輸入過去最大で米貿易赤字は9カ月、対中国赤字は2年ぶり水準に
更新日:2017年12月06日(水)
米商務省が発表した10月の貿易収支は487億ドルの赤字。市場予想の475億ドルの赤字幅を大きく下回り(拡大)、9月の-449億ドル(-435億ドルから下方修正)から赤字幅は8.6%拡大、今年1月(-488億ドル)以来9カ月ぶりの水準へと拡大しました。
輸出が1959.1億ドルとなって9月の1959.3億ドルからわずかに減少した一方で、輸入は2446.4億ドルとなって過去最大を更新したことが影響しました。
国別の貿易収支では、対中国が-352.3億ドルとなって2015年9月(-362.9億ドル)以来、2年1カ月ぶりの赤字幅へと拡大しています。
先日の米中首脳会談では2500億ドルもの大型商談がまとまったとご満悦だったトランプ大統領ですが、仮に今後米国からの対中国の輸出総額が2500億ドル増加したとしても、現状の対中赤字ペースでいけば7カ月程度で帳消しにしてしまう計算となります。
米国の貿易赤字の70%超を占める中国は別格として、その他の赤字相手国では2位争いが熾烈な展開となっています。
10月は対メキシコが-66.1億ドルで2位。対日本が-64.3億ドルで3位となり、-57.6億ドルにとどまった対ドイツが4位。9月はメキシコ、ドイツ、日本の順で、8月は日本、メキシコ、ドイツの順でした。
2位争いは横ばい推移でデッドヒートが続くなか、対中国の貿易赤字は今年、コンスタントに拡大傾向が続いています。
5日のNY金相場は1%の大幅続落となって8月8日(1262.6)以来、ほぼ4カ月ぶりの安値水準へ。1270ドル台半ばから後半での小康状態が続いた後、NY市場では税制改革法案の年内成立に向けての期待感が高まる場面もあり、ドル高進行と同時に売り圧力が強まると一時1260ドル台前半まで下落。上値トライ失敗後の反落警戒感が高まりつつあった状態から、その流れが加速してしまった形となり、目先は短期下落トレンド進行で少なくとも1250ドル台までの下落は見込まれそうな状況に。米雇用統計他、週末にかけてポジティブな指標があればもう一段安の展開も。その一方で米株主要3指数が揃って下落して調整局面入りの様相も漂い、ドル高の流れもそれほど強まらない状況が続けば下げ渋る展開となる可能性も。
NYプラチナ相場も0.92%の大幅安となって3日続落。金に先行する形で軟調推移となり、10月27日(914.6)以来約1カ月ぶりの安値水準に。やはり上値トライ失敗後の反落局面で流れが変わり、下落局面形成へと向かい始めた様子も。保ち合い長期化後の下方ブレイクとなり、可能性としては大幅安への展開も予想される状況に。現状9月安値圏となる910ドル台での小康状態となり、ドル買いの流れも失速状態となってNY金も下げ渋る状況にあり、この状況が続くようならレンジ下方ブレイクは行き過ぎによる一時的にとどまる可能性も残されるものの、そうでなければ今年安値(891.4)更新へと向う確率は高まり、最大では800ドル台半ばを目指すような展開となる可能性も。
ドル円は0.16%のドル高円安となって小幅続伸。112円台半ばでの保ち合い推移後、NY市場では米税制改革法案の年内成立期待からドル買い円売りが強まると112円80銭台まで上昇。しかし米長期金利の上昇は限定的にとどまり、11月のISM非製造業景況指数の予想を下回る結果などもきっかけに失速。米株の調整局面とともに112円半ばへと押し戻される展開に。結果的に112円台後半での上値の重さを露呈し、週末の雇用統計までは様子見の様相も。日足レベルでの流れは好転も、目先は引き続き112円前半を主要レンジとする小幅保ち合い状態となり、上方向へと抜け出せば113円台半ばが次の上値目標に。下方向へと反落の展開なら111円前後が当面の下値目安にも。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場12/5終値とチャート
6日の国内金価格は0.89%の大幅続落。4951円まで上昇してきた
90日移動平均線を下抜けてしまったことで下落基調が加速、8月28日(4859)以来3カ月ぶりの安値水準に。4950円の節目割れに伴う下値目安4900円近辺まで一気に水準を切り下げたことで短期的にはいったん下げ止まる展開にも。NY金に若干の下げ余地も残るものの、4900円を大きく割り込むような展開は短期的には予想し難い状況か。いったん落ち着いた後、週末の雇用統計の結果次第では新たな展開へ。下方リスクとしては、7-9月上昇波の61.8%戻しとなる4867円近辺が次の下値警戒水準、反発時の上値目安は38.2%ラインの4935円近辺。
プラチナ価格は1.5%の大幅安となって3日続落。予想された下方リスクが一気に噴出した形となり、10月安値、2日の3550円以来2カ月ぶりの安値水準へと急落。
上昇基調が続いていた90日移動平均線も反落へと転じ、中期的な方向感も軟調方向へ。目先は一時的な下げ止まり、反発をはさんだとしても、NYプラチナが大幅安へと向うようならこれに追随する展開へ。今年安値(3529)更新トライへと向う確率は高まり、最大リスクとしては3500円の大台割れ、さらには3400円台半ばの水準が視野に入る可能性も。
※参考:
金プラチナ国内価格12/6とチャート
2017年12月06日(水)時点の相場
国内金:4,912 円 12/6(水)
▼44(
0.89%)
国内プラチナ:3,558 円 12/6(水)
▼54(
1.50%)
NY金:1,264.9 ドル 12/5(火)
▼12.8(
1.00%)
NYプラチナ:917.5 ドル 12/5(火)
▼8.5(
0.92%)
ドル円:112.59 円 12/5(火)
▲0.19(
0.16%)
12/5(火)のその他主要マーケット指標
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