更新日：2015年08月21日(金)
先ほど中国の財新（Caixin）が発表した8月の中国製造業PMI速報値は47.1となりました。市場予想も7月分も下回り、好不況の節目50を下回る状態も6カ月続き、2009年3月以来、6年5カ月ぶりの低水準へと落ち込みました。原油価格と同様にほぼ6年半ぶりの低水準となり、原油安とともに中国リスクが世界のマーケットを揺さぶる状態となっています。
中国については、不動産バブルが弾け、株バブルが弾け、人民元切り下げに続き、製造業の景況感悪化も深刻化していることが鮮明となってきました。
20日時点での世界の主要株は、NYダウが節目の17,000ドルを割り込んで年初来安値を更新、昨年10月末以来、10カ月ぶりの安値水準となり、ナスダックも6週間ぶりに5000ポイントを割り込み、3月末以来5カ月ぶりの安値水準へと下落。ドイツDAXは連日の2％超の大幅下落で5日続落となり、1月以来7カ月ぶり安値水準、英FTSEは2011年11月以来3年9カ月ぶりの8日続落となり、今年安値となっている1月6日以来、7カ月半ぶりの安値水準へ。日経平均も今朝時点では1カ月半ぶりに2万円の大台を割り込んできました。
ドルインデックスは今年高値水準となった3月の100台からはかなり低下し、8月の高値98から96近辺へと低下中。行き過ぎたドル高は解消傾向で足下ではドル売り傾向も。しかし、米国の利上げを意識しての新興国通貨安ドル高傾向は変わらずの状況。
それでも利上げへの警戒感を中国リスクへの警戒感が上回りつつあるような状況となり、20日のCMEのFedWatchでは、9月利上げの織り込み度合いは前日の45％から23.57％へと急落しています。
今のところは、9月利上げ先送り観測台頭と、中国リスクへの警戒感から金が急速に買われていますが、金消費大国でもあり金産出大国でもある中国の景気減速も、この後の金相場に対して微妙な影響を及ぼすことになるのかもしれません。
※参考：金プラチナ相場とドル円 NY市場8/20終値とチャート
21日の国内金価格は1.28％の大幅続伸で7月15日以来、5週間ぶりに4900円台を回復。上値目標の目先最大水準4920円台の手前には90日移動平均線が4909円に位置し、抵抗線に。90日移動平均を下抜けたのは7月1日。約2カ月ぶりに重要水準上抜けをかけての攻防へ。
週間ベースでは+124円（2.6％）となり、3週続伸。
プラチナも1.2％の大幅続伸。10日前の目標水準4350円台と追加目標4370円をも一気にクリアする形で7月14日以来となる4380円台まで上昇。その7月14日の価格は4412円。30円ほどの開きがあり、この間は空白地帯として上値抵抗水準の有力候補に。
週間ベースでは+132円（3.11％）となり2週連続3％超の大幅続伸。その前には3％下落しており、この夏ここまでは荒い値動き。
※参考：金プラチナ国内価格8/21とチャート
2015年08月21日(金)時点の相場
国内金：4,900 円 8/21(金) ▲62(1.28％)
国内ﾌﾟﾗﾁﾅ：4,383 円 8/21(金) ▲52(1.20％)
NY金：1,153.2 ﾄﾞﾙ 8/20(木) ▲25.3(2.24％)
NYﾌﾟﾗﾁﾅ：1,034.9 ﾄﾞﾙ 8/20(木) ▲21.8(2.15％)
ﾄﾞﾙ円：123.40 円 8/20(木) ▼0.42(0.34％)
8/20(木)のその他主要マーケット指標
米国の製造業PMIも低下傾向、とまらない株安の流れ 08/22(土)利上げに向けて近づくも条件未達、グレーな状態で9月へ 08/20(木)米住宅着工件数も好調維持、住宅市場も利上げ確率上昇を後押しへ 08/19(水)NY連銀製造業景況指数はリセッション時に逆戻り、それでも9月？ 08/18(火)
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