この1年間で金価格が上昇している国々
更新日:2015年07月24日(金)
7月23日時点でNY金相場は1年前の1304.7ドルから1094.1ドルまで16.1%の下落となりました。
世界各国でのこの1年間の金価格の騰落率を比較すると、意外にも金価格が上昇している国も多いようです。
米国と米ドル使用国では金価格は大きく下落し、ほぼ米ドルと連動する中国人民元でも同程度の下落となっています。しかし、中国の景気減速により、金価格の下落に伴う金消費需要喚起を相殺してしまっている可能性も懸念されます。
モディ政権以降インドルピーの対ドル下落率が限定的となっているインドでは、米中に次ぐ下落率となっています。金消費大国インドでの消費需要拡大の可能性はありそうです。
南アフリカでは自国通貨ランド安傾向が続き、金価格はわずかな下落にとどまっています。
南アフリカランドよりも対ドル下落率が大きい国々では、金価格は上昇しています。日本でも最近は価格が急落していますが、この1年間では2.1%の上昇。日本の円安よりもユーロ安の度合いが大きい為、ユーロ圏での金価格の上昇率が上回ります。
主要金産出国の一つ、豪州では金価格の上昇が景気持ち直しを少しはサポートするかもしれません。
主要金消費大国の一つ、トルコでの金価格の上昇は、金消費需要低迷につながる可能性もありそうです。
ロシアは、通貨ルーブルの暴落からは回復傾向とはなっていますが、この1年間ではまだ60%超のルーブル安ドル高の状態です。
この為、ロシアの金価格は39%もの上昇率となっています。
経済制裁の影響もあり、景気鈍化で貧困問題なども拡大している状態のロシア国民にとっては、ますます金など買えない状況となっているものと思われます。
しかし、そんななかでもロシア中銀は金を買い続け、2014年末の1208.2トンから、6月末には1275.2トンへと金保有量を5.5%も増加させています。
23日のNY金相場は0.24%の小幅高で11日ぶりの反発。買い戻し優勢の流れで欧州時間には1100ドル台へと上昇も米新規失業保険申請件数が約42年ぶりの低水準へと改善したことを受けて1090ドル台半ばへと小幅急落。再び軟調推移となって一時1080ドル台半ばまで下落。1100ドルが抵抗水準化しつつあり、上値の重い展開が続き、現状水準で揉み合い形成へ。反発の目安として5月半ばからの下落幅の23.6%戻し1116ドルから38.2%戻し1138ドル辺りまで戻せるかどうかが今後の展開に大きく影響。
プラチナ相場も0.12%の小反発で8日ぶりの上昇も限定的となり、売り過熱感MAX水準の状況が継続。今回の急落局面での
目標水準970ドル台から980ドル近辺での揉み合い形成の動きとなりつつあり、いたん落ち着くかどうか。7月の急落幅の38.2%戻しライン1001ドルが反発方向への努力目標水準。
ドル円は124円手前の水準での横ばい推移3日め。新規失業保険申請件数の好結果に124円10銭台まで急騰も124円台を維持できず、米株安・金利低下の流れで再び123円台後半へと押し戻される展開。125円台半ばまでのドル高円安余地に対して124円台での上値の重さが増す状況にあり、次週FOMCまでは膠着状態継続か。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場7/23終値とチャート
24日の国内金価格は0.64%安となり7日続落。昨年11月14日(4626円)以来、8カ月ぶり安値水準での推移が続き、
下値目標水準4670円近辺もクリア。7日続落は2013年6月12日から21日までの8日続落以来2年ぶり。そろそろ達成感も。
週間ベースでは-231円(4.73%)の大幅反落。
プラチナは3日ぶりの反落で0.85%安。チャート上ではきれいな下落トレンドが継続中。90日移動平均乖離率は10%を超える異常水準にあり、いつ反発してもおかしくない状況。ただしRSIでの過熱感は解消し、4080円近辺までの下落リスクも継続。
週間ベースでは-145円(3.35%)の反落。
※参考:
金プラチナ国内価格7/24とチャート
2015年07月24日(金)時点の相場
国内金:4,656 円 7/24(金)
▼30(
0.64%)
国内プラチナ:4,183 円 7/24(金)
▼36(
0.85%)
NY金:1,094.1 ドル 7/23(木)
▲2.6(
0.24%)
NYプラチナ:981.1 ドル 7/23(木)
▲1.2(
0.12%)
ドル円:123.90 円 7/23(木)
▼0.05(
0.04%)
7/23(木)のその他主要マーケット指標
1週間で4%下落した翌週のNY金相場動向 07/25(土)10日続落で5年ぶり安値水準の金相場は1000ドル割れも? 07/23(木)「実効為替レートはこれ以上円安にならない」水準で円安巻き戻し 07/22(水)NY金相場は1カ月で6.53%の急落、年間変動幅は適度な水準に 07/21(火)
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