金利上昇の兆しで日米金利差とドル円の連動性も回復の兆し
更新日:2018年04月23日(月)
米10年債利回りが2.96%まで上昇し、2014年1月以来4年3カ月ぶりの高水準となった前週末。北朝鮮の核・ICBM実験中止の発表もあり、朝鮮半島情勢好転の兆しとも受け止められて市場のリスクも緩和方向へ。週明けの東京市場では株高は一時的にとどまったもののドル高円安方向優勢の状態は維持する状況となっています。
米10年債利回りは2.96%台での高止まり、日米金利差拡大基調も維持し、逆相関状態が続いていた日米金利差とドル円の関係も少しづつ連動方向へと戻り始めた様子も見られます。
2カ月前に米10年債利回りが2.9%まで上昇した時期には、
ドル円と日米金利差との30日間相関係数は-0.835。短期的には強めの逆相関を示し、円高基調が続いていました。
今回、再び米10年債利回りが2.9%台を超えてきたタイミングでは、ドル高円安方向へと傾斜し始め、
日米金利差との30日相関係数は0.217台。連動性はまだ弱いものの、短期的には逆相関状態を解消しています。
地政学リスクの後退とともに、米国のインフレ加速と利上げペース加速も意識されての金利上昇とドル高円安地合いが強まりそうな状況となり、相対的に金は軟調な展開も予想される状態ともなっています。
しかし、核とミサイル実験を「中止」するとしただけで「放棄」を明言したわけでもない北朝鮮の発表には、懐疑的な見方も依然強く残り、今後の米朝会談に向けての不透明感も払拭しきれません。日米金利差とドル円の連動性が強まり始めたとしても、ドル高円安・金安の流れが一方的に強まる状況にもまだない、ようにも見えます。
23日の国内金価格は0.5%の続落。週明け時間外のNY金は1330ドル台半ばへとわずかに値を下げての揉み合い、為替は一時107円80銭までのドル高円安進行も一服状態。地政学リスク後退ムードを受けてのNY金の軟調推移を反映する形で90日移動平均線(4950)をわずかに下抜けて4940円台の節目水準に。今年高値1月9日の5127円から今年安値3月19日の4792円までの61.8%戻しとなる4999円付近、4月19日の4990円まで戻しての一服状態でもあり、ここからさらに水準を切り下げることになれば、1カ月続いた反発基調はいったん終息状態に。短期下落トレンドを形成することになれば目先の下値目安は4880円台辺りまで。現状水準を維持して反発することができれば4990円を上限に保ち合い形成へ。
週足チャートでは1月からの下落基調の抵抗線を上抜けた直後に失速した状態。20週移動平均線(4949)との攻防状態でもあり、最近のパターンとしては20週移動平均の4%下方乖離ライン付近から20週移動平均線を上抜けた場合には4%上方乖離ライン付近まで上昇するケースが多いが。
プラチナ価格も0.58%の続落。21日移動平均線(3431)をゴールデンクロスした9日移動平均線(3448)にサポートされず、下値警戒感も高まる重要なサポート水準3430円台まで下落。1月高値3843円から4月安値3370円までの下落に対する反発の流れは23.6%戻しの3482円近辺となる4月19日の3486円までで終えることになる可能性も。3430円を割れるとそうなる可能性は急拡大、安値更新とさらなる大幅安も警戒され、下値目安は最大で3300円近辺まで。現状水準を維持できれば3490円までを上限に保ち合い形成と反発基調再開への可能性を残すことに。
※参考:
金プラチナ国内価格4/23とチャート
週足チャートでは2016年来の下値サポートラインで反発した流れで、斜行三角形の保ち合い上抜けをかけた攻防が続く状況。20週移動平均5%下方乖離ラインを下抜けた後の反発局面では、大きく水準を切り上げるパターンがこれまで続いていたものの、今回は年初来下落トレンドの抵抗線に上値を押さえられる状態。上抜けできれば従来パターン再現の可能性も、上抜け出来ない状態が続けば下値を試す展開へも。斜行三角形の頂点は3300円台前半。
2018年04月23日(月)時点の相場
国内金:4,946 円 4/23(月)
▼25(
0.50%)
国内プラチナ:3,436 円 4/23(月)
▼20(
0.58%)
NY金:1,338.3 ドル 4/20(金)
▼10.5(
0.78%)
NYプラチナ:931.8 ドル 4/20(金)
▼8.3(
0.88%)
ドル円:107.66 円 4/20(金)
▲0.24(
0.22%)
4/20(金)のその他主要マーケット指標
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