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★金プラチナ短期相場観★

三菱ショックの日、プラチナはVWショック前の水準を回復
更新日:2016年04月21日(木)
三菱自動車の燃費試験データ不正問題が発覚し、ブランド失墜の危機に陥っています。eKワゴンなど軽自動車4車種で合計62万台の販売停止のスキャンダルで業績悪化はもちろん、経営責任も不可避と見られ、業界全体への影響も懸念されるところです。
今のところ日本株全体への影響は限定的とはなっているものの、三菱自動車株は20日の発表直後に15%の急落でストップ安、今朝もそのまま値が付かない状態に。
三菱自動車としては、過去にも度重なるリコール隠し問題で破綻寸前に追い込まれた経緯もあり、ショッキングな事件となっています。

自動車会社の不正問題としては、昨年9月のドイツ・フォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正問題が米国で発覚した事件に続くスキャンダルとなりますが、今のところ今回の件は対象が軽自動車に限られ、日本国内限定の問題で済みそうな状況ではあります。
また、ディーゼル車でもないことで、VWショックの時のように、ディーゼル車向け排ガス触媒需要への影響が懸念されて相場価格が急落したプラチナへの影響も全くありません。

むしろ、プラチナ相場は現在、急騰状態が続いています。VWショック時には、急落したプラチナ相場は1000ドル割れの状態から、大台回復への望みも遠のき、7年ぶりの800ドル台へと一段安の展開となりました。その後半年余り経過し、VWショックの影響からようやく立ち直り、1000ドルの大台トライも何度か試せる状態にまで回復。そして、皮肉にも三菱ショックの日には1000ドル台2日めとなり、VWショック前の水準を回復、1000ドル台完全回復への望みもつながる状況となってきました。

なお、今後の自動車関係のスキャンダル関連としては、ディーゼル自動車に加え、プラチナ需要が見込まれる燃料電池自動車(FCV)の動向にも注意が必要です。

NYプラチナ・日足チャート 2016/3/21 - 4/2020日のNYプラチナ相場は1.22%の大幅続伸で8月20日(1034.9ドル)以来、8カ月ぶりの高値水準に。終値ベースで1000ドル超の水準を2日連続で維持するのは10月23日以来半年ぶり。高値目安1020ドル台にしっかり到達し、高値では1030ドルを超え、行き過ぎ余地の1030ドル台にも到達。達成感からの反落で今朝には1010ドル台へと水準を切り下げての推移。主要レンジが1000ドル以下から1000ドル以上へと完全に切り替わる為には、現状水準から1000ドルまでの間での足場固めが必要に。今のところのサポートラインは970ドル台。

NY金・日足チャート 2016/3/21 - 4/20NY金相場は前日からほぼ変わらず、わずかに0.1ドルの小幅高で4日続伸。ドル高優勢地合いのなか、5月にロシアで産油国会合の可能性報道などで原油相場が年初来高値更新とこの日も商品市場全般を牽引、プラチナとともに銀先物も急騰局面形成で年初来高値を更新し、貴金属の堅調地合いを先導。この流れに金相場も下支えされた格好。しかし高値では1259.8ドルまでとレンジ上限1260ドルを超えられず、今朝には1240ドル台での推移。徐々に流れは上向きつつあるものの、1220ドルのレンジ下限まで間での保ち合い状態継続へ。

ドル円・日足チャート 2016/3/22 - 4/20ドル円は0.58%のドル高円安で3日続伸。NY市場では原油高に欧米株も連日の年初来高値更新、債券安で金利上昇の流れでリスク選好のドル買い円売り。米10年債利回りとドル円との短期的な相関性も強まり、金利上昇に連れての堅調推移の展開に。109円をはさんでの揉み合い状態から、109円台半ばの節目を上抜けたことにより、110円台半ば辺りまでは上値を伸ばす可能性。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場4/20終値とチャート

21日の国内金価格は前日比-1円とほぼ変わらず。3月上旬から続いた下落トレンドからゆっくりと抜け出そうとしている状態。急上昇は見込めそうにはない状況ながら、ゆっくりと水準を切り上げ、上値目標4780円付近を目指す展開へ。ただし、1週間後の日米金融政策会合で流れが変わる可能性にも警戒。

プラチナ価格は1%高となって3日続伸。一段高の流れとなった場合の目安3820円台辺りを少し上回る水準に。3月後半高値23日の3841円に迫る水準まで急速に戻してきたことによる一服感とともに急反落も警戒される状況。一時-20%を超えていた200日移動平均(3872円)からの下方乖離率が-1%を切り、およそ1年2カ月ぶりとなる200日移動平均線超えも視野に入り、長期的な地合い改善への期待も高まるところだが、目先はNYプラチナとともに調整局面をはさんでの足場固めも必要。
※参考:金プラチナ国内価格4/21とチャート

2016年04月21日(木)時点の相場
国内金:4,700 円 4/21(木) ▼1(0.02%)
国内プラチナ:3,837 円 4/21(木) ▲38(1.00%)
NY金:1,254.4 ドル 4/20(水) ▲0.1(0.01%)
NYプラチナ:1,028.1 ドル 4/20(水) ▲12.4(1.22%)
ドル円:109.83 円 4/20(水) ▲0.64(0.58%)
→4/20(水)のその他主要マーケット指標

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→米住宅着工件数は頭打ち状態、ドル安進行で金買い再開へ? 04/20(水)
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