第4四半期も欧米製造業景況感は好調スタートで緩和出口加速へ?
更新日:2017年10月25日(水)
マークイットが発表した10月のユーロ圏製造業PMI速報値は58.6。3カ月連続上昇し、6年8カ月ぶりの高水準となっています。雇用創出率はこの10年間で最も強く、製造業の雇用成長率ではデータ収集が開始された1997年6月以来で最強、という状態のようです。今後の見通しとしては、製造業とサービス業ともに9月からは低下したもののいずれも高水準を維持し、今後1年間の見通しについては強い自信を示す状況とのこと。
ドイツは6年5カ月ぶりの高水準となった9月の60.6からは0.1ポイント低下の60.5。依然高水準を維持し、オランダとともにユーロ圏の数値を牽引する状態が1年以上継続中。新規受注は6年半ぶりの高水準となり、出荷は9月からは伸びがやや鈍化も長期平均をはるかに上回る高水準。製造業の雇用創出のペースは堅調で、調査開始後の21年間の中で4番目の強さ。また、商品やサービスの平均価格は2011年半ば以来の急速な伸びを示し、インフレ圧力上昇を示す状況も見られるようです。
フランスは5カ月連続上昇で56.7となり、6年半ぶりの高水準。3カ月前のユーロ圏の数値(56.6)を上抜け、生産指数も6年半ぶり、雇用の伸びはほぼ10年半ぶりの高水準と好調継続。
米国は9月の53.1から10月速報値では54.5へと急加速、1月(55.1)以来、9カ月ぶりの高水準となっています。9月時点で13年ぶり高水準となっていた
ISM製造業景況指数に比べて出遅れ感が強かったマークイットの数値も、ようやく加速傾向が強まり始めたようです。
また、リッチモンド連銀製造業指数の10月は9月からやや減速した状態となっていますが、賃金指数が2000年5月以来、17年5カ月ぶりの高水準へと跳ね上がっています。
9月の雇用統計で賃金上昇率が前年比+2.87%へと急騰し、伸び悩んでいた賃金上昇率加速の可能性を示したことを裏付ける結果となっています。
欧米の製造業景況感は、第4四半期もハイレベルでの好調を維持してのスタートとなったようです。
なお、日本も節目の50超が続く好調ながら、10月速報値は52.5とやや鈍化。
円安ドル高、円安ユーロ高の情勢は続きます。
24日のNY金相場は0.2%の反落。キャタピラーの好決算などを受けて米株が堅調推移となり、NYダウは1カ月半ぶりの大幅高となる170ドル弱の急騰で最高値を更新し、
米10年債利回りは3月末以来7カ月ぶりとなる高水準へと上昇し節目の2.40%超え、ドルインデックスも94ポイントの節目ラインとの攻防へと強含み。NY朝にかけて1280ドルを割り込んだ金は1270ドル台半ばまで下落。但し前日安値を下回らず、3名の米上院共和党議員が税制改革案不支持との報道を受けたドル売り局面では一時1280ドル超えへと反発する場面も。今朝の時間外にかけては1270ドル台後半での揉み合い。90日移動平均線(1278.9)から1280ドルの水準がサポートラインとなっていた状態から、抵抗水準へと切り替わりつつあり軟調推移の展開が続きそうな状況。
200日移動平均線(1258.8)辺りまでが当面の下値目安に。
NYプラチナ相場は0.18%安となって4日ぶりの反落。金の軟調推移に連れて徐々に上値が重くなりつつあり、反発基調優勢の流れも失速気味。920ドル台での揉み合いが4日間続き、水平状態の20日移動平均線(925.9)をわずかに下回る水準に。ここから920ドルまでの水準にサポートされれば950ドルまでのレンジでの保ち合い形成も、逆に930ドルまでの水準が抵抗水準となるようだと910ドルの下限トライへの展開も。
ドル円は0.42%のドル高円安となって反発。東京市場午前に前日安値113円20銭台まで下げて午後からは反発、過去最長の16連騰となった日経平均の反発基調にも追随した形に。欧州・NY市場にかけても米金利上昇とともにドル高の流れが続き、114円台再トライの展開に。米税制改革案に対する否定的な報道と次期FRB議長の共和党議員挙手投票ではテイラー氏勝利との報道が交錯し、113円50銭台までの間で乱高下をはさんで再び114円台トライを目指す展開に。今朝の東京市場でも114円ラインが超えられない状態が継続中。流れはドル高円安方向優勢となり、再度114円台トライに成功できれば115円近辺を目指す流れとなる可能性。下方向には113円半ばがサポート水準となりつつある様子も。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場10/24終値とチャート
25日の国内金価格は0.18%の小幅安となって5日ぶりの反落。ゆっくりと上向きかけた流れも勢いが弱く、高値圏での保ち合い状態継続。次期FRB議長人事に関する憶測報道にも振り回され、ドル高・ドル安へと目まぐるしく展開が変わる状態となり、少なからずNY金もこの影響を受ける状況。近日中にも発表が予想され、テイラー氏ならドル高急進でNY金は軟調推移も国内金価格は為替に下支えされる可能性も。パウエル氏かイエレン氏続投ならドル安金高も比較的小動きか。4970円台から5020円台までのレンジで保ち合い継続へ。
プラチナ価格は前日から変わらず。90日までの移動平均集中ゾーン(3600-3630)をわずかに上抜けて反発基調加速の兆しも見られた状態での値動き停止。流れとしては安値圏からの反発基調が続きやすい状況も、方向感が定まらない金の動向にも左右される展開も。3590円台から3650円台までのレンジ推移継続へ。
※参考:
金プラチナ国内価格10/25とチャート
2017年10月25日(水)時点の相場
国内金:5,004 円 10/25(水)
▼9(
0.18%)
国内プラチナ:3,634 円 10/25(水) +-0(0.00%)
NY金:1,278.3 ドル 10/24(火)
▼2.6(
0.20%)
NYプラチナ:925.5 ドル 10/24(火)
▼1.7(
0.18%)
ドル円:113.90 円 10/24(火)
▲0.47(
0.42%)
10/24(火)のその他主要マーケット指標
10年ぶり高水準の米新築住宅販売件数にもドル伸び悩み金下げ渋り 10/26(木)出口戦略目前、ユーロ圏消費者信頼感指数は16年半ぶり高水準 10/24(火)与党圧勝を受けての株高円安に支えられて金価格は5000円台維持 10/23(月)中古住宅販売件数はハリケーンの影響残る南部をカバーして反発 10/21(土)
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