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★金プラチナ短期相場観★

Brexitショック前後の新興国通貨と日本円と金
更新日:2016年07月05日(火)
Brexitショック前後の新興国通貨と日本円と金Brexitショック直前の6月23日と、ショックの影響が最大化したBrexit直後の27日、そして市場が落ち着きを取り戻したBrexit1週間後の7月1日。この間の新興国通貨、日本円、金、プラチナ、原油の対ドルレートの推移を比較。
※為替レートは通常表記(1ドル当たりの各国通貨単位)を逆数変換、各国通貨単位当たりのドル形式とし、23日終値を100とした指数の推移で比較。チャート上方向が各国通貨高(商品高)ドル安、下方向が各国通貨安(商品安)ドル高。

Brexit直後には、混乱状態となった市場はリスク回避の流れが加速。この状態では、必ず真っ先に売られるリスク資産、新興国通貨は全面安となりました。昨年まで売られ続けて経済状況も政局混迷状態も最悪期にあるブラジルレアルは既に大底付近との見方もあり、今後の回復を見越して今年は最も買われている新興国通貨。原油安の影響を最も受けたロシアルーブルも昨年までの急落状態から、今年はブラジルレアルに次いで買い戻されている状況。これら堅調通貨の今回の下落は比較的小幅にとどまり、まだ不安定な状況が続き、ボラティィティの高い南アランドは7%の急落。下げ幅に違いはあれど新興国通貨は全面安。

しかし、ショックから落ち着きを取り戻した1週間後には、新興国通貨はいずれも大きく反発。ロシアルーブルはBrexit直前の水準を回復し、ブラジルレアルはBrexit直前と比較しても3%超の上昇。南アランドも直前から1%安の水準にまで急反発。
原油も需給要因以外のリスク要因での値動きでは新興国と同じ軌道をたどります。
Brexitリスクへの警戒感は消滅した訳ではなく、先送りされただけの状況にもかかわらず、新興国通貨や原油が対ドルで急反発した要因としては、Brexitリスクへの不透明感継続による米国の利上げ見通し後退によるところが大きそうです。

安全資産としてはドルよりも買われやすい金はBrexit直後に5%弱の上昇。1週間後には、新興国通貨と同様に米利上げ見通し後退を好感してさらに上昇しています。
プラチナは金に連動しての買いとリスク資産の売りでの株安傾向との板挟みから、直後には1%程度の上昇に留まったものの、1週間後には金の堅調推移に加えて米利上げ先送りに伴う株高の流れを好感する形で大幅急騰しています。

安全資産としてはドルよりも買われやすく、金ほどは買われない日本円は、直後には金に次ぐ4%程度の大幅上昇となり、1週間後の米利上げ先送りに伴うドル安による相対的な円高により、円高水準をわずかに下げただけ、という状態。

Brexitに伴うリスク警戒感が表面上は沈静化した状態でも、米利上げ見通しが急速に前倒しされるようなことが無い限り、金や新興国通貨の比較的堅調な状態はもうしばらく続きそうです。
そして、ゴールドの上昇率が日本円の上昇率を上回り続ける限り、国内金価格もゆっくりと上昇基調が続くことになります。

ドル円・日足チャート 2016/6/3 - 7/44日のドル円は102円50銭台で前週末から横ばい推移。東京市場では株高・円安の流れで昼過ぎまでに102円80銭台まで上昇、しかし資源国通貨などが買われるドル安傾向の流れにドル円の上値も重く、午後には戻り売りの展開で夕刻にかけて元の水準へと行って来い。休場となったNY市場ではほぼ動意なし。102円割れ水準から103円台前半までの保ち合い状態が継続し、週末にかけての米指標をきっかけに上下どちらかへ動き出す可能性も高まる状況。上抜けなら104円台半ば付近、下抜けなら101円近辺が上下の目安に。

5日の国内金価格は0.3%上昇し、4営業日続伸。前日NY時間外の金は1350ドル台に水準を切り上げ、一時1360ドルにタッチする場面もあり、目先のNY金上値余地1360ドル付近に到達。今朝の若干の円高で上げ幅を削られた形の国内金価格は5月20日(4760)以来、1カ月半ぶりの高値水準。週末に向けては値動き縮小見通しも、短期上昇トレンドは継続中で2番めの目安4830円近辺までの上昇余地も。

プラチナ価格はわずかに0.05%安となり、5日ぶりの反落。NY時間外のプラチナが一時1070ドル台まで水準を切り上げたこともあり、4日続伸で8%超の急騰の流れがとまらない可能性もあった状況から、ようやく今朝になって軌道修正。NYプラチナの失速傾向と円高気味の為替に上値を押さえられた形。短期的には堅調地合いのなか、5月高値から6月安値までの半値戻しから61.8%水準、3700-3760円近辺のレンジでいったん落ち着きそうな状況に。
※参考:金プラチナ国内価格7/5とチャート

2016年07月05日(火)時点の相場
国内金:4,754 円 7/5(火) ▲14(0.30%)
国内プラチナ:3,744 円 7/5(火) ▼2(0.05%)
NY金:1,339.0 ドル 7/4(月) +-0.0(0.00%)
NYプラチナ:1,054.7 ドル 7/4(月) +-0.0(0.00%)
ドル円:102.53 円 7/4(月) ▼0.01(0.01%)
→7/4(月)のその他主要マーケット指標

←EU離脱ショック再燃で世界一急騰する英国の金価格 07/06(水)
→国内金価格はこの夏5000円超、プラチナは4400円超への可能性も? 07/04(月)
→世界的に反発基調鮮明となった6月の製造業PMI、出遅れ組は 07/02(土)
→米国の6月各地区連銀製造業PMIは大半が反発も雇用は低調 07/01(金)

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