米10年債利回りとの関係から見るNY金相場の下値目安
更新日:2016年11月14日(月)
トランプ・ラリーで米10年債利回り急騰、これによりドル高円安の流れが加速する状態となっていますが、
ドル円と米10年債利回りとの相関関係は、30日間相関係数で見れば0.889台へと急上昇し、足下での相関関係の強さを示してはいますが、数カ月レベルで見る90日間相関係数では0.448台とそれほど強い関係にはなっていません。
数カ月レベルで強い関係性を示しているのは、
NY金と米10年債利回りとの逆相関関係。
90日相関係数は-0.806台、この数カ月間ほぼ-0.80以下の数値で推移しており、強い逆相関関係となっています。
足下では、米10年債利回りが2.15%まで急騰したことにより、NY金も120ドル台へと急落しました。
反転させた米10年債利回りの推移とNY金の推移は、直近ではほぼ連動状態となっています。
著名投資家ジェフリー・ガントラック氏は、「債券市場の利回り上昇局面は80%終了しており、米10年債利回りが年末までに2.35%の水準を上抜けることはない」との見方を示しています。
確かに、この水準は2015年11月から年末までの抵抗水準で、2015年半ばの揉み合い水準でもあり、そう簡単には突破できない水準という見方には納得が行きます。
2014年以降の変動幅を合わせたNY金の推移が、米10年債利回りの影響を強く受ける状態がまだしばらく続くのであれば、
「NY金は年末までに、1170-80ドル付近を下抜けることはない」という見方もできそうです。
週明け14日の国内金価格は2.63%の大幅続落。週末のNY金急落を受けて10月18日(4488)以来、4週間ぶりの安値水準に。下げ幅としては今年最大で昨年8月25日の-127円(2.62%)以来、1年3カ月ぶりの急落。4600円付近のサポート水準を割り込んだことによる下値目安4550円割れを達成し、さらにオーバーラン。短期的にはやや行き過ぎの感もあり、10月前半の安値揉み合い水準まで戻してきたこと、今朝も107円のバリアを突破して堅調推移が続くドル円のドル高円安基調にも支えられやすく、下げ止まりの可能性も高まるところ。しかし、今朝のNY金は軟調推移で1220ドル割れと反発の兆しは確認できない状況。また、水平状態の90日移動平均線との攻防目前の急落により、90日移動平均線は今後下向きへと移行し始めることになり、中期トレンドも上値の重い状態継続へ。
プラチナ価格も3.27%の大幅続落で10月27日(3,473)以来の安値水準。先週木曜日まで一方的な上昇基調が続いたことの反動もあり、反落警戒水準3500円台後半を大きく下抜け、1月12日(-125円、3.51%)以来、10カ月ぶりの急落。10月の安値揉み合い圏内からの上方ブレイク時の
目標水準3480円付近まで戻したことになり、それ以降の行き過ぎ分を全て帳消しにしてしまった形。今朝のNYプラチナも940ドル割れへと軟調推移が続き、急落後のバウンドはまだ確認できず。逆にドル円は短期目標水準に迫る107円50銭台までワンタッチしており、円安サポート一服の可能性も。6月安値3450円付近がサポートライン候補に。
※参考:
金プラチナ国内価格11/14とチャート
2016年11月14日(月)時点の相場
国内金:4,512 円 11/14(月)
▼122(
2.63%)
国内プラチナ:3,492 円 11/14(月)
▼118(
3.27%)
NY金:1,224.3 ドル 11/11(金)
▼42.1(
3.32%)
NYプラチナ:943.2 ドル 11/11(金)
▼39.0(
3.97%)
ドル円:106.66 円 11/11(金)
▼0.15(
0.14%)
11/11(金)のその他主要マーケット指標
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