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生産者物価指数は5年10カ月ぶり高水準、今後のインフレ加速を示唆
更新日:2017年12月13日(水)
生産者物価指数(PPI)2017年11月米労働省が発表した11月の生産者物価指数(PPI)は前年同月比+3.1%。市場予想を上回り、5カ月連続の上昇となって2012年1月(+3.1%)以来、5年10カ月ぶり高水準。今年半ばの一時的な失速状態から完全に抜け出し、2016年後半から続く加速基調が継続していることを示した形です。

変動の激しい食品とエネルギーを除いたコアPPIは前年同月比+2.4%で10月からは横ばい推移。ただし+2.4%は2012年2月(+2.6%)以来、5年8カ月ぶりの高水準。PPIに追随する形での加速基調は維持する状況です。

また、今年前半はドル安傾向が続き、輸入物価上昇もサポート要因となっていたものと思われる状況から、9月以降はドル高傾向へと反転しており、サポート要因の一つは剥落した状況での堅調推移となっています。
ただし、原油価格の上昇基調は続いており、11月のNY原油の平均価格は56.66ドル。1年前の11月は45.76ドル、前年比では23.8%も上昇しています。

それでも今回、加速基調継続を示したPPIのインフレ上昇圧力により、現在2%をはさんでの揉み合いが続くCPI、2%手前での横ばい状態が続くコアCPIにもいずれインフレ圧力が強まる時期がやってくることにもなりそうです。
そして、CPIのインフレ加速傾向がもう一段強まれば、これに牽引される形で個人消費支出物価(PCE)にもインフレ圧力が伝わり、やはり現状2%手前での停滞が続くPCE、1.4%近辺での低迷が続くコアPCEもいずれ2%に向けて動き出す可能性も高まることになりそうです。

そんな思惑が、今回のFOMCでもインフレはいずれ上昇する、との強気見通しのサポート要因となりそうです。

NY金・日足チャート 2017/11/7 - 12/1212日のNY金相場は0.42%安となって4日続落。7月17日(1233.7)以来、ほぼ5カ月ぶりの安値水準。NY市場では米11月生産者物価指数の好結果を受けて一時1240ドル割れ、しかしこの水準では底堅さも見られ、ポール米共和党上院議員の「債務拡大法案には賛成できない」発言を受けて一時的にドル売りが急進したことにも呼応する形で1240ドル台へと小反発。その後もドルの買い戻しに勢いはなく、米10年債利回りも反落水準を維持したことで1240ドル台半ばへと元の水準を回復。7-9月上昇波の76.4%戻し1241.4ドルでサポートされる形となり、この水準が目先の重要な節目水準となる可能性も。FOMC後には約束の利上げと2018年見通しが従来通り年3回の追加利上げとなれば、一時的にはもう一段安の展開も予想され、1230ドル台がサポート水準候補。ここで下げ止まれない場合には心理的節目となる1200ドルの大台ラインまではサポートラインが見当たらない状況。目先、アラバマ州連邦上院補選では共和党ムーア候補の苦戦が伝えられ、年内の税制改革法案成立に向けての動向にも影響し、これらの動向に振られながらも早期に現状水準1240ドル台を回復することになれば、年末年始に向けて3年連続のラリー相場へとつながる可能性も。

NYプラチナ・日足チャート 2017/11/7 - 12/12NYプラチナ相場は1.92%の大幅反落となり、2016年2月3日(852.0)以来、1年10カ月ぶりの安値水準。890ドルをはさんでの揉み合い状態から、NY朝には金に追随する形で870ドル台前半へと急落すると、その後の金の反発には追随し切れず880ドルラインとの攻防に。前日の下げ止まりの兆しは一時的な戻りを形成したに過ぎず、下落圧力が終息していなかったことを証明した形に。金との価格差も10月9日(366.8)以来2カ月ぶりとなる366ドルまで再拡大、9月26日に記録した過去最大377ドルも視野に入り、ダブルトップ形成へと向う展開にも。目先の下値目安は少なくとも860ドル台。金の下げ幅が拡大するようなら、今回の下落局面での最大目安となっていた850ドル台も意識されそうな状況に。

ドル円・日足チャート 2017/11/8 - 12/12ドル円は前日からほぼ変わらず113円50銭台での横ばい推移。米生産者物価指数上振れ後の上値トライでは前日高値をわずかに上回るも1カ月ぶり高値圏となる113円70銭台で頭打ち。ポール上院議員の発言をきっかけとした売り局面では前日安値を下回らず、113円30銭台で下げ止まっての反発。FOMC待ちとなったこの日の値幅は40銭にも満たず、今年の平均値幅91銭の半分以下で今年5番目の小動き。目先、FOMC直後には少なくとも114円近辺までの上昇余地は見込まれ、113円付近がサポート水準に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場12/12終値とチャート

13日の国内金価格は0.06%の小反発。ゆるやかに上昇を続ける200日移動平均線(4872)との攻防が続き、下げ渋る状態に。しかし、目先は一時的に下方圧力が強まることも予想され、FOMC直後となる明朝にはブレ幅が拡大する可能性も。下方向には引き続き夏場の保ち合い圏となる4820円台辺りまでが目安となり、反発方向へは4890円が抵抗線となり、突破できれば反発基調継続で目標水準は4950円前後まで。

プラチナ価格は0.86%の大幅安となって8日続落。2015年10月末から11月半ばまでの11日続落以来、2年1カ月ぶりの続落記録となり、水準的には2016年10月26日(3441)以来ほぼ1年2カ月ぶりの安値水準。1週間前に予想され、しかし到達確率はそれほど高くはないとも思われた下値目安の最大水準3400円台半ばにもしっかり到達。金との価格差も1418円となって過去最大を更新、10月10日の1415円、20日の1411円と合わせてトリプルトップ形成への可能性を示す形となり、価格差拡大局面の頭打ちとともにプラチナ価格の下落にも歯止めがかかる可能性も。ただしこの状態となるタイミングがやや尚早、目先はFOMC後の一段安を警戒することとなり、3400円の大台ラインにサポートされるかどうか。
※参考:金プラチナ国内価格12/13とチャート

2017年12月13日(水)時点の相場
国内金:4,869 円 12/13(水) ▲3(0.06%)
国内プラチナ:3,451 円 12/13(水) ▼30(0.86%)
NY金:1,241.7 ドル 12/12(火) ▼5.2(0.42%)
NYプラチナ:875.7 ドル 12/12(火) ▼17.1(1.92%)
ドル円:113.54 円 12/12(火) ▼0.01(0.01%)
→12/12(火)のその他主要マーケット指標

←CPI下振れと織り込み済のFOMCでドル安金高へ早期反転? 12/14(木)
→12月FOMCでは3年連続利上げ、そして3年連続ドル安円高・金高へ? 12/12(火)
→価格差はトリプルトップへ、プラチナ価格はトリプルボトムも 12/11(月)
→賃金上昇率は伸び悩み、10月も前月比-0.11%と減少幅拡大修正 12/09(土)

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