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コアPCEを牽引しきれないコアCPI、インフレの高圧経済続かず
更新日:2016年10月19日(水)
米コアCPIとコアPCEの推移 2016年9月米労働省が発表した9月の消費者物価指数(CPI)は、前月比では市場予想どおりの+0.3%で8月の+0.2%から上昇、前年同月比でも市場予想どおりの+1.5%となり、8月の+1.1%からは加速した状態となりました。
しかし、食品とエネルギー関連を除くコアCPIは、前月比では市場予想の+0.2%、8月の+0.3%も下回る+0.1%へと低下。前年比でも市場予想と8月の+2.3%を下回る+2.2%へと低下しています。
なお、コアCPIの前年比では、6月分も+2.3%から+2.2%へと下方修正されており、結果2012年5月以来4年ぶり高水準に到達した今年2月と8月の+2.3%が現状のピークとなり、減速傾向への可能性も示唆する状態となっています。

金融政策正常化に向かうFRBにとって、現在の最重要指標とも言える、個人消費物価指数の食品・エネルギーを除く「コアPCE」は、8月分時点で前年比+1.7%。2月と並び、2014年9月以来ほぼ2年ぶり高水準まで回復した状態です。

このコアPCEは、常にコアCPIに牽引される形で推移しています。インフレ上昇時も下落時でも常にCPIが先行し、そのピーク手前の水準までPCEが追随する流れが続きます。
しかしながら、2015年後半以降のコアCPI急騰局面では、コアPCEは追随し切れず、やや乖離幅が拡大した状態での足踏み状態が続きます。

先日イエレン議長が語った高圧経済とは、強力な需要と労働市場のひっ迫を伴うような高圧経済が一時的に継続するような状態のことを指し、金融危機時のダメージから回復するためには、そうなる必要があるかもしれない、とのことでした。
インフレ動向においても、高圧経済と同様にCPIのインフレ高騰が一時的に継続するような状態となれば、ようやくPCEの目標水準2%到達も可能となりそうな状況です。
しかし、今のところはコアCPIにおけるインフレ高騰継続もおぼつかない状態のようです。

これが、年内1回の利上げは肯定するものの、来年以降の利上げ見通しペースは一向に上向かない主要因のひとつとなっているようです。

NY金・日足チャート 2016/9/19 - 10/1818日のNY金相場は0.5%の続伸。ゆるやかな反発基調が続き時間外では1260ドルに到達、米9月コアCPIの失速を受けて小幅に急反発も1260ドル台半ばの抵抗水準どまり。その後はドルインデックスの急反発・急反落の流れに巻き込まれての小幅乱高下、再度上値を試す場面でも1260ドル台半ばが超えられず。1250-1260ドル半ばの小幅保ち合い状態から上方向へと半歩抜け出した状態となり、反発局面形成へと向う可能性が徐々に高まる。1260ドル台後半へと水準を切り上げることができれば当面の上値目標1280ドル台を目指す展開へ。下値サポートの重要ライン1250ドルを下抜けてしまうと下落基調再加速で1220ドル台辺りまで値を下げるリスクも残る。

NYプラチナ・日足チャート 2016/9/19 - 10/18NYプラチナ相場は10.3ドル、1.1%の大幅反発。対ドルで英ポンドや資源国通貨、新興国通貨などが買われる流れとなったなかで南アランドの急反発にも同調する形で堅調推移の展開。ただしレンジ上限候補950ドル付近ではやはり、まだ上値も重い。金の反発局面が加速するようなら追随する展開もありうるが、単体で見る限りは目先いったん930-950ドルを中心としたレンジ形成が予想される。

ドル円・日足チャート 2016/9/19 - 10/18ドル円は前日からほぼ変わらずの103円80銭台での横ばい推移。コアCPI下振れには小幅急落も一時的にとどまり、米10年債利回りの変動に追随する形で104円ちょうどをはさんでの乱高下状態に。それでも上下の値幅は0.50円程にとどまり、今年の年間平均1.20円の半分以下の小動き。9月後半から順調に上値を切り上げてきたドル高円安基調も、ここに来て104円台半ばが抵抗水準となって横ばい推移が続く展開。RSIも70台での高止まり状態となって失速傾向も鮮明に。きっかけがなければ調整局面を迎える可能性も徐々に高まることに。103円台半ばを割り込んでしまうと102円割れ辺りまでの調整余地、逆に104円半ばを上抜けると105円台後半へと一段高の展開も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場10/18終値とチャート

19日の国内金価格は0.67%上昇し、4日ぶりの反発。3日続落合計値幅がその前日の大幅上昇の値幅を超えなかった場合には流れが反転しやすい、というセオリーどおりの展開で反発方向への節目となりつつあった4510円も上抜け、10月6日(4530)以来2週間ぶりの水準を回復。ここからは反発局面を形成する可能性が高まり、当面の上値目標は急落直前の水準でもある4600円付近。ただし、下方向への節目4480円台を下回った場合には流れ逆転で年初来安値付近を試す可能性も残される。

プラチナ価格は0.59%の反発。急落局面から落ち着きはじめ、ようやく底値揉み合い状態へと移行したと思われる状態に。目先は3350円台から3400円までのレンジで保ち合い状態継続見込み。ただし、金価格上昇に牽引されて上方向に引き上げられる可能性も。3400円超えなら、まずは6月安値3450円台が上値目標に。やはり下方向への警戒感も残り、直近安値更新なら年初来安値更新トライへと向う可能性も。
※参考:金プラチナ国内価格10/19とチャート

2016年10月19日(水)時点の相場
国内金:4,518 円 10/19(水) ▲30(0.67%)
国内プラチナ:3,392 円 10/19(水) ▲20(0.59%)
NY金:1,262.9 ドル 10/18(火) ▲6.3(0.50%)
NYプラチナ:946.5 ドル 10/18(火) ▲10.3(1.10%)
ドル円:103.86 円 10/18(火) ▼0.02(0.02%)
→10/18(火)のその他主要マーケット指標

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→低迷期を脱しきれないNY連銀製造業景況指数 10/18(火)
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