ロシアゲート疑惑再燃でNYダウ24000ドル割れ、NY金は急反発も金プラチナ短期相場観 Let's GOLDモバイル

ロシアゲート疑惑再燃でNYダウ24000ドル割れ、NY金は急反発も
更新日：2017年12月02日(土)
トランプ政権発足後間もない2月に辞任していたマイケル・フリン元大統領補佐官が1日、ロシアゲート疑惑を巡る捜査において虚偽の供述をしたとして訴追されました。
フリン氏は罪を認めた上で「ロシア側と接触したのは大統領就任前のトランプ氏の指示によるもの」と証言する意向、との報道により週末のNY市場は混乱に陥りました。

NYダウ・日足チャート 2017/10/27 - 12/1

米税制改革法案の成立に向けての期待感から適度なリスク・オン相場が続き、この日は比較的穏やかな、静かな状態となっていた市場は、突然襲ったリスク報道にパニック相場と化しました。
前日に初の24000ドル台に到達していたNYダウは24300ドル台へとさらに上値を伸ばしつつあった状態から、一時24000ドルを割り込んで23920ドル台まで、350ドル超もの急落。
リスク資産が一気に売られ、債券や日本円、金などの安全資産が急速に買われるリスクオフの流れが急進し、米10年債利回りやドル円は急落、NY金は急反発の展開となりました。

前日にはティラーソン米国務長官更迭の可能性が伝えられたばかりで、ここにきて再びトランプ政権絡みの混乱懸念が高まる状況となり、あらためてトランプ・リスクが今後のリスク材料としてくすぶることにもなりそうです。
しかし、今回の件もまだ確定情報ではないこと、税制改革期待も継続しており、上院での可決に向けての進展も伝えられたことなどから、リスク回避の流れは一時的にとどまり、NY市場午後には大きく巻き戻される展開となっています。

NYダウは300ドル超の大幅反発となって24000ドルを回復、24200ドル台まで上昇し、前日比-40ドルの水準まで戻しています。
一時的ながら、政局不安となるトランプリスクによる市場インパクトが示され、その一方で大きく買い戻されたNYダウのこの日の値動きは、最近の楽観相場を象徴しているようでもあります。

NY金・日足チャート 2017/10/27 - 12/1

1日のNY金相場は3日ぶりの反発で0.71％高。米税制改革法案の進展期待を背景にNY市場にかけてゆるやかに金利も上昇、株高ドル高の流れが進行したことを受けてNY金は1270ドル台での保ち合いからやや軟調気味の推移。ロシアゲート疑惑再燃となる報道をきっかけにリスク回避の流れが急速に強まったことで1290ドル台へと急騰も、この流れは一時的にとどまり、巻き戻しの流れで1280ドル付近へと収束。引き続きロシアゲート疑惑の不透明感が残るなかでも税制改革法案進展期待によるリスク・オン地合い優勢の流れがしばらくは続きそう。右肩上がりの90日移動平均線（1291.8）に上値を押さえられた金の上値はやや重く、1270ドルから1300ドルまでのレンジ内推移継続へ。
週間ベースでは-5.0ドル（0.39％）と小幅続落。

NYプラチナ・日足チャート 2017/10/27 - 12/1

NYプラチナ相場は0.2％の小幅反落。パニック的な展開となったNY市場でも930ドル台から940ドル半ばまでと値幅は限定的にとどまり、方向感喪失気味の状態に。日足レベルでは960ドルを上限に上値を切り下げる形も下値も限定的となり、重要なサポート水準920ドルまで距離をおいての推移が続き、940ドル近辺が新たなサポート帯となりそうな状況にも。そうならなければ920ドルまでは真空地帯で急落警戒水準。
週間ベースでは-4.7ドル（0.5％）で続落。

ドル円・日足チャート 2017/10/30 - 12/1

ドル円は0.32％のドル安円高となって4日ぶりの反落。米税制改革法案成立に向けて上院で可決されれば大きく前進、との期待感からジリ高推移の展開となったNY市場では一時半月ぶりのドル高円安水準となる112円80銭台まで上昇。この日発表された米11月ISM製造業景況指数は小幅に低下も高水準を維持していることで反応は限定的に。しかしロシア疑惑再燃では111円40銭近辺まで1円50銭弱の急落。その後は税制改革法案の上院可決に必要となる共和党票を確保とも伝えられたことでリスク回避の巻き戻し、ただし元の水準には程遠く、112円前半で頭打ちとなって112円10銭台に収束。難航した上院で可決されればもう一段の反発余地も、同時にロシアゲート疑惑の続報にも警戒される週明けに。上方向には112円台半ばが目先の抵抗水準となり、突破できれば113円台半ばまで上値を伸ばす可能性。下方向にはこの日の急落局面で下げ止まった111円半ばがサポート水準、111円を割り込むようなことがあれば流れが大きく変わり、109円台を目指すような展開にも。
週間ベースでは+0.63円（0.57％）となり、4週間ぶりの反発。
※参考：金プラチナ相場とドル円 NY市場12/1終値とチャート

2017年12月02日(土)時点の相場
国内金：4,952 円 12/1(金) ▼4(0.08％)
国内ﾌﾟﾗﾁﾅ：3,661 円 12/1(金) ▲24(0.66％)
NY金：1,278.8 ﾄﾞﾙ 12/1(金) ▲5.6(0.44％)
NYﾌﾟﾗﾁﾅ：940.6 ﾄﾞﾙ 12/1(金) ▼1.9(0.20％)
ﾄﾞﾙ円：112.17 円 12/1(金) ▼0.36(0.32％)

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