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夏休みの惨劇、トルコリラ暴落
更新日:2018年08月11日(土)
トルコリラ暴落、新興国通貨の対ドル騰落率 2018年8月10日お盆期間の高速道路の渋滞回避策として国土交通省は今年、初の試みとして通常土日祝に適用されるETC割引を、この週末に限って土日を平日料金とし、9-10日の平日に前倒しで割引を適用しました。
これを利用しようと、一足早く夏休みに入って帰省や旅行などへと向かう人達を載せた車が多数、高速へとおしかけ、渋滞も前倒しとなったようです。
そんな早めの夏休みに入ったばかりの金曜日、惨劇は起こりました。

日本人しか買わないトルコリラ円は、遂に暴落しました。
多額の対外債務を抱えるトルコの通貨リラはもともと売られやすく、エルドアン大統領の独裁政権となって中央銀行の独立性維持も不安視され、インフレ高騰への対策として利上げが必要な場面でも、利上げに反対する大統領を忖度してトルコ中銀は後手に回る状況となっていました。最近では米国の牧師がトルコ国内で軟禁状態にあることを巡って米国との関係も悪化し、対ドルや対円でのリラ売り圧力は一段と強まり、最安値更新が続いていました。

10日の東京時間にはECBの金融当局がスペインやイタリア、フランスなどの銀行が保有するトルコ関連資産へのリスク懸念を示したことが報じられ、トルコリラの急落とともにユーロなども売り圧力が強まりました。
追い打ちをかけるようにNY市場では、休暇中のはずのトランプ大統領がトルコへの制裁の一環として、鉄鋼・アルミニウム関税を従来の倍となる50%と20%へと引き上げることをツイート。

2弾ロケットのように急落したトルコリラは、ストップロスを巻き込む形で対円では前日の20円付近から一時16円20銭台まで、3.8円(19%)もの暴落。
対ドルでも前日の1ドル=5.54リラ台からこの日は一時6.75リラ台まで、1.21リラ(21.7%)の暴落となりました。

7月末から10日までの対ドル下落率を他の新興国通貨と比較すると、
USDTRY:30.3%のトルコリラ安
USDRUB:8.3%のロシアルーブル安
USDARS:6.6%のアルゼンチンペソ安
USDZAR:6.0%の南アランド安
USDBRL:2.8%のブラジルレアル安
USDINR:0.9%のインドルピー安
わずか10日間で、トルコリラの下落率はプラチナの年初来騰落率-11.2%の約3倍に達しています。

なお、NY金が140ドルの暴落となった2013年4月15日の下落率は-9.34%でした。
ブレグジットが決まった2016年6月24日のポンド円の下落率は-11.35%でした。

波乱の夏休みがスタートしました。

NY金・日足チャート 2018/7/9 - 8/1010日のNY金相場は-0.9ドル、0.07%の小幅続落。東京時間午後には欧州の銀行が保有するトルコ資産へのリスク懸念が報じられたことでトルコリラとともにユーロも急落、これに連れる形でNY金は1週間ぶり安値となる1213ドルまで下落。その後は株式市場も全面安、為替もリスク通貨が急速に売られ、NY市場にかけては1225ドル付近まで反発。それでも20日移動平均線(1225.7)を超えられず、ドル高の流れにも押される形で1220ドル割れへと反落。終わって見れば全面リスク回避の流れとなったなかで、ほぼ前日水準を維持したNY金は安全資産の面目躍如、という見方も。引き続き1200ドル割れを試すリスクも残しつつ、保ち合い上放れへと向かえば1280ドル台を目指す上昇局面形成への可能性も。
週間ベースでは-4.2ドル(0.34%)の小幅反落。

NYプラチナ・日足チャート 2018/7/9 - 8/10NYプラチナ相場は-4.5ドル、0.54%の反落。前日上昇分を吐き出して再び20日移動平均線(829.2)まで逆戻り。荒れる市場をよそに、上下9ドルにも満たない小動きとなって三角保ち合い先端部分をさらに延長。反発に向けた勢いは一段と後退し、下値再トライへの警戒感も徐々に高まる状況にも。20日線がサポートラインへと切り替わり、840ドル超へと抜け出すことができれば大幅上昇局面入りの可能性も。
週間ベースでは-7.3ドル(0.87%)で3週ぶりの反落。

ドル円・日足チャート 2018/7/9 - 8/10ドル円は0.25%のドル安円高となって111円割れへと反落。トルコリラ暴落をきっかけとして新興国通貨や欧州通貨、オセアニア通貨なども売られ、安全通貨のドルと円が買われる展開となってドル円は小動き。米7月コアCPIが前年比+2.4%と予想を上回ったことを受けて111円10銭台まで買われる場面もあったものの、リスク回避の流れが強まったNY市場では円高圧力がドル高を上回って一時1カ月かぶり安値圏となる110円50銭近辺まで下落する場面も。結果的にドルと円の綱引きでは円高優勢となり、日足レベルでも円高方向へと動き始めた可能性も。目先、夏休みシーズン入りの閑散状態を狙った仕掛け的な売りも警戒され、6月末水準109円台後半辺りまでが下値目安に。
週間ベースでは-0.47円(0.42%)となって反落。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/10終値とチャート

2018年08月11日(土)時点の相場
国内金:4,641 円 8/10(金) ▲4(0.09%)
国内プラチナ:3,186 円 8/10(金) ▲9(0.28%)
NY金:1,219.0 ドル 8/10(金) ▼0.9(0.07%)
NYプラチナ:829.6 ドル 8/10(金) ▼4.5(0.54%)
ドル円:110.81 円 8/10(金) ▼0.28(0.25%)
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