米7月LMCIも今年初のプラス転換で労働市場回復基調も加速の兆し
更新日:2016年08月09日(火)
米FRBが発表した7月の労働市場情勢指数(
LMCI)は1.0となり、昨年12月(1.8)以来、7カ月ぶりで今年初のプラス転換。6月は-1.9から-0.1へと大幅上方修正され、5月も-3.6から-3.4へと小幅上方修正。4月とは3月はそれぞれ0.2、0.1ポイント下方修正されていずれも-3.4。
過去分全般の修正では2015年全体で-0.1ポイントと小幅下方修正、2014年合計は+0.4ポイント、2013年は+0.2,2012年は+0.3と全般的に小幅上方修正。
結果的に、今年3月時点で2009年5月(-9.2)以来、7年ぶりの低水準に悪化した状態が5月まで3カ月継続した後、6月から急反発し始めた状態。
リセッション後の最悪の時期となった今年前半から、年後半に向けて拡大方向への加速を示唆する形は、雇用統計の非農業部門雇用者数(NFP)の3カ月平均の推移でも同様の傾向が見られます。
NFPの3カ月平均では5月に11.80万人となり、2012年7月(11.50)以来4年ぶりの低水準まで鈍化し、その後6月には15.33、7月には19.03へと急加速しています。
LMCIの底値-3.4が3月から5月まで続いた状態が、5月のNFP大幅下振れを示唆していた形となり、6月以降の急回復も同調する形となりました。
これまで、LMCIは他の雇用関連指標との乖離も目立ち、ひたすら悪化傾向を示す状態が続いていました。しかし、NFPの3カ月平均との比較では、ようやく歩み寄りを見せ、同じ方向を向き始めた状態です。
米労働市場は、年後半にかけて一段と回復基調が加速する可能性が高まってきたようです。
8日のNY金相場は0.23%の小幅続落。雇用統計後の流れを受け継ぐ形での軟調推移は1330ドル台半ばまで。最高値圏にある米株の伸び悩みに伴う小反発で1340ドル台回復で下げ渋りを示すなような下ヒゲ十字線を形成。流れとしては調整局面入りの状態も6月24日以降の上げ幅に対する38.2%戻し付近となる1330ドル台まで下げたことで多少の達成感も。SPDRゴールド・シェアの金ETF残高は前日比6.54トン減少して973.8トン、前日増加分のほとんどを吐き出し。3年ぶり高水準980トン台を7月初旬と8月初旬に2度つけてダブルトップ形成後の減少傾向スタートか、高水準を維持しての保ち合い推移か、という状況はNY金の動向を映す状態。
NYプラチナ相場は4営業日ぶりの反発となり、0.34%の小幅高。調整不足の高止まり状態で金との価格差は185.9ドルまで縮小。昨年12月31日(168.5ドル)以来、7カ月ぶりの水準となり、今年最小。2週間でおよそ50ドル縮小してきた価格差のさらなる縮小への勢いも、上昇基調失速状態とともにいったんは小康状態か。1130ドル前後までの調整余地を抱える状態も継続。
ドル円は0.64%のドル高円安で続伸。欧州時間にかけてゆるやかにドル高円安の流れが継続。NY市場では102円60銭台まで上値を切り上げるも2日高値付近で頭打ち、軟調推移の米株とともに失速。結果的に102円台前半まで押し込まれ、上方向への節目水準での攻防状態に。今朝時点では再び102円50銭台へと上値トライの兆しも。この水準以上を維持できれば徐々に流れも好転方向へと向かい、103円台後半へと上値を伸ばす可能性も。下方向には100円80銭台が当面の重要なサポートラインに。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場8/8終値とチャート
9日の国内金価格は0.53%の反発。短期的な
下値目安4700円前後の水準到達と中期トレンドの目安となる90日移動平均線に支えられた形での持ち直し。しかし、流れとしては短期下落トレンド継続中の戻り形成の範囲。目先は4750円と4680円台が上下の節目となり、上抜けできれば短期トレンド変化の可能性で4800円方向へ、下抜けの場合には4640円台辺りが下値目安となって中期トレンドも軟調推移へ。
プラチナ価格は0.98%の大幅高となって3営業日ぶりの反発。4000円の大台割れが一時的だった可能性を示した形ながらも流れは下方向へと傾斜した状態。下値目安3940円台辺りまでの調整進行の可能性も継続。4050円の節目を突破出来れば巻戻し優勢の展開で高値更新へ。
※参考:
金プラチナ国内価格8/9とチャート
2016年08月09日(火)時点の相場
国内金:4,714 円 8/9(火)
▲25(
0.53%)
国内プラチナ:4,035 円 8/9(火)
▲39(
0.98%)
NY金:1,341.3 ドル 8/8(月)
▼3.1(
0.23%)
NYプラチナ:1,155.4 ドル 8/8(月)
▲3.9(
0.34%)
ドル円:102.45 円 8/8(月)
▲0.65(
0.64%)
8/8(月)のその他主要マーケット指標
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