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消費者物価指数コアCPIは半年ぶりの加速でドル安の流れは減速?
更新日:2017年11月16日(木)
米・消費者物価指数(CPI) 2017年10月米労働省が発表した10月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比+2.0%。市場予想どおりで9月の+2.2%からは低下し、4カ月ぶりの減速でインフレ加速傾向一服。
食品とエネルギー関連を除くコアCPIは前年比+1.8%となり、市場予想の+1.7%を上回り、9月まで5カ月続いた+1.7%の横ばい推移から上昇。
2011年6月以降の最低+1.6%をわずかに0.1%上回る、近年最低水準の低インフレ状態から半年ぶりに抜け出し、加速の兆しを示す結果となりました。

内訳では、ガソリン価格は前月比では2.4%の下落となったものの、前年比では9月の+10.6%に続き10月も+10.8%の高水準を維持。
携帯電話サービスは9月の前年比-11.7%から10月は-10.8%、航空運賃も9月の前年比-3.1%から10月は-1.3%へ、中古車も9月の前年比-3.7%から10月は-2.9%となり、低インフレを牽引してきた項目も、下落度合いは鈍化傾向が続きます。

12月の追加利上げは既定路線として、来年も3回とのFOMC見通しの市場織り込みは進んでいない状態も、今後は徐々に織り込まれていく可能性も示した格好です。

同時刻に商務省が発表した10月の小売売上高も市場予想の前月比横ばいから+0.2%と上振れ、9月分も上方修正、自動車を除いた数値も10月は前月比+0.1%と予想を下回ったものの9月分は上方修正される比較的好結果。

消費好調が続き、低迷が続いていたコアCPIの加速の兆しも見られたことで、足下で加速し始めたかにも見えたドル安の流れも、いったん減速した状態となっています。

NY金・日足チャート 2017/10/12 - 11/1515日のNY金相場は0.41%安となって3日ぶりの反落。株価の調整局面継続でVIX指数は13.13と8月21日(13.19)以来、約3カ月ぶりの高水準へと上昇。原油価格も2年4カ月ぶり高値となった月初からは軟調推移となり、鉄鉱石価格の下落基調やこれに伴う中国の景気減速懸念、ジンバブエのクーデターなど地政学リスクもあり、投資センチメントの悪化傾向にも金への資金流入も限定的。米CPIや小売売上高などの指標の比較的好結果にも材料出尽くし的にドル売りが進行したことで、NY金は反射的に10月20日以来ほぼ1カ月ぶり高値となる1290ドルまで小幅に急騰。しかし最近のレンジ高値圏で上値を押さえられると、株価とドルの買い戻しとともに1280ドル割れへと10ドル超の急反落。前日の下ヒゲ陽線に続き上ヒゲ陰線を形成し、レンジの上下限を確認する形となって保ち合い継続。やや強まりつつあるドル売り傾向がもう一段進行するようなら上方ブレイクで1300ドルの大台再トライへの可能性も。

NYプラチナ・日足チャート 2017/10/12 - 11/15NYプラチナ相場は0.63%の反発。NY市場朝の急騰局面では940ドルのレンジ上限で上値を押さえられ、930ドル前半まで戻す行って来いの展開となり、金と同様に連日のレンジ上下限トライで保ち合い継続の様相。920ドル台後半で推移する20日移動平均線を上回る状態が続き、どちらかと言えば流れは上方向も、保ち合い長期化とともに下方ブレイク警戒感も増すことに。

ドル円・日足チャート 2017/10/12 - 11/15ドル円は0.51%のドル安円高で続落。東京市場では日経平均の大幅安に連れる形で113円付近まで水準を切り下げ、短期下落トレンド加速の兆しとなって欧州市場では欧州株の大幅安にも連れるように112円60銭台まで下落。NY市場では米経済指標発表直後に112円40銭台まで下落して米株の反発とともに切り返し。一時113円台回復も流れは戻り売り優勢へと転換済の様相となり、株価の再反落とともに113円割れへ。10月19日(112.54)以来、ほぼ1カ月ぶりのドル安円高水準となり、今朝の東京市場でも113円ラインの攻防ではやや上値が重そうな状況に。113円台へとしっかり反発できなければ、下値目安112円前後まで再度下値を試す可能性。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場11/15終値とチャート

16日の国内金価格は0.5%安となって11月1日(4973)以来、半月ぶりの安値水準。局面的にはドル安金高の流れも、結果的には円高金安となってしまったことを受けて短期下落トレンドが進行し始めた様子も。ただし、現状水準は10月後半の安値圏で踏みとどまった状態でもあり、円高の巻き戻しやNY金の横ばい推移などの状況次第で反発への可能性も。下げ止まれない場合、次のサポート水準候補は10月安値の4930円台、これを下抜けた場合には今回の下落トレンドの最大目安となる4820円台辺りまで。

プラチナ価格は0.11%の小幅反発。概ね横ばい推移の状態が続くなかでの金との騰落逆行となり、価格差は1343円と9月19日(1314)以来約2カ月ぶりの水準まで縮小。しかし、先行して下値模索の流れが進行し始めた可能性もある金に追随する形となれば、大幅安への可能性も浮上する下落トレンドへも。金の下落基調が続き、3620円の節目を割り込むようなら要注意。
※参考:金プラチナ国内価格11/16とチャート

2017年11月16日(木)時点の相場
国内金:4,976 円 11/16(木) ▼25(0.50%)
国内プラチナ:3,633 円 11/16(木) ▲4(0.11%)
NY金:1,277.7 ドル 11/15(水) ▼5.2(0.41%)
NYプラチナ:933.1 ドル 11/15(水) ▲5.8(0.63%)
ドル円:112.87 円 11/15(水) ▼0.58(0.51%)
→11/15(水)のその他主要マーケット指標

←NY・フィラデルフィア連銀製造業景況指数の見通しの明るさ 11/17(金)
→GDP上振れのドイツZEW景況感指数もピーク水準でユーロ急騰も 11/15(水)
→NY連銀消費者調査でのインフレ期待値は一足先に底入れ反発へ 11/14(火)
→方向感なく高値保ち合い続く国内金価格、急落リスクも? 11/13(月)

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