ドイツIFO企業景況感指数は過去最高から期待感とともに失速
更新日:2017年12月20日(水)
12月のドイツIFO企業景況感指数は117.2となり、2カ月連続で過去最高を更新して117.6まで上昇していた11月からは反落。
現況指数は過去最高となった7月の125.8からは失速状態が続いていましたが、12月には125.4まで上昇して過去2番めの高水準となり、今後の過去最高再更新もうかがわせる状態となっています。
これに対して期待指数は過去最高となった2010年11月(111.2)以来、7年ぶり高水準となった11月の111.0から12月には109.5へと反落。過去最高更新を目前に失速してしまった形です。
過去最高レベルに達していたドイツの景況感は期待感とともに失速してしまったようです。
なお、製造業での指数は過去最高を記録しいるようです。主に受注増により現状のビジネス状況はより良好であり、現況も期待も長期平均を上回る水準。メーカーは引き続き価格上昇も予想。ただし、見通しとしてはそれほど楽観的でもないとの見方も。
卸売業では、事業環境はわずかに悪化も依然として好調。現況も見通し的にも満足できる状況でもない、と微妙な様子も。
小売業ではクリスマス商戦での好調に対し、今後数カ月の見通しがさらに上向きと予想する企業は少数、という状況のようです。
「現在の状況が既に過去最高レベルの良好な状態で、さらに良い状態を期待することは難しい」との見方もあり、最もな指摘です。
ドイツ卸売・貿易業連合会(BGA)はこの日、2018年のドイツの輸出と輸入がいずれも過去最高になるとの見通しを発表しています。米、EU諸国、中国の景気回復の恩恵によって、引き続きドイツ企業の好調さが下支えされるとの見方のようです。
米国の税制改革法案の成立はドイツにも恩恵をもたらし、少なくともECBの量的緩和が続く来年9月までは、ドイツの景況感も相応の高水準を維持することになりそうです。
19日のNY金相場は0.1%の小幅安で5日ぶりの反落。ドイツが来年の国債発行増加方針を示したことで債券売りで金利が上昇、ドイツ10年債利回り上昇に連れて米10年債利回りも上昇。欧米金利上昇の流れでNY市場には米11月住宅着工件数の好結果にもサポートされてドル高も進行。これに伴う金の下押しは1260ドル台前半まで、FOMC後の反発局面形成中の戻りとしては極めて限定的に。値幅もわずか6.3ドルと値動き自体も縮小するクリスマスモードに。米下院での税制改革法案可決も織り込み済で、わずかに上昇基調を維持する200日移動平均線(1268.9)と下落基調の20日移動平均線(1269)とに上値を押さえられた形となり、これまでサポートラインとなってきた200日線が抵抗線に切り替わるようだと反発基調も腰折れに。この水準を超えると年末年始にかけて上方向への節目となる1280ドル台の攻防へ。
NYプラチナ相場は0.1%の小幅高となって4日続伸。NY市場では一時2週間ぶりとなる920ドル台まで上昇して失速、しかし週をまたいでの急反発局面からの調整も限定的に。短期的には890ドル台の節目突破による上値目標920ドル近辺まで完全に到達し、20日移動平均線(915.9)にも上値を押さえられての一服状態へ。11月末までサポートラインとなっていた20日移動平均線が抵抗線へと切り替わる前にこの水準は超えておきたいところだが。
ドル円は0.3%のドル高円安で112円80銭台まで反発。クリスマス休暇状態となったドル円は欧州序盤まで112円60銭付近でフリーズ。金利上昇に押し上げられる形となったNY市場ではこのところ抵抗感が強まっていた112円80銭台の水準をなんとか突破し、113円台へと上昇。しかし、今度はこの113円ラインに上値を押さえられる格好となり、今朝の東京市場でも再トライに失敗。税制改革法案の進展も既に織り込み済でドル高要因としてはもはやパワー不足の感も。
米10年債利回りがほぼ2カ月ぶりに2.45%台まで急騰したにもかかわらず、ドル円の上昇幅としてはかなり控えめ。流れとしてはドル高方向がやや優勢の状態を維持しながらも、保ち合い状態が続くようなら恒例となってきた年末年始の反落相場入りも。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場12/19終値とチャート
20日の国内金価格は0.39%高となって3日続伸。中長期上昇トレンドを維持する
200日移動平均線(4873)にサポートされて反発へ、と予想どおりの展開で上昇局面形成へ。ただし、NY金の一服感やクリスマス休暇入りでの閑散状態からは値動きも限定的にとどまる可能性も高く、目先は200日線の水準を維持することが重要となり、当面の上値目標としては急落前の保ち合い下限付近となる4950円近辺まで。
プラチナ価格は0.77%の上昇で3日続伸。急落局面形成前の保ち合い高値からの下落幅に対する半値戻しとなる3547円を突破。半月かけて下落した値幅の半分を3日間で取り戻し、半値戻しは全値戻し状態に。しかし、やはりNYプラチナの一服感がさらなる反発継続への重石にも。年末に向けては、9月高値からの下落幅に対する半値戻しとなる3620円辺りが努力目標に。
※参考:
金プラチナ国内価格12/20とチャート
2017年12月20日(水)時点の相場
国内金:4,911 円 12/20(水)
▲19(
0.39%)
国内プラチナ:3,553 円 12/20(水)
▲27(
0.77%)
NY金:1,264.2 ドル 12/19(火)
▼1.3(
0.10%)
NYプラチナ:914.1 ドル 12/19(火)
▲0.9(
0.10%)
ドル円:112.88 円 12/19(火)
▲0.34(
0.30%)
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