強弱まだら模様の米経済指標にドル高加速せず、金は安定推移へ
更新日:2016年10月26日(水)
コンファレンスボードが発表した米10月の消費者信頼感指数は、市場予想の101.5程度を下回る98.6となり、3カ月ぶりの水準に低下。2カ月連続100ポイント台まで上昇していた9月の103.5からも急失速。10月半ばに発表されたミシガン大の消費者信頼感指数の10月速報値でも13カ月ぶりの低水準へと悪化しており、足元での米国の消費者マインドは失速状態が鮮明となってきた様子です。
同時刻に発表されたリッチモンド連銀の10月製造業指数も予想どおりながら-4となって3カ月連続のマイナス圏。マイナス幅は縮小傾向ながら、6カ月平均では-3.8となって2009年9月(-7.0)以来7年1カ月ぶり低水準へと悪化。新規受注が3カ月連続マイナス圏となった他、全般的に低調な結果となっています。
前日の
マークイット製造業PMIは回復基調を示したものの、地区連銀レベルではまだまだ低調なエリアも存在します。
足元好調に回復基調を示す
フィラデルフィア連銀に対し、回復基調からの失速で
低迷状態から抜けきれないNY連銀など、地域差もかなりありそうです。
米国経済の中心となるニューヨーク、ワシントンD.C.を含む首都圏エリアなどの景況感回復が遅れているのが、気になるところです。
地域別でも、経済指標毎でも、発表月毎でも強弱入り交じるまだら模様の状況に、ドル高の勢いは強まりそうで強まらない状態が続きます。これに伴い、金の安定推移も続き、不安定な状態が続いたプラチナ相場も落ち着き始めたようです。
25日のNY金相場は0.78%の反発。時間外からジリ高推移の展開が続き、NY市場朝までに前日高値付近となる1270ドル台に到達、米10月の消費者信頼感指数下振れを受けてさらに上値を伸ばすと、一時3週間ぶり高値となる1277ドルまで上昇。前日には下抜けた
200日移動平均線を再度上抜け、このラインとの揉み合い状態を続けながらの堅調推移が継続。上値目標1280ドル台まであとわずかながら上昇余地を残し、下値サポートラインは1260ドルへと切り上げ。反落で節目割れの場合には1240ドル台までが下値目安に。
NYプラチナ相場は2.75%の大幅続伸で10月10日(965.4)以来2週間ぶり高値水準。前日からの反発基調継続で時間外には930-950ドルのレンジ上限をブレイク、下押し圧力からようやく解き放たれた状態となって加速すると
短期上値目安970ドル前後にもいきなり到達。今朝の時間外では達成感からの反落で960ドル割れを試す場面も。いったん落ち着いてこの近辺での足固めも必要か。下値サポートラインは930ドル。
ドル円は前日とほぼ同水準、104円20銭付近での横ばい推移も3カ月ぶりのドル高円安水準。欧州市場でのポンド急落に伴うドル買いの影響でドル円も上値を試す展開となり、レンジ上限突破となる104円台後半へ。ドル・インデックスが99ポイント台に到達し、ドル円が104円80銭台まで上昇したところで米10月の消費者信頼感指数の下振れが買い急ぐ市場に冷水を浴びせた形に。長い上ヒゲを残してレンジ内に押し戻されたことで下方向への警戒感も高まりそうなところだが、今朝には再度上限トライへと向う勢いも。日経平均も半年ぶりの高値水準を回復し、予想以上に円安株高の勢いは強そう。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場10/25終値とチャート
26日の国内金価格は0.51%の続伸。ドル円の上値トライの流れにもサポートされて4600円付近の上値目標にも予想外の早期到達、の可能性もあった状態からのドル円失速でオーバーペースから引き戻されたような状態。結果的には地道に水準を切り上げ、およそ1カ月半ぶりに21日移動平均線をゴールデンクロスする堅調地合いに。上値目標まではもう少しだけ時間を要しそうな状況か。
プラチナ価格は1.38%の大幅続伸で10月11日(3464)以来、2週間ぶりの高値水準を回復。前日時点で当面の底打ち確認と流れ好転への可能性が高まった状態をNYプラチナのレンジブレイクが後押し。3400円の節目を上抜けたことにより、短期上値目標3480円付近までもう一段の上昇余地。下落基調が続く21日移動平均線の3460円付近に若干の抵抗感も。
※参考:
金プラチナ国内価格10/26とチャート
2016年10月26日(水)時点の相場
国内金:4,563 円 10/26(水)
▲23(
0.51%)
国内プラチナ:3,441 円 10/26(水)
▲47(
1.38%)
NY金:1,273.6 ドル 10/25(火)
▲9.9(
0.78%)
NYプラチナ:964.9 ドル 10/25(火)
▲25.8(
2.75%)
ドル円:104.22 円 10/25(火)
▲0.04(
0.04%)
10/25(火)のその他主要マーケット指標
新築住宅販売件数は予想下振れも好調維持、でも過熱感もなし 10/27(木)世界的にも回復基調を示し始めた製造業PMI 10/25(火)国内プラチナ価格、年間平均では11年ぶり安値水準 10/24(月)年末に向けて賃金上昇率加速を示唆する賃金上昇トラッカー 10/22(土)
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