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米11月住宅着工件数は1年9カ月ぶりの大幅減、金利上昇で失速も
更新日:2016年12月17日(土)
米住宅着工件数と許可件数 2016年11月米商務省が16日発表した11月の住宅着工件数は109万件となり、市場予想の123万件を大きく下回りました。10月分が132.3万件から134万件へと上方修正され、2007年7月(135.4万件)以来9年3カ月ぶりの高水準となっていたことによる反動減も考慮にいれなくてはなりませんが、前月比-18.66%の減少率も2015年2月(-18.89%)以来、1年9カ月ぶりの大幅減。

住宅着工件数は2015年半ば以降は110万件から120万件の間で保ち合い状態を形成していましたが、10月にこのレンジを大きく上抜けて急騰、しかし、翌月の急落で再びレンジ下限へと引き戻される形となりました。

また、住宅着工件数の先行指標とされる住宅着工許可件数も10月の126万件から11月は120.1万件に減少。こちらは2015年6月に133.4万件の高水準を記録後は、高値圏での乱高下状態となって上値を切り下げる展開が続きます。
許可件数に続いて着工件数も高値圏での乱高下状態となってきた可能性も否定できません。

製造業PMIなどは11-12月と急回復基調を示していましたが、11月の小売売上高(前月比+0.1%、予想+0.3%、10月+0.6%)や、鉱工業生産(前月比-0.4%、予想-0.3%、10月+0.1%)などとともに低調な結果となり、トランプ期待が必ずしも好影響として表れない面も目につき始めてきました。
トランプ・ラリーの影響を受けた長期金利の急騰により、米国の住宅ローン金利も2年ぶり高水準となっているそうです。
今回の住宅着工件数下振れについては、住宅ローン金利上昇が直接的な影響となったとは限りませんが、現状の長期金利上昇の流れが続く限りは、好調が続く住宅市場にとっても、ボディブローのように効いてくることになりそうです。

NY金・日足チャート 2016/11/16 - 12/1616日のNY金相場は0.67%の反発。前日の急落安値1124ドルからの自律反発で東京・ロンドン市場にかけて緩やかに上昇、1130ドル台半ばを回復。NY市場では押し目買いのドル高再開に伴い一時1130ドル割れ、しかし、南シナ海での中国海軍による米国の無人海底調査機捕獲のニュースが伝わると、リスク回避の流れとなって1140ドル前半へと急騰。ただしこの流れも長続きはせず、今朝にかけては元の水準1130ドル台半ばへと収束。米中緊張感の高まりは今後も引き続きリスク要因として警戒されるものの、すぐにそれほどエスカレートしそうな状況でもなく、目先の影響は限定的か。やはりトランプラリーの継続か、調整局面入りかが目先の重要ポイントに。昨年に続いてFOMC直後の安値が当面の底値となるようなら、まずは11月9日高値からの下落幅に対する23.6%戻し、1174.8ドル付近までの反発は想定される。逆に下値模索継続の展開なら、1120ドル半ば割れで1110ドル前後が次の目安水準に。
週間ベースでは-24.5ドル(2.11%)となり、昨年11月以来の6週続落。

NYプラチナ・日足チャート 2016/11/16 - 12/16NYプラチナ相場は4.53%大幅反発。金の軟調推移に追いつこうかという前日の急落は行き過ぎだった可能性を示す形となり、ロンドン市場までに900ドル台を回復し、NY市場での米中トラブル報道では930ドル台半ばへと急騰。ドル売りの流れがある程度巻き戻されたことで金の反発も巻き戻されたのに対し、株価急落からの巻き戻しが限定的となったことに同調する形でプラチナの巻き戻しも920ドル台後半までと限定的に。結果的に前日FOMC直後からの下げ幅を全て取り戻し、11月半ば以降の抵抗水準940-950ドル付近へのトライ再開へ。突破できれば上値目標990ドル近辺を目指すような流れとなる可能性も。乱高下の展開で下値再トライなら890ドル台がサポート水準、下抜けると840ドル前後までの安値トライも。
週間ベースでは+19.1ドル(2.09%)の反発。

ドル円・日足チャート 2016/11/17 - 12/16ドル円は0.16%の小幅ドル安円高となって4日ぶりの反落。118円をはさんでの揉み合い状態となり、米11月の住宅着工件数下振れにも下げ幅は限定的となったものの、米中関係緊迫化懸念により118円40銭台から117円40銭台まで1円ほどの急落。しかし、週末でも下がればドル買い意欲の強さを示して118円近辺まで反発、依然押し目待ちに押し目なしの強気相場継続も継続。ただし次週はクリスマス休暇前、長期休暇前の手仕舞い売りと年明けもトランプ次期大統領就任までのラリー継続を見込んだ追加買いとのせめぎ合いへ。米中緊迫化懸念が悪化するような事態となれば短時間のうちに115円台までの調整も、そうでなければ年末に向けて120円台も視野に。
週間ベースでは+2.67円(2.32%)となり、2年ぶりの6週続伸。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場12/16終値とチャート

2016年12月17日(土)時点の相場
国内金:4,583 円 12/16(金) ▼24(0.52%)
国内プラチナ:3,653 円 12/16(金) ▼86(2.30%)
NY金:1,137.4 ドル 12/16(金) ▲7.6(0.67%)
NYプラチナ:934.1 ドル 12/16(金) ▲40.5(4.53%)
ドル円:117.98 円 12/16(金) ▼0.19(0.16%)
→12/16(金)のその他主要マーケット指標

←米10年債利回りから見るドル円上値目安とNY金の下値目安 12/19(月)
→トランプラリーのドル高急進でも急回復続く米国の製造業 12/16(金)
→トランプ期待を一部織り込んでFOMCの利上げペースは年3回へ 12/15(木)
→この1年間で最も大量の金を購入した中央銀行は? 12/14(水)

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