為替1ドル=100円か114円?ドル円は中長期保ち合い分岐点の攻防
更新日:2018年02月14日(水)
株式市場の波乱などの影響もあり、為替は1ドル=107円台に突入し、俄然円高圧力が強まる展開となってきました。
月足チャートで見るドル円の現状は、2012年9月安値77円10銭台から下値を切り上げる長期サポートラインと、2015年6月高値125円80銭台から上値を切り下げる長期レジスタンスラインとで構成される長期三角保ち合いを形成しています。
また、中期的には2017年2月以降、概ね108円から114円までのレンジでの保ち合い状態も続きます。
しかし、ここに来て長期三角保ち合いと中期レンジをともに下抜けの兆しとなってきました。
このまま、円高方向への流れが加速することになると、中期的な下値目安としては50%ライン、100円近辺を目指す流れとなる可能性も高まりそうです。
逆に、下方ブレイクが一時的にとどまり、切り返す展開となれば、中期レンジ上限の114円を目指す流れとなる可能性も残されます。
長期的には、上方向に114円ラインを明確に上抜けた場合、長期三角保ち合いの起点、125円台を目指す流れへと発展する可能性も浮上してきます。
さらに、125円台の高値を超えることになれば、77円台から125円台までの上昇値幅48円が、2016年6月安値99円台を起点とした上昇基調の値幅に相当する可能性もあり、最大で147円を目指すことにもなりそうです。
長期的な下方シナリオとして、100円割れの場合には、2015年6月高値から2016年6月安値までの下落幅26円が、2016年12月高値118円60銭台を起点とする下落基調の値幅に相当する可能性もあり、最大では92円近辺を目指す円高の流れとなる可能性があります。
長期三角保ち合いと、108円から114円の中期レンジの呪縛から解き放たれたドル円は、今のところ円高方向へと加速し始めた可能性が高まる状況です。
13日のNY金相場は0.3%の続伸。ドル安の流れが強まった東京市場午後から欧州市場にかけて1320ドル台半ばから1330ドル台へと上昇。NY朝には一度1320ドル半ばまで反落後に反発、今朝の東京市場では一時1330ドル半ばへと上値を試す勢いも。短期トレンドは下向き継続中の戻り局面にあり、ドル安地合いと株安警戒感などに下値も支えられる状態。この流れが続くようなら、まもなくトレンド好転も。上方向への節目1350ドルを超えると一段高で高値更新の可能性も高まり、目標水準は2014年最高値圏1390ドル近辺へ。逆に下方向への節目1310ドルを割れた場合には1300ドル割れを試す展開にも。
NYプラチナ相場も0.3%の続伸。短期下値目安960ドル台到達後の反発継続も、金と同様に下落トレンド中の戻り局面の範囲内との認識。上方向には990ドルから1000ドルまでの水準が当面の抵抗水準となりやすく、960ドルのサポート水準を割れた場合には90-200日移動平均線の940ドル台までの一段安も見込まれる展開へ。
ドル円は0.78%のドル安円高で続落、9月8日(107.80)以来5カ月ぶりのドル安円高水準。東京市場午前の108円70銭台から、午後には株価下落とともに円高圧力が強まって欧州市場にかけて108円割れ、下値目安にもなっていた107円台半ばまで下げて保ち合い推移となったNY市場では一時107円40銭近辺まで下落。依然戻り売り圧力が強く、底打ち反発へと向かい始めた可能性もあった流れも腰折れ。引き続き株安不安などにも上値を押さえられ、上値の重い展開に。今晩の米CPI下振れなどをきっかけに株安基調が強まると下値模索も予想され、一時的には107円割れ、という展開にも。上方向には109円台回復が反発基調に向けての抵抗水準。短期的には下値目安到達と9月8日安値107円30銭台に迫り、2番底をつけた形にもなっていることから底打ちの可能性も残されるところだが。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場2/13終値とチャート
14日の国内金価格は0.08%の小幅安で7日続落。12月22日(4940)以来1カ月半ぶりの安値水準。7日続落となるのは2016年5月以来、1年9カ月ぶり。下値目安4960円近辺到達に伴う下げ止まりの兆しもズルズルと小幅に値を下げる展開に。短期的にはさらに一段安の展開は想定し難い状況ながら、株安警戒感による不安定な市場動向に左右され、今晩の米1月CPIなども波乱要因の一つに。引き続き
200日移動平均線の4920円近辺までが下値警戒水準に、90日移動平均の4990円台までが抵抗水準候補。
プラチナ価格も0.22%安となって7日続落。7日続落は12月前半以来2カ月ぶり。短期下値目安3640円前後をややオーバーランした状態となり、年明けとともに上抜けていた
200日移動平均線(3636)もわずかに下抜け。過去、サポート水準にも抵抗水準にもなってきたこのライン、現状ではサポート水準として機能する可能性も高そうに見えるものの、大きく下方乖離してしまうと次の反発局面では抵抗水準へと切り替わる確率が高まってしまうことにも。
※参考:
金プラチナ国内価格2/14とチャート
2018年02月14日(水)時点の相場
国内金:4,950 円 2/14(水)
▼4(
0.08%)
国内プラチナ:3,629 円 2/14(水)
▼8(
0.22%)
NY金:1,330.4 ドル 2/13(火)
▲4.0(
0.30%)
NYプラチナ:975.7 ドル 2/13(火)
▲2.9(
0.30%)
ドル円:107.81 円 2/13(火)
▼0.85(
0.78%)
2/13(火)のその他主要マーケット指標
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