LMCI(労働市場情勢指数)とFF金利の推移
更新日:2015年07月07日(火)
FRBが発表する
LMCI(労働市場情勢指数)の6月分は+0.8となり、市場予想の+2.0を大幅に下回り、下方修正された5月の+0.9からも低下。これで2012年以降の平均値は前月時点の+3.92から+3.85へと低下し、6カ月移動平均では+0.68。2009年10月以来、5年8カ月ぶりの低水準となりました。
過去1年間の今回発表値(と前月発表値)、修正幅は以下のとおり。
2014年7月:3.4(3.5)-0.1
2014年8月:3.0(3.1)-0.1
2014年9月:4.9(4.9)-
2014年10月:6.1(6.0)-
2014年11月:7.1(7.2)-0.1
2014年12月:7.2(7.2)-
2015年1月:3.5(3.5)-
2015年2月:1.4(1.4)-
2015年3月:-1.3(-1.0)-0.3
2015年4月:-1.2(-0.5)-0.7
2015年5月:0.9(1.3)-0.4
過去3カ月分合計で1.4ポイント下方修正され、今年前半の低調ぶりが鮮明となっています。
過去の米国政策金利(FF金利)の推移を重ね合わせて見ると、労働市場の情勢が好調な時期には利上げ、低迷期に入ると利下げを行って来たことが解ります。
もちろん、物価動向にも配慮が必要とはなりますが、労働市場の情勢動向だけを見ると、完全に利上げのタイミングを逸してしまっているようにも見えます。むしろ、比較的好調な時期が2010年以降5年ほど経過し、いつ低迷期が訪れるかもしれません。現在その兆しが見られ始めている状態の可能性すらあります。
そうなれば、次の金融政策は利上げではなく、利下げが必要となります。
しかし、利下げするほどの金利の余地はないので(欧州ではマイナス金利の導入も進み始めてはいますが)、その余地を作っておく為に、一刻も早く利上げをしておきたいという思惑と、それを後押しするような状況にない労働市場の情勢と物価動向に躊躇する部分との葛藤が、FRBの判断を迷わせています。
3連休明けとなった6日のNY金相場は先週末比0.83%上昇し、4営業日ぶりの反発。ギリシャ国民投票を受けて1170ドル台半ばへと窓開けスタート後はリスク回避の巻き戻しの流れに沿って軟調推移。欧州時間以降のドル高の流れ一服に伴い1160ドル手前で反発すると、FRBの6月労働市場情勢指数(LMCI)の低調な結果などをきっかけにドル売りが強まる場面では再び1170ドル台半ばまで上昇。1180ドルのレジスタンス手前では上値が重い状態が続き、下値は1160ドル台での底堅さも。先週末に1155.8ドルの安値をつけたことで短期的な下落局面にいったん区切りをつけた可能性も。1150ドル前後までの再下落リスクもわずかに残しつつ、下値固めの動きに。
プラチナ相場は1.6%の大幅安。時間外での1090ドルの高値から軟調推移が続くと、金の下げ止まりに追随できず、直近のサポート水準1070ドル台を割れると売り圧力が強まり、年初来安値更新となる1049ドルまで下落。上値トライへの可能性も見え始めていた状況は大きく巻き戻され、下値警戒感も高まり、下値メドは1040ドル割れ水準まで拡大。6月後半以降の抵抗水準1090ドルを超えると底値圏脱出で大幅上昇の可能性も。ギリシャ懸念=欧州経済リスクがくすぶる状況下では上値の重い状態がもう少し継続か。
ドル円は3日続落で0.12%の小幅安。121円80銭台からの反発も123円にわずかに届かず反落。123円台前半がレジスタンスとなり、121円近辺までの円高リスクを抱え、122円近辺までの間でレンジ傾向継続へ。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場7/6終値とチャート
国内金価格は0.16%の小反落。4960円台の90日移動平均線に上値を押さえられながらも短期下落トレンド収束に向けて4950円前後での揉み合い状態となって耐える状況。4930円付近まであとわずかの下落余地も残る。
プラチナは3営業日続落の0.7%安となって年初来安値を更新。今年安値圏での揉み合い傾向から底値を固めて反発へ?との期待に反して再び下落基調がスタートした可能性も。目先の下値目安は4500円割れ、4490円前後まで。
※参考:
金プラチナ国内価格7/7とチャート
2015年07月07日(火)時点の相場
国内金:4,948 円 7/7(火)
▼8(
0.16%)
国内プラチナ:4,525 円 7/7(火)
▼32(
0.70%)
NY金:1,173.2 ドル 7/6(月)
▲9.7(
0.83%)
NYプラチナ:1,066.3 ドル 7/6(月)
▼17.3(
1.60%)
ドル円:122.57 円 7/6(月)
▼0.15(
0.12%)
7/6(月)のその他主要マーケット指標
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