28年ぶりのブラックマンデー回避でプラチナ価格も下支えへ
更新日:2015年10月19日(月)
中国の7-9月期GDPは、前年比で市場予想の+6.8%を上回る+6.9%となりました。前期比では予想どおりの+1.8%。前年比での7%割れは2009年1-3月期以来6年半ぶり。一部では、前年比でも前月比でも大きく下振れるのではないかとの見方も強く、28年前の10月19日に世界的株価暴落となったブラックマンデー再来へのきっかけにもなりかねない、との警戒感も高まっていただけに、とりあえずは事無きを得た形です。
もちろん、中国国家統計局が発表するこの数値を鵜呑みにする人は殆どいないものと思われますが、それでも当局は数値の信頼性向上に向けた努力をしているとも見られ、今後もこの数値の動向には市場が大きく揺さぶられることになりそうです。
今朝も日経平均は寄り付きから200円以上下げたところから、指標発表を受けて100円超の急反発となり、為替も警戒感からの円高傾向がジリジリと進んでいた状態から50銭ほどの急反発、その後やや下げて119円30銭台で落ち着き始めた様子。
なお、同時に発表された中国の9月小売売上高は前年同月比で予想の+10.8%を上回る+10.9%。鉱工業生産は予想の+6.0%を下回る+5.7%となり、前月からも低下。中国景気減速懸念は続きます。
一方で、GDPがそれほど低下しなかったことで中国政府による経済対策への期待感後退にもつながり、リスクオン相場への後押しにもつながらない状況となっています。
とりあえずは、危機的な数値によるリスク回避局面再拡大は回避した形で、ここまで急反発してきた国内金価格やプラチナ価格のトレンド腰折れも回避できそうな状況です。
国内プラチナ価格は10月2日に3年2カ月ぶりの安値水準まで下洛した後、急反発の流れが2週間以上継続しています。今年中盤以降の急落トレンドを、先週から今週にかけて上抜けた形となっています。
多少の調整は見込まれるところですが、中国発リスク回避局面拡大に伴うプラチナ価格急反落で今年の急落トレンドへの回帰、というリスクは大きく低減した状況と言えそうです。
19日の国内プラチナ価格は0.97%高となって3日続伸。8月高値からの下落幅に対する61.8%戻し4145円をあっさりと上抜けてきたことで、さらに上値を伸ばす可能性も高まる状況に。目先は下落基調が続く90日移動平均線(4245円)から76.2%戻しライン(4235円)が強めの抵抗水準候補。ここもすんなりと突破できるようならいよいよ100%戻し(4383円)から4400円の大台付近が次の目標水準に。急騰局面が続いたことで反落の場合の値幅も大きくなりやすく、当面のサポートライン4070円を割れると4000円近辺までは下洛しやすい水準に。
国内金価格は0.31%下げて小幅続落。今年安値圏からの反発で強めの短期上昇トレンドを形成してきたなかでは、適度な調整フェーズを形成。ゆるやかな下落基調から水平状態に近づきつつある90日移動平均線(4792円)が有力サポート水準となり、この近辺までで切り返すことができれば堅調な流れが続く可能性。到達済の上値目標4850円近辺が抵抗水準に切り替わり、上抜けできない状況が続けば短期トレンド収束へ。上抜けると4900円近辺トライへ。短時間であっさりと上抜けするようなことがあれば、さらに大きく水準を切り上げる可能性も。
※参考:
金プラチナ国内価格10/19とチャート
2015年10月19日(月)時点の相場
国内金:4,825 円 10/19(月)
▼15(
0.31%)
国内プラチナ:4,173 円 10/19(月)
▲40(
0.97%)
NY金:1,183.1 ドル 10/16(金)
▼4.4(
0.37%)
NYプラチナ:1,023.7 ドル 10/16(金)
▲16.7(
1.66%)
ドル円:119.49 円 10/16(金)
▲0.61(
0.51%)
10/16(金)のその他主要マーケット指標
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