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インフレは2%へ上昇!?職務遂行でFOMCは年内3回の利上げ維持
更新日:2017年06月15日(木)
FOMCでのFF金利予想中央値推移 2017年6月14日インフレはいずれ2%へと上昇するだろうという予想の基に、任期満了まで職務遂行するイエレン議長はFOMCで予定どおりのFF金利引き上げを決定。年末までに今年3回目の利上げで1.25-1.50%(中央値1.375%)へとの見通しも引き続き継続。
なお、ドットチャートの平均値では前回の1.404%から1.25%へと低下、2018年末予想も中央値2.125%維持で3回の利上げ。ただし平均値は2.316%から2.031%へと低下。長期見通しとして2019年末までに上限3.00%までの利上げ見込みも維持。

また、今回はバランスシート縮小を示す基本スケジュールを公表し、保有債の償還資金再投資について米国債は月額60億ドル、住宅ローン担保証券(MBS)は月額40億ドルの縮小でスタートし、3カ月ごとに上限を引き上げて1年後には米国債月額300億ドル、MBSは月額200億ドルの縮小へ。スタートは年内見込みとして流動的に。

経済見通しでは、失業率が2017年末を4.5%から4.3%へ、2018-19年は4.5%から4.2%へ、長期見通しも4.7%から4.6%へと引き下げ。既に予想を超える低水準となっている現状に合わせた形。
PCEインフレは今年末を1.9%から1.6%へ、コアPCEインフレも1.9%から1.7%へと引き下げ。こちらは予想に届かない現状に合わせた形での引き下げ。ただしいずれも2018年には目標2%到達予想を維持。

FOMC声明文発表の5時間半前に米労働省が発表した5月の消費者物価指数(CPI)は前年比+1.9%となり、半年ぶりの2%割れ。コアCPIは2015年5月以来、2年ぶり低水準となる前年比+1.7%。今年1月の+2.3%からは4カ月連続の低下でインフレの失速傾向は鮮明に。
CMEフェドウォッチでの12月追加利上げの確率は49%。2018年3月にようやく54.7%。FOMCでは次の利上げを年内と見込むのに対し、市場では早くても来年3月、という状況。

「インフレが上向いた証拠はない」との現状認識にも「数回のインフレ指標に過剰反応しないことが重要」と市場を諌め、インフレはいずれ2%へと上昇すると見込むFOMC。いっぽう、市場ではCPIの現状や低迷状態が続く期待インフレ率利上げしても長期金利の低下が続く現状からはPCEインフレ(最新は4月の1.7%、コアPCEは1.5%)の2%到達のイメージもなかなか沸かないのが実情。このFOMCと市場とのギャップが、双方の利上げ見通しのズレを生じさせています。

NY金・日足チャート 2017/5/10 - 6/1414日のNY金相場は0.58%の上昇で6日ぶりの反発。米5月CPIと小売売上高がいずれも低調な結果となったことを受けて1280ドル台へと急騰。引け後のFOMCでは予想通りの利上げに小幅一段高で反応、しかしバランスシート縮小の詳細計画と年内開始表明を受けて一時1260ドル割れへと急反落。低インフレ、低金利が続くなかでもタカ派姿勢を貫いたFOMCとイエレン議長を尊重する形での軟調推移。明朝までに1260ドル後半から1270ドル以上へと反発できない限りは下落局面継続で目先の下値目安は1240ドル台まで。反発できれば利上げ後の上昇局面スタートで1300ドルラインとの攻防へ。

NYプラチナ・日足チャート 2017/5/10 - 6/14NYプラチナ相場は3%の大幅反発。金に連れての急騰局面では一時955ドルまで上値を伸ばし、FOMC後の急反落では930ドル台前半で下げ止まり、今朝の時間外でも930ドル半ばでの推移。前日の保ち合い下限割れから今度は上値トライの兆しへと切り返す展開も伸び悩み、乱高下状態を経て方向感が定まらない状態に。改めて920ドルから950ドル台までのレンジを抜け出した方向へと大きく動き出す可能性。下方向なら880ドル台まで、上方向なら1000ドルの大台トライへ。

ドル円・日足チャート 2017/5/10 - 6/13ドル円は0.47%のドル安円高となって109円台へと反落。CPIと小売売上高下振れにドル全面安の流れで110円前半から一時109円割れへと急落。FOMC後には108円80銭台まで下押し後に109円台後半へと急反発。予想外のインフレ低迷などの経済指標悪化によるドル売りを、既定路線の利上げと資産縮小のスケジュール化だけでは取り戻すことはできず、今朝の東京市場では109円台前半へと再反落の兆しも。結果的に200日移動平均線上抜けに失敗して下値トライへ、という展開に。このまま109円前半へと軟調推移が続けば今年安値108円10銭台までを試しに行く可能性。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場6/14終値とチャート

15日の国内金価格は0.71%の反落で3月28日(4773)以来、2カ月半ぶりの安値水準。今年初の90日移動平均線割れからの反発も一時的な下げ渋りにとどまり、タカ派寄りのFOMCの結果を受けて下落トレンド継続へ。当面の下値目標は4700円近辺まで。

プラチナ価格は0.6%の反発。結果的にNYプラチナが反発する形となって今朝にかけても下げ渋る状況に支えられた状態に。しかし、依然流れは下方向優勢の状態にあり、下値目安3510円台までの下げ余地も残る。ただし3590円超へと反発できれば、いったん底打ちの可能性となって3650円近辺までの上昇余地も。
※参考:金プラチナ国内価格6/15とチャート

2017年06月15日(木)時点の相場
国内金:4,774 円 6/15(木) ▼34(0.71%)
国内プラチナ:3,550 円 6/15(木) ▲21(0.60%)
NY金:1,275.9 ドル 6/14(水) ▲7.3(0.58%)
NYプラチナ:951.9 ドル 6/14(水) ▲27.7(3.00%)
ドル円:109.57 円 6/14(水) ▼0.50(0.45%)
→6/14(水)のその他主要マーケット指標

←FOMCタカ派見通しに支えられNY連銀製造業景況指数は6月に急騰 06/16(金)
→NY連銀消費者調査でも期待インフレ率は5月に急低下 06/14(水)
→SKEW指数急騰で忍び寄るブラック・スワン警戒感 06/13(火)
→金の52週移動平均は1年ぶり高水準、プラチナは10週ぶりの反発へ 06/12(月)

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