%※最低更新
4)長期失業者の割合:19.1%:45.3%:28.6%↑25.8% 回復率74.4%
5)U6失業率:8.8%:17.2%:10.8%↑10.5% 回復率79.8%
6)求人率:3%:1.6%:3.6%→3.6% 回復率142.9%
7)退職率:2.1%:1.3%:1.9%→1.9% 回復率75%
8)解雇率:1.4%:2.0%:1.3%↑1.2% 回復率:133.3%
9)採用率:3.8%:2.8%:3.6%↓3.5% 回復率70%
※前月の状況→2015年6月版

回復率100%超はNFP、求人率、解雇率の3指標のみという状態1年以上は変わらず。
回復率100%未達の6指標中、前月から改善したのは失業率、長期失業者の割合、U6失業率の3指標。
労働参加率は最低を更新し、採用率も0.1ポイント後退。

イエレン・ダッシュボードの回復率平均の推移 2015年7月全9指標の回復率の平均値は、前月時点の84%から86.2%へと急騰し、昨年12月を上回る過去最高水準へと上昇。

米労働市場は、求人件数やイエレン・ダッシュボードの平均回復率では全般的に回復傾向を示し、良好な状況を示しているものの、LMCIの数値は冴えない状況が続きます。賃金や労働参加率などの低迷がネックとなっている状況のようです。

しかし、ここに来てさらにネックとなっているのがギリシャと中国。いよいよデフォルト懸念が差し迫るギリシャとその後の動向、さらには他のユーロ圏への影響なども懸念され始め、中国・上海株の下落は今日も止まらず、一時7%もの暴落で日経平均も影響を受けているようです。昨日の欧州株も大幅安となり、原油も4月以来の安値水準へと下落、金融市場全般を覆う不透明感によりリスク回避傾向が強まり、米国の利上げはいったん脇役へと追いやられる状況となってきました。

NY金・日足チャート 2015/6/5 - 7/77日のNY金相場は1.76%の大幅反落となり、3月18日以来、3カ月半ぶりの安値水準へ。可能性はかなり低下していたと思われた1150ドル前後までの下落リスクが現実化。中国リスクによるコモディティ市場全般の下落の勢いに巻き込まれた状態に。短期的には目標水準に到達し、昨年11月と今年3月に続き3度めの1140ドル台までの下落で3番底をつけた状態となり、一服感も出やすいところだが。

NYプラチナ・日足チャート 2015/6/5 - 7/7プラチナ相場は3日続落の3日めに2.33%の大幅安。2009年3月安値1020ドル台に並ぶ1027ドルまで下げて終値時点でなんとか1040ドル台に戻した状態。6年4カ月ぶりの安値水準となり、短期的な下値メド1040ドル割れ水準にもいきなり到達してしまったことで、やはりいったんは反発の動きにもなりやすいところ。しかし、中国+ギリシャ・欧州リスクへの警戒感が続き、南アランド安傾向も強まり、上値を押さえる状況が継続。さらなる下落にも警戒が必要で、少し長めのレンジでは1000ドルの大台割れリスクも浮上。2009年2月の安値は940ドル。

ドル円・日足チャート 2015/6/8 - 7/7ドル円は小幅に4日続落もほぼ前日と同水準の122円50銭台。リスク回避の円買いドル買いで小幅に円高傾向も122円で切り返す底堅さも。123円台前半が上値抵抗線となって121円近辺までの円高リスクは継続、122円台半ばがサポートライン化しつつある状態となり、ここを割れると円高加速で121円の下値目標水準を突き抜けるパターンも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場7/7終値とチャート

国内金価格は1.39%の大幅続落となり、目標水準4930円付近を突き抜けてで5月8日以来、2カ月ぶりの安値水準へ。NY金の大幅安に円高傾向が重なったことによるオーバーランも、ギリシャ情勢の不透明感によるリスク回避傾向が強まりやすい状況と金の軟調推移によって反発力が消される可能性も。

プラチナは4営業日続落で3.43%の大幅安。3%超の急落は今年最大で昨年10月以来、水準としては2013年6月28日以来2年ぶりの安値。短期的な下値目安4500円割れ、4490円前後を100円以上も突き抜けた状態ながら、円高基調とNYプラチナの軟調推移も続き、下値警戒感は継続。直近の目安としては2013年安値4302円辺りも。
※参考:金プラチナ国内価格7/8とチャート
2015年07月08日(水)時点の相場
国内金:4,879 円 7/8(水) ▼69(1.39%)
国内プラチナ:4,370 円 7/8(水) ▼155(3.43%)
NY金:1,152.6 ドル 7/7(火) ▼20.6(1.76%)
NYプラチナ:1,041.5 ドル 7/7(火) ▼24.8(2.33%)
ドル円:122.52 円 7/7(火) ▼0.05(0.04%)
→7/7(火)のその他主要マーケット指標

←チャイナリスクに警戒する金融市場、今年高値からの下落率 07/09(木)
→LMCI(労働市場情勢指数)とFF金利の推移 07/07(火)
→予測不能のギリシャ情勢は反緊縮継続で市場リスクも継続へ 07/06(月)
→ギリシャに振り回された2015年上半期の市場動向 07/04(土)

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