5月製造業PMI、ドイツもユーロ圏も5カ月続落で15カ月ぶり低水準
更新日:2018年05月24日(木)
ユーロ圏とドイツの製造業PMIの低下が止まりません。5月速報値でユーロ圏は55.5、ドイツは56.8となり、いずれも2017年12月がピークとなって5カ月続落となり、昨年2月以来15カ月ぶりの水準まで低下。
ドイツの工場出荷の伸びは18カ月ぶり低水準となり、ユーロ圏の生産も18カ月ぶりの低水準に落ち込み、5月のビジネス活動と新規受注の伸びは低調に推移。企業は見通しについても楽観的ではないとの指摘も。
1年後の事業活動水準についての期待値は18カ月ぶりの水準に低下。見通しに関する不確実性が高まったため、好調を維持する雇用もやや減速。
ただし見通しの水準は長期平均を上回る状態を維持しており、昨年が強すぎたとの見方も。
5月の低下は一時的要因との見方もあるものの、第2四半期も低迷状態が続いていることへの懸念も続きます。
インフレ統計も弱く、ECBの金融政策運営にも難しい舵取りを強いられることになりそうです。
これに対して米国は予想を上回って56.6となり、3年8カ月ぶりの高水準。今年ここまではユーロ圏との逆行状態が続き、ユーロ圏の数値を上抜けてドイツの数値にもあと僅かとなってきました。
米国では受注が2015年9月以来の最速ペースとなり、見通しも2015年2月以来で最高と、先行きを楽観視する状況が続きます。4月から仕入れ価格のインフレ率はやや減速したものの、7年ぶり高水準での推移が続く状況。
景況感好調が続く米国に対してユーロ圏の低調が続くことでユーロ売りドル買いの流れも収束せず、ユーロドルは半年ぶりのユーロ安ドル高水準となっています。
しかしドル円でのドル買い円売りはいったんピークを迎えた状況となり、ユーロドルも昨年1月安値から今年2月高値までの38.2%戻しを達成し、そろそろ下げ止まるにも都合の良い水準に到達しています。
金利の上昇一服とともにドル高の流れも一服か、という状況でもあり、反発か一段安か方向感喪失気味のNY金の膠着状態も止まりません。
23日のNY金相場は0.19%の小反落。米朝首脳会談開催に向けての不透明感などを背景にリスク回避の流れが強まり、ロンドン市場では一時1298ドルまで買われたものの1300ドルの大台ラインが意識されて反落、FOMC議事要旨への警戒感やユーロ圏景況感後退などによるユーロ安ドル高の流れも重石となり、NY市場朝には1280ドル台半ばへと急反落。FOMC議事要旨では利上げペース加速への思惑は見られず、「緩やかなインフレの行き過ぎは有用」などの見解も示されたことで1290ドル台へと再反発。1290ドルをはさんだ保ち合い十字線は6日め。鍋底を形成して次のトレンドは上方向、を示唆している可能性も。目先、1270ドル台までの下振れの可能性を残しながら上方向には1300ドルの大台ラインから200日移動平均線(1308.1)までが抵抗水準に。
NYプラチナ相場は0.88%安となって3日ぶりの反落。前日までの反発の勢いは時間外に910ドルで上値を押さえられて失速、NY市場では一時900ドル割れへと反落し、なんとか900ドル台を維持した形。3月以降の右肩下がりのレジスタンスラインに跳ね返された格好にもなり、20日移動平均線(905.8)上抜けの翌日にまたも下抜け。目先910ドルが抵抗水準となり、再度上抜けできれば4月高値圏940ドル台辺りまで上値を伸ばす可能性もあり、3月以降のレジスタンスライン超えも。
ドル円は0.73%のドル安円高となって続落、短期上昇トレンドを終えて調整局面入り。東京市場朝にはトルコリラ急落などもきっかけに売り圧力が強まり、株安とともに110円台前半へ、欧州時間には米朝首脳会談に向けての楽観ムード後退もあって110円を割れて109円50銭台まで急落の展開に。FOMC議事要旨に向けてはタカ派期待もあってか110円30銭台まで反発。しかし、むしろハト派的とも受け止められる内容に12月に今年4回目の利上げ織り込み度合いは51%台から37%台へと大きく後退。今朝の東京市場では再び株安円高の流れとなって109円半ばの節目割れをかけた攻防。この水準を明確に割り込めば107円半ば辺りまで調整幅拡大へ。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場5/23終値とチャート
24日の国内金価格は0.85%の大幅安で5日ぶりの反落。ゆるやかに下降し始めた9-90日移動平均線が集中する抵抗帯を突破することはできずに急反落、4月5日(4897)以来1カ月半ぶりの安値水準となり、下押し圧力再拡大の様相に。円高圧力による下落局面でもあり、予想される目先の下げ幅はそれほど拡大しない可能性も。3月前半までの保ち合い水準4860円台までが下値目安に。4940円台が強めの抵抗水準となり、これを上抜けると5000円前後が次の上値目標にも。
プラチナ価格は3日ぶりの反落で1.5%の大幅安。
短期上値目標3460円近辺到達による一服感からの円高圧力により下げ幅拡大、好転したかに見えた短期トレンドは巻き戻されて中立状態へ。目先3380円台から3470円までのレンジで保ち合い推移が予想され、下限は比較的堅めのサポートになりそうな状況も、割り込んでしまうと2016年安値3330円台も意識される展開にも。切り返して上限突破の場合には3500円台が次の上値目安に。
※参考:
金プラチナ国内価格5/24とチャート
2018年05月24日(木)時点の相場
国内金:4,899 円 5/24(木)
▼42(
0.85%)
国内プラチナ:3,415 円 5/24(木)
▼52(
1.50%)
NY金:1,289.6 ドル 5/23(水)
▼2.4(
0.19%)
NYプラチナ:900.8 ドル 5/23(水)
▼8.0(
0.88%)
ドル円:109.98 円 5/23(水)
▼0.81(
0.73%)
5/23(水)のその他主要マーケット指標
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