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米賃金上昇率は2017年末に減速・格差拡大傾向、ゼロ賃金も増加
更新日:2018年01月19日(金)
賃金上昇トラッカーと平均時給 2017年12月前日のベージュブックでは「幅広い業種、職種で賃上げが見られた地区もあった」と指摘され、賃金上昇率は今後加速して行くとの見方が優勢となりつつあるようですが、少なくとも2017年末の段階ではその確証を得られそうな状況とは言えないような指標結果もあります。
アトランタ連銀が公表している賃金上昇トラッカーでは、個人時給の中央値を前年比3カ月平均で表し、この数値は12月に+2.9%。3カ月連続の急低下で2015年10月(2.9)以来、2年2カ月ぶりの低水準へと失速しています。
雇用統計で発表される平均時給は12月に前年比+2.5%へと上昇しましたが、3カ月平均では+2.43%にとどまり、これも3カ月連続の低下で2015年11月(2.43)以来、2年1カ月ぶりの低水準となっています。
いずれも2016年後半にピークアウトして減速状態がスタートしているようにも見えます。

なお、2014年以降は上昇基調が強まり始めましたが、同時に中央値と平均値の差も開き始めています。賃金上昇率の高い層が一段と加速することで中央値は引き上げられ、平均値はそれに遅れて追随する展開は自然な流れとは言えそうですが、2016年末にかけては中央値の加速が強まり、平均値が大きく引き離される状態となっていました。それだけ賃金上昇率における格差が拡大している状態とも言えそうです。

また、セグメント別の集計値によると、フルタイムのみの数値では12月は前年比+3.2%と全体値よりも0.3%高く、25歳から54歳までのいわゆるプライムエイジに限定すると前年比+3.3%と全体値より0.4%も高くなっています。
また、女性の+2.7%に対して男性は+3.2%と高く、転職者は+3.4%でそうでない人の+2.5%を大きく上回ります。
米銀大手シティグループは先日、女性とマイノリティーの賃金を引き上げて格差を解消すると発表しましたが、これに追随するような動きがもっと出てこなければ、賃金上昇率の格差拡大解消と平均時給の加速にはつながらないのかもしれません。

ゼロ賃金の割合 2017年12月賃金上昇率が0%(実際には+0.5%から-0.5%の範囲内)の人の割合を示す、ゼロ賃金の推移では、12月は14.4%となり、2カ月連続で上昇しています。
過去、リセッションの時期には当然ながら賃金上昇率は低下し、同時にゼロ賃金の割合は増加していました。
2011年以降、賃金上昇率のゆるやかな上昇とともにゼロ賃金の割合も低下傾向の推移が続きました。
2017年末時点では、賃金上昇率が頭打ちの状態となっているのと同様に、ゼロ賃金の割合も反発傾向となっています。

NY金・日足チャート 2017/12/12 - 1/1818日のNY金相場は0.9%安となって6日ぶりの反落。前日NY引け後に1330ドル割れへと水準を切り下げた後は1320ドル後半での揉み合い推移が継続。米国の暫定予算案を巡る報道で政府機関閉鎖の可能性を警戒してドル安株安が進行したNY市場では一時1330ドル台前半へと反発する場面もあったものの、これも限定的。目先はもう一段の調整を含めて保ち合い傾向の推移も予想され、1340ドルと1310ドルが上下の節目。上抜けの場合には昨年高値圏1360ドル前後が上値目標となり、下抜けの場合には1290ドル前後までが下値目安に。

NYプラチナ・日足チャート 2017/12/12 - 1/18NYプラチナ相場は0.37%安で6日ぶりの反落。調整の動きも下げ幅は限定的となり、前日NY時間外に下げた1000ドル台前半の水準を維持して欧州・NY市場にかけては反発、再度1010ドル台を何度か試す展開となってやや失速。足下では9月高値圏1120ドル台も意識されながら1000ドルから1010ドルの小幅レンジで高値保ち合いを形成し、下げ渋る状況に。調整局面が進行し始めると急反落の展開も警戒され、38.2%戻しとなる950ドル台辺りまでの大幅調整も。過熱感を高めながら急上昇局面を形成してきたことで年末に370ドル超あった金との価格差は320ドルへ、8月末以来5カ月ぶりの水準まで急縮小。

ドル円・日足チャート 2017/12/14 - 1/18ドル円は0.17%のドル安円高となって小反落。ドル安の巻き戻しの流れも111円半ばでは上値が重く、東京市場でつけた高値でも111円50銭に届かず失速。111円台前半での揉み合いからNY市場では株安の流れと米政府機関シャットダウンへの警戒感から一時110円70銭近辺まで下落。今朝の東京市場では暫定予算案が下院で可決されて上院へと送付され、事なきを得そうな状況から111円台前半での揉み合い推移の展開。戻り売り優勢の状況は大きくは変わらず、足下では23.6%戻しの111円30銭近辺が抵抗水準となりつつあり、ここをしっかり超えると38.2%戻しとなる111円90銭近辺までの上昇は見込めそうな状況に。ドル安方向へは110円台半ばが徐々に堅くなりそうな様子も。ただし下抜けると109円台半ばへと下値模索の展開も。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場1/18終値とチャート

19日の国内金価格は0.37%の反落。調整局面進行も高値圏での三角保ち合いを維持し、大幅調整か上値トライ再開かの分岐点に差し掛かってきた状態。しかし、次週ECB理事会や月末のFOMCなどを控えて動意も低下しやすい時期にもさしかかり、5050円台から5110円までのレンジでの保ち合い推移はもう少し継続しそうな状況か。上方ブレイクなら高値更新で5180円台辺りまでが目標水準に、下方ブレイクなら5000円前後が下値目安にも。
週間ベースでは+10円(0.2%)の小幅反発。

プラチナ価格は0.13%の小幅安となって7日ぶりの反落。短期上値目標3800円近辺到達後の一服感から3800円ちょうどへと反落も今年2日めの下落日としてはかなり控えめ。調整局面が本格化すれば大幅安の展開で23.6%戻しとなる3710円台辺りまでは下げやすく、そこでサポートされない場合には38.2%戻しとなる3650円台までが次の下値目安に。調整不足のまま買われ過ぎで9月高値3819円トライの展開もなくはないが。金との価格差は1275円となって9月以来4カ月ぶりの水準へと縮小。
週間ベースでは+48円(1.28%)となり、2014年12月以来、3年1カ月ぶりの5週続伸。
※参考:金プラチナ国内価格1/19とチャート

2018年01月19日(金)時点の相場
国内金:5,075 円 1/19(金) ▼19(0.37%)
国内プラチナ:3,800 円 1/19(金) ▼5(0.13%)
NY金:1,327.2 ドル 1/18(木) ▼12.0(0.90%)
NYプラチナ:1,007.2 ドル 1/18(木) ▼3.7(0.37%)
ドル円:111.10 円 1/18(木) ▼0.19(0.17%)
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