米2月のシカゴ連銀全米活動指数はハト派に
更新日:2016年03月22日(火)
米2月のシカゴ連銀全米活動指数は-0.29となり、1月の0.41(0.28から上方修正)から大幅下落し、2カ月ぶりのマイナス圏となりました。過去の米経済活動の平均値をゼロとするこの指標は、プラス圏なら過去平均以上、マイナス圏なら過去平均以下という状態を示します。
昨年8月から12月まで5カ月連続のマイナス圏となった後、1月の急反発は一時的であり、過去平均以下の状態が継続している可能性を示したことになります。
4分類される内訳では全て1月から低下。生産・所得は1月の0.29から-0.21へと2カ月ぶりのマイナス圏に反落し、雇用・労働時間は0.19から0.03へと低下し、5カ月ぶりのマイナス圏一歩手前。売上・受注・在庫は-0.02から-0.03へとわずかに低下し、5カ月連続のマイナス圏。個人消費・住宅関連は-0.05から-0.09へと低下、2007年6月以降8年8カ月連続のマイナス圏。雇用関係がわずかにプラス圏となった以外は全てマイナス圏となり、個人消費・住宅は8年以上も過去平均以下の状態が続く減速状態。
3カ月平均でも2014年4月の0.45をピークに低下傾向となり、2015年2月から6月までの5カ月間マイナス圏推移、7-9月にはわずかに0.03から0.04までのプラス圏、10月以降の5カ月間は再びマイナス圏での推移が続きます。
リッチモンド連銀とサンフランシスコ連銀、アトランタ連銀総裁たちの相次ぐタカ派発言が目立った日、シカゴ連銀の全米活動指数はかなりのハト派となっています。
21日のNY金相場は0.81%の続落。ドル高基調とFRB関係者のタカ派発言などが重石となって軟調推移。リッチモンド連銀ラッカー総裁の強気インフレ見通し発言などで1240ドル台へと水準を切り下げると、低調な米経済指標に反発する場面でも上値は限定的。サンフランシスコ連銀ウィリアムズ総裁、アトランタ連銀ロックハート総裁の4-6月利上げ正当化発言などもあり1240ドル台前半へ。FOMCでのハト派見通しを否定するような一連の発言に金はFOMCで上昇した値幅分を切り下げるような形に。1230ドル前後から1270ドルまでのレンジ内でやや軟調気味の推移が継続。
NYプラチナ相場は1.16%の反発。金の調整幅が23.6%押しにも達していないのに対し、プラチナは23.6%戻し水準963.9ドルを超えて950ドル付近までの調整を終えていたことなども比較的買われやすい状況に。ただし、下値を切り上げる形で三角保ち合い傾向は続き、目先のレンジは970ドルから990ドルへと縮小。上抜けなら1020ドル付近を目指す流れへ、下抜けなら930ドル付近へと大きく動き出す展開も。
ドル円は0.36%の小幅続伸でドル高円安方向への巻戻し。祝日の東京市場での円買いを警戒する動きも111円20銭付近までと限定的。シカゴ投機筋などの円買いポジションが大幅に減少していたことなども含め、短期的な円買い圧力は低下傾向の様子も。しかし、110円付近までの再トライの可能性は今しばらく継続。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場3/21終値とチャート
22日の国内金価格は0.33%の小幅続落。祝日の円高リスクに伴う急落懸念回避もNY金の調整幅がやや拡大した形で軟調推移が継続。1-3月の上昇幅に対する23.6%戻しとなる4810円付近に到達したことでいったんは下げ止まりの可能性も、円安もしくはNY金上昇のいずれも勢いに欠ける状況。4800円の節目を割り込んだ場合の下値目安は38.2%戻しの4729円から4700円付近まで。
国内プラチナ価格は0.32%の小幅反発。流れはやや下方向へと傾きながらも三角保ち合いの範囲内での推移が継続。3740円から3810円までのレンジ内推移がもうしばらく継続しそうな気配も。現状では上下どちらへ抜け出した場合でも100円前後の上昇、または下落幅が見込まれる状況。
※参考:
金プラチナ国内価格3/22とチャート
2016年03月22日(火)時点の相場
国内金:4,808 円 3/22(火)
▼16(
0.33%)
国内プラチナ:3,783 円 3/22(火)
▲12(
0.32%)
NY金:1,244.2 ドル 3/21(月)
▼10.1(
0.81%)
NYプラチナ:981.8 ドル 3/21(月)
▲11.3(
1.16%)
ドル円:111.95 円 3/21(月)
▲0.40(
0.36%)
3/21(月)のその他主要マーケット指標
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