金プラチナ相場情報
Let's GOLD

★金プラチナ短期相場観★

プライドをかけた日銀、マイナス金利で当面の東京市場下支え
更新日:2016年01月30日(土)
ドラギECB総裁の追加緩和示唆発言で流れが変わり始めたものの、年初からのリスク回避による円高の巻き戻しは思うようには進まず、FOMCを経てもドル高円安基調が進行することはなく、他力本願では円高株安の流れを断ち切ることはできない。黒田日銀総裁はそう考えていたのかもしれません。
加えて12月には量的質的緩和の補完措置を失策と言われた悔しい経緯もありました。さらに、日銀としては2013年4月時点で「2年で2%」を掲げ「2015年の物価目標達成」を目指し、量的質的緩和を導入しましたが、その後2015年4月には目標達成時期を「2016年前半頃」へと先送り、2015年10月には「2016年後半」へとさらに先送りして追加緩和を敢行。そして今回は「2017年前半」へと3回めの先送りを余儀なくされました。

そんな背景もあり、3回めのサプライズとなるマイナス金利導入を決定し、悪い流れを断ち切ることに成功・・・するかもしれない状況へと、局面打開へと前進し始めました。
銀行の収益悪化を招くマイナス金利は日本ではあり得ない、と見る向きが多かった市場予想を裏切り、3段階の「階層構造」で当座預金の一部のみにマイナス金利を適用する巧みな手法を、用意周到に準備していたことになります。また、「量的・質的」に「金利」を加えたことと、「量的」部分を据え置きしたことで今後の追加緩和余地を拡大させた形に。

発表直後には、やや消化不良で市場は乱高下しましたが、流れは着実に好転し始めていきました。そして、東京市場での円安株高の流れは欧州・NY市場へも波及することとなり、「Banzai!」と評する海外メディアもあったようです。

ただし一方では、通貨戦争を仕掛けた日銀に対して相対的にドル高懸念が高まるリスクもあり、FRBの利上げ見通しプランに影響も。
日本株高と円安への反転で当面の東京市場の下支えには功を奏した格好ですが、中国リスクや原油安による世界的リスク回避傾向の流れを完全に巻き戻すまでに至るかどうかは現時点では判断し切れません。

金価格が底堅く推移している状況もそんな先行き不透明感を示唆しているようにも・・・。

NY金・日足チャート 2015/12/29 - 1/2929日のNY金相場は0.8ドル高となり、3日連続の1110ドル台半ばでの小康状態。日銀のマイナス金利導入発表直後こそ市場の混乱に巻き込まれる形で1110ドル割れから1118ドルまでの範囲で小幅乱高下とはなったものの、それ以降はほぼ傍観状態。円安ドル高に株価も水準を切り上げる展開のなかでも売り圧力は限定的、1110ドル台を維持する底堅さも。1110ドルがサポートラインとなって高値揉み合い状態継続へ。
なお、前回2014年10月末の日銀追加緩和の際には2.25%の大幅下落となり、1週間で56ドル(4.67%)もの下落となっていたのと比較すると、金の底堅さは際立つ状況。
週間ベースでは+20.1ドル(1.83%)で続伸、月間でも+56.2ドル(5.3%)の大幅反発。

NYプラチナ・日足チャート 2015/12/29 - 1/29NYプラチナ相場は0.74%の反発。リスク回避巻戻しの流れに870ドル台へと水準を切り上げて反落リスクを回避すると、金の安定推移にも連れて870ドル前後での推移が継続。860ドル台から880ドル台での揉み合いレンジを形成し、上昇トレンド再開なら900ドル超えから930ドル辺りまで上値を伸ばす流れとなる可能性も。逆に860ドル台を割り込むようなら下値余地は840ドル付近まで。
2014年10月末からの1週間では金に追随して-3.92%の下落。プラチナの流れも変わりつつある可能性も示唆。
週間ベースでは+42.7ドル(5.13%)の大幅続伸。月間では-17.4ドル(1.95%)の反落。20日までの急落分を取り戻し切れず1月としては14年ぶりの下落。

ドル円・日足チャート 2015/12/30 - 1/29ドル円は1.87%の大幅ドル高円安で4日続伸。想定外の日銀サプライズを受けて12月22日以来の121円台へ、騰落率としては2014年12月17日(+1.93%)以来の急騰。発表直後の乱高下を経て、市場の理解進行とともにドル高円安基調が進行し、米1月のシカゴ購買部協会景気指数が予想の45.3を大きく上回る55.6となった時点では昨年12月18日以来、1カ月半ぶりのドル高円安水準となる121円60銭台まで上昇。上値メド120円前後を大きく上回って水準を切り上げたことで流れが変わる可能性。
2014年10月末からの1週間では109円台から115円台まで、6円(5.5%)の上昇。今回も5%上昇した場合には124円台後半が想定水準となるが。
週間ベースでは+2.27円(1.91%)の大幅続伸、月間でも+0.72円(0.6%)の反発。最終日に起死回生のプラス転換。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場1/29終値とチャート

2016年01月30日(土)時点の相場
国内金:4,555 円 1/29(金) ▼24(0.52%)
国内プラチナ:3,547 円 1/29(金) ▼44(1.23%)
NY金:1,116.4 ドル 1/29(金) ▲0.8(0.07%)
NYプラチナ:874.3 ドル 1/29(金) ▲6.4(0.74%)
ドル円:121.04 円 1/29(金) ▲2.22(1.87%)
→1/29(金)のその他主要マーケット指標

←マイナス金利で円安進行なら国内金プラチナ価格もトレンド転換へ 02/01(月)
→波乱の2016年1月相場、消化不良で迎えるトリは日銀 01/29(金)
→FOMC:景気減速と低インフレ、世界動向注視に株安ドル安で金上昇 01/28(木)
→ワシントンD.C.を含む首都圏エリア=リッチモンド連銀製造業指数 01/27(水)

→ 最近よく読まれた記事
→ 明日の国内金プラチナ相場価格リアルタイム予想
→ PIVOT指数から見るNY金相場サポート&レジスタンスライン
→ PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート&レジスタンスライン

トップページへ
金プラチナ短期相場観
金プラチナ価格予想
PIVOT指数
主要マーケット指標
地金相場週間推移
相場情報メール
年間高値安値
国債格付一覧
チャートギャラリー
相関性RANK
トレンドワード
純金積立
マーケットトピックス


★PCサイトはこちら★
★iPhone/スマホ★