消費者信頼感18年ぶり、リッチモンド連銀製造業指数は過去最高
更新日:2018年09月26日(水)
コンファレンスボードが発表した米9月の消費者信頼感指数は市場予想の132.0を大幅に上回る138.4。3カ月連続で上昇し、2000年9月以来18年ぶりの高水準となりました。3カ月連続で市場予想を上回り、うち直近2カ月は6-7ポイントと大きく上回っており、想定以上に貿易摩擦による影響が軽微にとどまっている状態のようです。
消費センチメントを示す指標では、先週発表された
ミシガン大消費者信頼感指数でも9月は半年ぶりの水準へと上昇し、2004年以降では3番目の高水準となっていました。
また、この日発表された9月のリッチモンド連銀製造業指数は29.0となり、過去最高を更新。こちらも5月以降の5カ月連続で市場予想を大幅に上回る結果となっています。
内訳では出荷が33.0、新規受注は34.0といずれも2004年3月(36.0、34.0)以来、14年半ぶりの高水準。
また、賃金指数は33.0となり、これまでの過去最高27.0を大幅に更新。前日発表されたダラス連銀の賃金指数は11年ぶり高水準となった2月と8月の33.4から9月は33.0へと小幅に低下しましたが依然としてこれも高水準を維持しており、9月雇用統計での賃金上昇率への好影響も予想されます。
しかし、9月24日には米国の中国製品2000億ドル相当に10%(来年には25%)の追加関税を賦課する対中制裁関税第3弾が発動され、10月指標からはこれによる消費への影響も懸念されるところです。さらに、中国も600億ドル相当の米国製品に10%の関税を賦課する報復関税を同日に発動しており、このなかにはLNG(液化天然ガス)も含まれます。米国の一大産業となっているエネルギー産業への影響も懸念されることになります。
そして、中国が報復関税を課すなら、中国からの輸入品全てに関税対象を拡大すると言っていたトランプ米大統領が「第4弾」に踏み切る可能性への警戒感も高まります。
貿易戦争激化とその影響への懸念も高まるなか、その影響が拡大する前に中立金利までは利上げをしておきたいFRB、その思惑の一端が明日公開されることになります。
25日のNY金相場はわずかに+0.7ドルの小幅続伸。イタリアの財政赤字がEU規定のGDP比3%以内にとどまる1.9%で予算合意見込みと伝えられてユーロ高ドル安が進行し、連れ高となったNY金の上値は1208ドル付近までと限定的。米9月消費者信頼感指数などの好結果を受けての切り返しでドル高の流れには軟調推移も1200ドル台半ばで下げ渋り。この日の変動値幅はわずかに6.6ドルとなり、2カ月ぶりの小動きで年間平均13.2ドルのちょうど半分。FOMC前の警戒感から動きづらい状況に。FOMC後に保ち合いを放れた場合、その方向にトレンドを形成する可能性が高まり、1260ドル台か、もしくは1150ドル台が当面の目標水準に。
NYプラチナ相場は6.4ドルの下落で3日続落。NY朝には抵抗水準となる830ドル台半ばまで上昇して反落の展開。下値は今年1月高値から8月安値までの23.6%戻し(821.2)の水準にサポートされる形となって下げ渋り。上昇トレンド形成中の適度な調整の範囲内、抵抗水準を上抜けできれば850ドル台が次の上値目標に。しかし、FOMCの結果を受けての金の変動幅が拡大するようだとその方向へと連れる展開にも。下値サポート候補としては50日移動平均線(809.8)、心理的節目となる800ドルの大台ラインなど。
ドル円は10銭ほどの上昇で小幅に4日続伸。1月8日(113.10)以来、8カ月半ぶりのドル高円安水準に。欧州時間のユーロ高主導のドル安の流れでの下押し場面でも112円70銭台までにとどまり、米指標の好結果と米10年債利回り反発の流れで反発。
日米金利差拡大の思惑からのゆるやかな円安基調も続き、今朝の東京市場では113円台にワンタッチ。しかし、8日ぶりの反落スタートとなった日経平均にも連れて上げ渋る状態となって113円手前での攻防状態に。期待感の高まりからFOMC前にも113円台へと水準を切り上げる展開にも。タカ派見通しなどの結果が示されると一段高の展開で今年高値113円台前半を突破して昨年12月高値113円台後半も。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場9/25終値とチャート
26日の国内金価格は+23円、0.49%の反発。ゆるやかな円安基調にサポートされての堅調推移も直近高値を超えられず、FOMC待ちのイベント・ドリブン状態へ。タカ派見通しでドル高の勢いが強まり過ぎると株安や新興国通貨安進行でリスク回避ムードからの円高も想定され、ドル円の上昇よりもNY金の下げ幅拡大も予想されて下げ要因にも。4680円超へと上方向に抜け出せば4月高値から8月安値までの半値戻しとなる4720円台が上値目標に、4650円割れなら4600円割れから9月安値4570円台辺りまでが下値目標にも。
プラチナ価格は+5円、0.16%の小幅反発。過熱感高めの状態を維持したまま、大幅反落への警戒感も高まる状況にも。NYプラチナが800ドル付近まで下げた場合、国内プラチナ価格は3100円近辺まで急反落の可能性も。直近高値を上抜けた場合には3270円台辺りまでが上値目標にも。
※参考:
金プラチナ国内価格9/26とチャート
2018年09月26日(水)時点の相場
国内金:4,674 円 9/26(水)
▲23(
0.49%)
国内プラチナ:3,213 円 9/26(水)
▲5(
0.16%)
NY金:1,205.1 ドル 9/25(火)
▲0.7(
0.06%)
NYプラチナ:822.9 ドル 9/25(火)
▼6.4(
0.77%)
ドル円:112.95 円 9/25(火)
▲0.12(
0.11%)
9/25(火)のその他主要マーケット指標
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