NY連銀消費者調査でも期待インフレ率は5月に急低下
更新日:2017年06月14日(水)
5月のNY連銀消費者調査での期待インフレ率は、1年先の期待インフレ中央値で2.59%。2015年6月(3.00%)以来1年7カ月ぶりの高水準となった1月の2.98%が最近のピークとなり、昨年11月(2.54%)以来半年ぶりの低水準へと急低下しています。
3年期待インフレ中央値でも5月は2.47%となり、2013年の統計開始以降の最低水準となった2016年1月(2.45%)以来1年4カ月ぶり、過去2番めの低水準となりました。これも2015年6月(3.00%)以来1年8カ月ぶりの高水準となった2月の2.98%がピークとなり、5月に急低下。
2013年から2015年まで低下傾向が続いた期待インフレ率は、2016年末に反発に転じたものの、既にピークアウトして今年第2四半期にかけて急失速の展開となってきました。
なお、同様の指標でミシガン大の1年期待インフレも5月は2.6%。こちらは2016年末に2.2%のボトムをつけて反発したところですが、依然低水準での保ち合い状態が続く状況です。
労働省が発表した生産者物価指数(PPI)は、4月に5年ぶり高水準となる2.5%まで上昇し、コアPPIは5月に3年ぶり高水準となる2.1%へと上昇していますが、
消費者物価指数(CPI)と
個人消費支出物価指数(PCE)はいずれも2月にピークをつけて4月にかけて失速傾向。
消費関連の実際の物価指数と期待インフレ率は、いずれも停滞感が見られ始め、今後のFOMC見通しにも影響を及ぼしそうな状況です。
13日のNY金相場はわずか0.3ドルの小幅安となって5日続落。5日続落は3月以来で今年2度め。NY朝には5月26日以来の安値となる1260ドルまで下げて反発。12月安値から6月高値までの23.6%戻し(1257.6)付近まで下げたことで、調整終了に向けてもキリの良い水準に到達した状態。利上げ決定のFOMC後には反発局面形成も。ただし、見通し引き下げやハト派会見などでも目先の上値は1300ドルまで、想定以上のタカ派会見などで1250ドルを割れるようなことがあれば下落局面形成で1210ドル付近まで。
NYプラチナ相場は3日ぶりの反落で2.15%の大幅安。5月12日(917.5)以来、1カ月ぶりの安値圏。最近のコアレンジ940ドル台上限で上値を押さえられ、振れ幅の下限930ドルも大きく下抜けてしまったことで下値トライ進行の可能性。今年安値となった5月初旬の900ドル前後までで下げ止まらない場合には12月安値圏880ドル近辺までが当面の下値目安水準に。FOMC後に金が急騰する展開となった場合には巻き戻しの展開も、950ドルが抵抗水準。
ドル円は0.11%の小幅ドル高円安で110円台へと反発。110円をはさんでの揉み合い状態となったNY市場では、米5月生産者物価指数が予想を上回ったことを好感してのドル買いも限定的。上昇基調の200日移動平均線(110.48)を超えることは出来ずにFOMC待ちへ。その前に発表される米5月消費者物価指数が市場予想を上回るようだとイエレン議長のタカ派発言にもつながる可能性もあり、200日線上抜けなら111円台半ばへとドル高進行へ。逆の展開でハト派見通しならドル売りで109円半ばを割れると108円台へ。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場6/13終値とチャート
14日の国内金価格は0.33%高となって5日ぶりの反発。
今年初の90日移動平均線割れからの反発で下げ渋りの様相も、流れは下方向。FOMCでタカ派優勢なら4700円近辺を下値目安とした下落トレンド継続へ、ハト派寄りならNY金の反発に支えられていったん下げ止まり、保ち合い方向へ。
プラチナ価格は3日ぶりの反落で1.62%の大幅安。ダブルボトム形成への可能性を打ち消す一段安となり、11月21日(3529)以来、ほぼ7カ月ぶりの安値水準。金との価格差も9日の1274円を上回り、1279円と過去最大を更新。目先の下値目安3510円台までもう少しの下落余地も、FOMC後の状況次第では下げ止まりも。ただしNYプラチナが一足先に下値模索の展開へと進み始めた可能性もあり、その流れが加速するようなら国内価格にも下落圧力。次の目安水準としては昨年6月安値圏3450円近辺も。
※参考:
金プラチナ国内価格6/14とチャート
2017年06月14日(水)時点の相場
国内金:4,808 円 6/14(水)
▲16(
0.33%)
国内プラチナ:3,529 円 6/14(水)
▼58(
1.62%)
NY金:1,268.6 ドル 6/13(火)
▼0.3(
0.02%)
NYプラチナ:924.2 ドル 6/13(火)
▼20.3(
2.15%)
ドル円:110.06 円 6/13(火)
▲0.12(
0.11%)
6/13(火)のその他主要マーケット指標
インフレは2%へ上昇!?職務遂行でFOMCは年内3回の利上げ維持 06/15(木)SKEW指数急騰で忍び寄るブラック・スワン警戒感 06/13(火)金の52週移動平均は1年ぶり高水準、プラチナは10週ぶりの反発へ 06/12(月)NY金はダブルトップ、金プラチナ価格差はトリプルトップへ 06/10(土)
最近よく読まれた記事
明日の国内金プラチナ相場価格リアルタイム予想
PIVOT指数から見るNY金相場サポート&レジスタンスライン
PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート&レジスタンスライン