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米住宅着工件数は頭打ち状態、ドル安進行で金買い再開へ?
更新日:2016年04月20日(水)
米住宅着工件数 2016年3月米商務省が19日発表した3月の住宅着工件数は、108.9万件となり前月比では-8.79%。市場予想の116.6万件を下回り、昨年10月来での最低水準に。合わせて発表された住宅建設許可件数も120万件の予想に対して108.6万件と昨年3月以来1年ぶりの低水準となり、今後の住宅着工件数減少傾向を示唆する結果に。

これまでの着工件数の推移を見ると、2008年来の高水準を維持しており、決して悪い数値ではなく、前月比の12カ月平均では+1-2%の水準を維持。
しかし、最近の着工件数では2015年6月の121.1万件をピークにやや停滞気味、6カ月移動平均でも頭打ちの兆しも見て取れる状態。上下の変動が激しい前月比でも、時折り見られる大幅上振れも2015年4月の+24.74%を最後にこの1年間は控えめの状態。

冴えない住宅指標にドル安の流れが加速する形となった19日のNY市場、利上げ観測後退材料にNYダウは連日の年初来高値更新で欧州株もドイツDAXに英FTSEも年初来高値を更新。欧州株高を好感する形でプラチナも年初来高値を更新し、1000ドルの大台を大きく超える大幅高。
これに追随するかのように、高値保ち合い状態が続き、反落への警戒感もくすぶり始めていた金も再び買い優勢の展開へと動き出す可能性も出てきたようです。

NY金・日足チャート 2016/3/18 - 4/1919日のNY金相場は1.56%の大幅高となって3日続伸、1週間ぶりの高値水準へ。クウェートの石油労働者ストライキに伴う原油高が商品全般の買いを先導し、ドル安の流れもこれを後押しする形となって欧州時間にかけて1240ドル台へと水準を切り上げ、米3月の住宅着工件数と住宅建設許可件数が予想を大きく下回ったこともあり、一時1250ドル台後半まで買われる展開。1260ドルのレンジ上限付近では上値も重い状況ながら、上限突破できれば1280ドル前後へと今年高値更新トライへと向かう可能性も。しかし、今朝時点ではクウェートのストライキ終了も伝えられ、ドル安の流れ一服も想定される状況。目先は1220-1260ドルのレンジ内を抜け切れず、しばし保ち合い傾向継続か。

NYプラチナ・日足チャート 2016/3/18 - 4/19NYプラチナ相場は4日ぶりの反発で37.9ドル、3.88%の大幅高。一方向へと動き出したらとまらないプラチナは3月4日の43.6ドル(4.63%)に次ぐ今年2番めの上げ幅で昨年10月20日(1020.1)以来、半年ぶりの高値水準に。940-1000ドル台の広めのレンジを上抜けたことにより一気に加速、高値目安1020ドル台に迫る1018ドルまで上昇したことで一服感も。サポートラインを970ドル台へと切り上げ、1020ドル台から行き過ぎで1030ドル台辺りまでは多少の上昇余地も。

ドル円・日足チャート 2016/3/21 - 4/19ドル円は0.35%の続伸。原油高が牽引する形でリスク選好の流れとなり、ドル安円安で欧州通貨や資源国・新興国通貨などが買われる展開でドル円では円安。短期抵抗水準109円台半ばまで水準を切り上げたところで米住宅指標の悪化を受けて反落、NY終値では109円台前半も今朝にかけては再び109円割れを試す展開に。流れは円安方向へと転換しつつあるものの、108円台後半から109円台半ばの狭いレンジで揉み合いの様相。上抜けなら110円台半ば、下抜けなら107円台前半が目先の目安に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/19終値とチャート

20日の国内金価格は1.73%の大幅続伸。NY金の大幅高+円安による大幅上昇も円安レベルは前日朝との比較でほぼ同水準。それでも9-90日移動平均線をまとめてゴールデンクロスする急反発で短期下落トレンド脱却の兆し。1週間前の高値水準4692円を上抜けたことで上方視界は開けた形。環境的には追い風一服の状況となり、さらに上値を追い続ける状態ではないものの、当面の可能性として4780円付近が上値目標水準に。

プラチナ価格は3.23%の大幅続伸。下方リスクが高まりつつあった流れが完全に逆流し、抵抗水準3750円を突破したことによる上値目安3800円付近まで一気に到達。3月23日(3841円)以降、4週間での最高値水準となり、形的には上昇トレンド再開。しかし一服感も出やすく、目先一段高の流れとなった場合の目安は3820円台辺りまでか。
※参考:金プラチナ国内価格4/20とチャート

2016年04月20日(水)時点の相場
国内金:4,701 円 4/20(水) ▲80(1.73%)
国内プラチナ:3,799 円 4/20(水) ▲119(3.23%)
NY金:1,254.3 ドル 4/19(火) ▲19.3(1.56%)
NYプラチナ:1,015.7 ドル 4/19(火) ▲37.9(3.88%)
ドル円:109.20 円 4/19(火) ▲0.38(0.35%)
→4/19(火)のその他主要マーケット指標

←三菱ショックの日、プラチナはVWショック前の水準を回復 04/21(木)
→新興国通貨と金・プラチナ・原油の対ドル年間騰落率 04/19(火)
→産油国協議決裂、無秩序ではない為替市場は円高へ 04/18(月)
→米製造業の回復基調継続も鉱工業生産は予想外の落ち込み 04/16(土)

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