トランプ相場一服で米10月鉱工業生産も予想下振れ
更新日:2016年11月17日(木)
米FRBが16日発表した10月の鉱工業生産指数は前月比+-0.0%。市場予想の+0.2%を下回り、9月の+0.1%も-0.2%へと下方修正。今年3月に前月比-0.9%まで落ち込み、2009年5月(-1.0%)以来6年10カ月ぶり低水準となっていた状態からは急回復し、6月には+0.5%、7月の+0.4%と合わせて好調期を形成後に8-9月には-0.1%、-0.2%と急減速。回復基調腰折れの状態から抜け出せない状況となっています。
3カ月平均でも-0.1%となって5カ月ぶりのマイナス圏、2014年前半から上値を切り下げる展開が続きます。下値も2015年末からは切り上げ傾向にはあるものの下限付近。
10月の設備稼働率も75.3%となって予想の75.5%を下回り、5月(75.1%)以来5カ月ぶりの低水準に後退。鉱工業生産と同様に2014年後半のピークから低下傾向が続き、2010年8月(74.7%)以来5年7カ月ぶりの低水準となった今年3月の74.9%を底値として反発の兆しも7月の75.7%まで。以降3カ月連続の低下で失速状態が続きます。
米国経済に残る「緩み」解消の兆しは見られない状況のようです。
前日には
10月小売売上高が第4四半期GDPの押し上げ材料となったものの、好材料は続かなかったようです。鉱工業生産も設備稼働率も、トランプ期待を反映した11月の動向に注目することになります。
16日のNY金相場は前日比-0.6ドルの小幅安。トランプ相場一服の気配ながら、米10年債利回りもドルインデックスも高止まり、金の上値を押さえる状態は継続中で1220ドルから1230ドル台前半までの小幅レンジでの揉み合い状態は3日め。ドル高の巻き戻しがもう少し進行するようなら多少の反発材料となり、11月の急落幅の23.6%戻し1241ドル近辺まで、少しの加速で38.2%戻し1260ドル近辺までの上昇も。安倍トランプ会談やイエレンFRB議長発言なども控え、トランプ相場再加速なら金の下値目安は昨年末安値から今年高値までの61.8%戻しとなる1170ドル近辺まで。
NYプラチナ相場は1.26%の大幅続伸。930ドルの重要な節目水準を維持しての反発も高値は950ドル付近まで。この水準では3日連続上値を押さえられ、11月の急落幅の23.6%戻し(946.7)付近でもあり、抵抗帯となりつつある水準。ここを突破できれば38.2%戻し(961.3ドル)付近が上値目安に。930ドルの重要なサポート水準を割れた場合には最小でも910ドル台、少し加速すると900ドルの大台割れへと一段安も有りうる状況に。
ドル円は0.1%の小反落。欧州市場でのドル高ユーロ安進行でユーロドルが年初来安値へと下落するのに連れ、ドル円でもドル高円安進行で一時5月31日(111.35)以来、5カ月半ぶりのドル高円安水準となる109.70銭台まで上昇。しかしNY市場では米10月生産者物価指数が予想を下回ったことなどもあって失速。今朝の東京市場では109円割れへとジリ安の展開。結果的には2015年高値から今年安値の38.2%戻し109円台前半を突破したところで急失速、高値圏での上ヒゲ陰線を残してのやや軟調推移に。調整幅拡大の展開も予想され、11月の急騰幅の23.6%戻し、107円70銭台までが目先の下値目安に。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場11/16終値とチャート
17日の国内金価格は前日比-4円の小幅安。方向感としてはほとんど横ばい推移の状態で4510円から4650円までの広めのレンジ内推移はまだしばらく続きそう。少し長めのレンジで見ると7月高値から9月高値、そして11月高値と結ぶ
右肩下がりの抵抗線と90日移動平均線が目先の抵抗水準。この4650円の水準は強めの抵抗水準となり、ここを突破できれば中期トレンド好転へと向う可能性も高まることにはなるのだが。
プラチナ価格はわずかに1円の下落。流れはわずかに上向きながら3490円から3640円までの広めのレンジ内で横ばい推移傾向。
90日と200日移動平均線が3710円台の同水準でほぼ水平状態となり、中期的にはトレンドレス状態で、この水準も強めの抵抗線に。その前に短期抵抗水準3640円突破にも、もう少し時間が必要か。
※参考:
金プラチナ国内価格11/17とチャート
2016年11月17日(木)時点の相場
国内金:4,597 円 11/17(木)
▼4(
0.09%)
国内プラチナ:3,552 円 11/17(木)
▼1(
0.03%)
NY金:1,223.9 ドル 11/16(水)
▼0.6(
0.05%)
NYプラチナ:946.5 ドル 11/16(水)
▲11.8(
1.26%)
ドル円:109.07 円 11/16(水)
▼0.11(
0.10%)
11/16(水)のその他主要マーケット指標
住宅着工件数は34年ぶり、失業保険申請件数は43年ぶり 11/18(金)10月小売売上高も11月NY連銀製造業もトランプ相場を支援 11/16(水)急騰続く米10年債利回りが牽引するドル円の上値メド 11/15(火)米10年債利回りとの関係から見るNY金相場の下値目安 11/14(月)
最近よく読まれた記事
明日の国内金プラチナ相場価格リアルタイム予想
PIVOT指数から見るNY金相場サポート&レジスタンスライン
PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート&レジスタンスライン