米長期金利上昇でもドル安円高、ビッグマック指数なら72円
更新日:2018年01月20日(土)
米10年債利回りは2.66%近辺まで上昇し、2014年5月12日以来、3年8カ月ぶりの高水準となっています。
しかし、これまで相関性が強かったドル円は足下で円高の流れとなって米10年債利回りと決別。
19日時点での90日間の相関係数は-0.09867と、無関係状態となっています。
過去5年程度で、米10年債利回りとドル円の90日間相関係数が最大(相関関係が最も強い状態)となったのは
2016年9月から年明けまでの0.97976。
米大統領選の結果を受けて米10年債利回りは1.7%台から2.5%台へと急騰、ドル円も104円から119円まで急騰した時期でした。にわかに高まったトランプ期待、米国景気加速期待による米金利上昇とドル高が同時進行しました。
90日間相関係数が最低(逆相関傾向)となったのは
2014年9月から年明けまでの時期で相関係数は-0.56911。
ドル円の横ばい推移が延々と続いたあと10月末の日銀追加緩和でドル円は106円台から122円台まで急騰、米10年債利回りは2.6%台から2%割れへと低下局面。日銀要因による円安加速には米長期金利は反応しませんでした。
現時点では無関係状態にあるドル円と米10年債利回りの相関係数は、
1月8日までの時点では0.82266と強い相関関係を示していました。
明確に方向感が分かれたのは9日以降。
東京市場9日午前、日銀の超長期債買い入れオペの減額が今後の金融政策変更への可能性を示すものではなかったとしても、少なくとも市場は日銀緩和の出口への警戒感を高めて円高方向へと舵を切り始めたのは事実。
日銀要因による円高には、今回も米長期金利は反応していない状況です。
この日、エコノミスト誌が発表した1月のビッグマック指数で見るドル円レートは、1ドル=71.97円。半年前の71.70円からは小幅ドル高円安も2015年1月の77.24円からゆるやかなドル安円高基調が続いています。
2016年後半には、ビッグマック指数も73.41円から75.10円へとドル安円高となっていました。
しかし、2014年後半の日銀追加緩和によるドル高円安には、ビッグマック指数も77.08円から77.24円とほぼ反応していないようです。
というよりも、日銀緩和がスタートした2013年以降は、実際のドル円レートとビッグマック指数との関係性も希薄化しています。
19日のNY金相場は0.44%の反発。米暫定予算案は下院通過も上院では移民関連の法案との絡みで折り合いがつかず、政府機関閉鎖の可能性への警戒感が高まったことを受けて東京市場午後から欧州市場にかけてドル全面安。堅調推移となった金は1320ドル後半から一時1340ドル手前まで上昇。しかし目先の抵抗水準となりつつある1340ドルに上値を押さえられる形で失速、NY市場では米金利上昇と株価も反発、ドルも買い戻しの流れとなって金は軟調推移で1330ドル付近へ。日足レベルでは1320ドル半ばから1340ドルの小幅保ち合いを形成。やや失速感もあるなかでも上方ブレイクとなれば昨年高値圏1360ドル近辺を試しに行く可能性、下方ブレイクの場合には1300ドル付近までが調整目安となり、その手前1310ドル近辺でサポートされる可能性も。
週間ベースでは-1.8ドル(0.13%)となり、6週間ぶりの小反落。
NYプラチナ相場は1.28%の大幅反発。衰えることのない、やや異常レベルとなってきた一本調子の上昇基調で2月28日(1031.0)以来、11カ月ぶりの高値水準に到達。ただし9月8日の高値1026ドルには届かず、1020ドル台も維持できず1010ドル台半ばまで戻して終了。大幅上昇局面形成直後には、それ以上の大幅下落局面を形成するパターンを繰り返してきたこの数年間の流れを断ち切ることができるか、目先は1000ドルの大台維持が課題に。調整局面となって大台を維持できなければ980ドルから960ドル台までが第1段階の調整目安にも。
週間ベースでは+23.9ドル(2.4%)、2016年5月以来1年8カ月ぶりとなる6週続伸。
ドル円は0.28%のドル安円高となって続落。米政府機関シャットダウン懸念に加え、日銀の緩和政策縮小方向への転換懸念もくすぶり欧州序盤にかけて110円50銭近辺まで下落。ユーロ高牽制やフォワードガイダンス見直し先送りなどでユーロ高の巻き戻しも進行し、相対的にはドル高円高の流れ。NY市場では1月のミシガン大消費者信頼感指数が半年ぶりの水準となる94.4へと下振れたことを受けて小幅に急落も下値も限定的に。保ち合いを経て米10年債利回り上昇にも追随する形で110円台後半へと小幅持ち直し。終わって見れば金利上昇に連れてドルインデックスは小幅反発もドル円ではドル安円高。110円半ばから111円半ばまでの保ち合いを形成し、下方向へ抜け出すと109円半ばへと一段安、上方向なら112円半ばまでが反発の目安に。
週間ベースでは-0.26円(0.23%)の小幅続落。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場1/19終値とチャート
2018年01月20日(土)時点の相場
国内金:5,075 円 1/19(金)
▼19(
0.37%)
国内プラチナ:3,800 円 1/19(金)
▼5(
0.13%)
NY金:1,333.1 ドル 1/19(金)
▲5.9(
0.44%)
NYプラチナ:1,020.1 ドル 1/19(金)
▲12.9(
1.28%)
ドル円:110.78 円 1/19(金)
▼0.32(
0.28%)
1/19(金)のその他主要マーケット指標
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