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インフレ期待は低下傾向のまま利上げ期待は上昇
更新日:2016年05月28日(土)
ミシガン大学1年期待インフレ率 2016年5月確報値5月のミシガン大学消費者信頼感指数の確定値は94.7。速報値の95.8、予想の95.4を下回ったものの4月の89.0からは大きく上昇し、昨年6月の96.1以来11カ月ぶりの高水準となり、足下での米消費の回復傾向を示しています。
しかし、FRBがインフレ期待として注目するミシガン大学1年期待インフレ率は、速報値の2.5%から2.4%へと0.1ポイントの下方修正。4月の2.8%から急低下し、2010年9月(2.2%)以来、5年8カ月ぶりの低水準となりました。3カ月平均でも2.6%となって4月の2.7%から低下、2月の2.5%に次ぐ低水準となっています。2.5%という水準は今年2月と2010年9-10月に記録し、リーマンショック以降での最低水準。5月はその一歩手前、という状況になります。

2011年以降、インフレ期待は低下傾向のまま、2回目めの利上げへと向かうことになります。
イエレンFRB議長の「数カ月以内の利上げ適切」発言を受けて、Fedウォッチの6月利上げ確率は前日の26.3%から28.1%へ上昇、7月利上げは合計56.1%から60.7%(0.75%への利上げ48%+1.00%への利上げ12.7%)へと上昇。

次週、4月のPCEデフレーターが予想を上回る上昇となった場合、インフレ期待に反してインフレ率が上昇することになり、Fedウォッチの6-7月の利上げ確率も一段と上昇することになります。インフレ期待は低下傾向のままでも、利上げ期待だけは高まることになりそうです。

NY金・日足チャート 2016/4/28 - 5/2727日のNY金相場は0.54%下落し、8日続落。終値では2月22日(1210.1)以来3カ月ぶりの安値水準に。ロンドン市場以降はイエレンFRB議長講演への警戒感からの軟調推移、「今後数カ月で利上げが適切となる可能性」への言及も他の地区連銀総裁とは発言の重みが違い、3月28日(1206.0)以来2カ月ぶりの安値水準となる1206.4ドルまで下落。昨年12月安値1045.4ドルから今年最高値5月2日の1306ドルまでの上昇幅に対する38.2%戻し1206.5ドルにほぼ一致する水準まで下げたことになり、調整局面にも区切りがつけやすい状況に。また、8日続落となるのは昨年7月以来10カ月ぶり、この時は10日続落で1100ドルの節目を割り込み、1000ドルの大台割れへの警戒感も高まった時期。しかし、結局その後は大台を割り込むことなく反発。今回は1200ドル割れへの警戒感が高まりそうな状況となり、そういう見方が増えるほど、そうはならない可能性も高まり、今回も大台割れ回避で反発する展開も。
週間ベースでは-39.1ドル(3.12%)、半年ぶりの大幅下落となり3週続落。

NYプラチナ・日足チャート 2016/4/28 - 5/27NYプラチナ相場は1.37%の大幅反落。下値トライ継続が警戒された前日の流れを受け継いで金とともに軟調推移、安値では4月19日(976)以来の水準となる976.5ドルまで下落し、行き過ぎの場合の下値目安970ドル付近に到達。その後、今朝にかけての反発度合いも弱く、行き過ぎではなくなってしまう可能性も。今年1月安値から5月高値までの38.2%戻しライン985ドルを完全に割り込んでおり、次の下値警戒水準としては50%戻しとなる951.9ドル。この水準は3月末から4月初旬にかけての保ち合い下限付近にも相当。
週間ベースでは-41.1ドル(4.02%)、4カ月ぶりの大幅下落となり、昨年11月以来半年ぶりの3週続落。

ドル円・日足チャート 2016/4/28 - 5/27ドル円は0.52%の反発。米1-3月期GDP改定値が前期比年率+0.8%となり、速報値の+0.5%からは上方修正されたものの市場予想の+0.9%を下回ったことを受けてのドル売り局面では20銭ほど急落し、109円40銭台まで下落。しかし、最近の保ち合い下限付近で下げ止まると、一転してドル高方向へと反発。イエレン発言への期待感とともに110円付近まで水準を切り上げ、早期利上げに向けた前向きな発言が聞かれたことで110円40銭台まで急騰。終値でも20日の110円20銭台を上抜け、ドル高円安方向へと動き出しの兆候。ただし、高値では最近の保ち合い上限となる20日高値110円50銭台を抜け切れず、レンジ内へ逆戻りの可能性も。次週、インフレ指標や労働市場の好調さなどが確認されるようなら、ドル高加速の展開となり、上値目標水準は112円台前半へ。逆の展開で109円台前半へと反落の場合には108円割れも。
週間ベースでは+0.11円(0.1%)の小幅高となり、4週続伸。4週続伸は昨年3月以来1年2カ月ぶり。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/27終値とチャート

2016年05月28日(土)時点の相場
国内金:4,624 円 5/27(金) ▼16(0.34%)
国内プラチナ:3,762 円 5/27(金) ▼3(0.08%)
NY金:1,213.8 ドル 5/27(金) ▼6.6(0.54%)
NYプラチナ:982.2 ドル 5/27(金) ▼13.6(1.37%)
ドル円:110.33 円 5/27(金) ▲0.57(0.52%)
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