世界的に反発基調鮮明となった6月の製造業PMI、出遅れ組は
更新日:2016年07月02日(土)
米6月の
ISM製造業景況指数は予想以上の好結果となり、新規受注、生産、雇用、輸出入など、いずれも数カ月ぶりの高水準へと上昇し、米国の製造業は拡大傾向が鮮明となってきました。マークイット社発表の製造業PMIでも2009年来の低水準まで低下していた5月の50.7から6月には51.3へと反発し、底入れの可能性を示す結果となっています。
6月に製造業の拡大傾向、反発傾向が見られたのは米国だけでなく、世界的にその傾向が強く見られます。※
世界各国の製造業PMI
低迷が続いていたロシアでも7カ月ぶりに節目の50超へと回復し、相変わらず超低迷状態が続くブラジルでも6月はいったん反発。ユーロ圏は全般好調となり、昨年の低迷から抜け出したギリシャも2014年5月以来2年ぶりの好水準となる50.4へと上昇。
そんな6月に世界の主要国で製造業PMIワースト5となったのは、
ブラジル:43.2(7年3カ月ぶりの低水準となった5月の41.6からは反発)
トルコ:47.4(5月49.4から低下、2009年4月以来7年2カ月ぶりの低水準)
日本:48.1(5月47.7からは反発、四半期レベルでは2012年第4四半期以降で最低)
フランス:48.3(5月48.4から低下)
中国:48.6(5月49.2から低下)
このうち、好不況の分かれ目となる50を下回る状態の継続月数では、フランス、トルコ、日本は4カ月連続。
ブラジルは2015年2月以降の1年5カ月連続、中国は2015年3月以降1年4カ月連続。
汚職、政局不信、高インフレでリセッション状態のブラジルは別格としても、世界経済への影響度を考慮すると中国の足下の低下傾向が気になるところです。
対ドルで5年半ぶりの人民元安となっている人民元の動向とともに、中国の製造業PMIの今後の動向も注目され、再び世界の金融市場混乱の引き金にならないか、夏場に向けて警戒感も高まる状況です。
1日のNY金相場は1.39%の大幅反発。リスク回避後退に伴うドル安の流れ、日英欧の緩和政策に米利上げ先送りと金融政策が世界的にハト派姿勢に傾斜する状況を背景に、金への投資需要はタカ派姿勢。SPDRゴールドシェアの金ETF残高は3年ぶり高水準となる953.91トンまで増加。前日の十字線が示唆していたのは保ち合い上方ブレイク、コンスタントに上値を切り上げ、終値では2014年7月10日(1339.2)以来、2年ぶりの高値水準に。目先の上値余地としては24日の高値1360ドル付近まで。
週間ベースでは+16.6ドル(1.26%)となり、2年ぶりの5週続伸。
NYプラチナ相場は3.25%の大幅高で3日続伸。欧米株の堅調推移はこの日も続き、英FTSEは連日の年初来高値更新で11カ月ぶりの高値水準、金の大幅上昇もサポート材料となり、上値目安となっていた1020ドル近辺からの調整もなく、さらに大きく急騰。終値では5月11日(1066.1)以来、ほぼ2カ月ぶりの高値水準となり、5月初旬の今年高値圏1080ドル台も意識されるところ。ただし、プラチナらしい荒っぽい値動きとなってきた現状では急反落への警戒感も高まる。
週間ベースでは+67.6ドル(6.85%)の大幅続伸。上昇幅としては4カ月ぶりの大幅高。
ドル円は4日ぶりの反落で0.62%のドル安円高。ポンド円の下落に連れて東京市場では103円台から102円台半ばへと水準を切り下げると、以降は横ばい推移。米6月のISM製造業景況指数の上振れを好感しての上昇も102円70銭台までと限定的。結局24日高安の半値戻し103円ラインを一時的に上抜けて反落した状態となり、目先はこの水準が上値抵抗線に。米雇用指標の改善などをきっかけに上抜けできれば104円台へと水準を切り上げる展開へ。逆に改善が見られないようなら27日終値101円90銭台が意識され、ここを下回るようなら再度101円前後までの円高進行も。
週間ベースでは+0.25円(0.24%)、3週間ぶりの小反発。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場7/1終値とチャート
2016年07月02日(土)時点の相場
国内金:4,689 円 7/1(金)
▲45(
0.97%)
国内プラチナ:3,638 円 7/1(金)
▲81(
2.28%)
NY金:1,339.0 ドル 7/1(金)
▲18.4(
1.39%)
NYプラチナ:1,054.7 ドル 7/1(金)
▲33.2(
3.25%)
ドル円:102.54 円 7/1(金)
▼0.64(
0.62%)
7/1(金)のその他主要マーケット指標
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