更新日：2016年04月19日(火)
主な新興国通貨と金・プラチナ・原油の対ドルでの年間騰落率を見ると、全て過去2年間の下落に対して、2016年は4月18日時点で上昇しています。ほとんどの通貨や商品に対してドル高が進行してきた昨年までの流れが巻き戻される展開が鮮明となり、これらに対してドルインデックスは今年、年初から5％ほど下落しています。
ロシアルーブルは原油相場の過去2年間の大幅下落からの反発に連動するように、10％超の大幅上昇となっています。これを含む新興国通貨でも、過去2年の下落幅が最も小さかったトルコリラの今年の上昇率が最小となり、過去2年間の下落幅が最も大きかったロシアルーブルが今年最大の上昇率となっています。
個別に見れば、ルセフ大統領の弾劾期待などで買われてきたブラジルレアルは足下での弾劾の下院通過、上院通過も時間の問題となる状況となって政局の先行き不透明感からか失速気味。同じようにズマ大統領への不信感と政局混乱の問題を抱える南アランドもしばしば急落局面をはさみながらの戻り基調。トルコリラも頻発するテロ事件やエルドアン大統領の独裁への警戒感などから買い戻しもスローペース。
それでも、新興国通貨の今年ここまでの上昇率は、概ね過去の下落率に比例する形となっています。
しかし、昨年までのプラチナの大幅下落に対する今年の上昇率に比べ、金の昨年までの下落率に対する今年の上昇率はかなり大きく、開きがあります。
金の場合は2013年の大幅下落も考慮すれば、今年の突出した上昇率も決して行き過ぎではないのかもしれません。
ただし、今年年初から2カ月ほど上昇基調が続き、その後2カ月ほどは保ち合い状態が続く金相場も、そろそろ日柄的にも次の動きへと変化が見られる時期に差し掛かってきている可能性もありそうです。
新興国通貨や原油と比べても突出している今年ここまでの金の上昇率が、買われ過ぎである可能性にも警戒しておくべきタイミングかもしれません。
※参考：金プラチナ相場とドル円 NY市場4/18終値とチャート
19日の国内金価格は4日ぶりの反発で0.22％高。4642円へとゆるやかに上昇する90日移動平均線には追いつけず、下抜け状態が継続。9-21日移動平均線は一本調子の下落基調となり、目標水準4550円台に向けての短期下落トレンドも継続。過去1カ月に3度上値を押さえられた9日移動平均線（4643円）を確実に上抜けることが短期トレンド転換への第一関門。
プラチナ価格は0.38％高となって3日ぶりの反発。下方リスクが徐々に高まる状態を円安が下支え、3660円台をサポートラインとして持ち直しの展開へと望みをつなぐ状況に。ただし、改めてこの水準を割り込むと3600円前後までの下値余地。当面の抵抗水準は3750円、超えると3800円付近が視野に。
※参考：金プラチナ国内価格4/19とチャート
2016年04月19日(火)時点の相場
国内金：4,621 円 4/19(火) ▲10(0.22％)
国内ﾌﾟﾗﾁﾅ：3,680 円 4/19(火) ▲14(0.38％)
NY金：1,235.0 ﾄﾞﾙ 4/18(月) ▲0.4(0.03％)
NYﾌﾟﾗﾁﾅ：977.8 ﾄﾞﾙ 4/18(月) ▼12.1(1.22％)
ﾄﾞﾙ円：108.81 円 4/18(月) ▲0.05(0.05％)
4/18(月)のその他主要マーケット指標
米住宅着工件数は頭打ち状態、ドル安進行で金買い再開へ？ 04/20(水)産油国協議決裂、無秩序ではない為替市場は円高へ 04/18(月)米製造業の回復基調継続も鉱工業生産は予想外の落ち込み 04/16(土)消費者物価指数の上昇基調失速でFOMCに向けてタカ派の勢いも失速 04/15(金)
最近よく読まれた記事
明日の国内金プラチナ相場価格リアルタイム予想
PIVOT指数から見るNY金相場サポート＆レジスタンスライン
PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート＆レジスタンスライン