三役好転で短期的には強気相場入りの国内金価格の警戒感
更新日:2018年10月15日(月)
週末、ムニューシン米財務長官が「日本を含むあらゆる国との今後の通商協議で、通貨安誘導を防ぐための為替条項を求めていく」との意向を示す発言が当面の円高圧力として作用する可能性もありそうです。
欧州では、ドイツ全16州のうち2番めの人口を抱えるバイエルン州の議会選挙でメルケル独首相のキリスト教民主同盟(CDU)と統一会派を組む同州の地域政党、キリスト教社会同盟(CSU)が大敗。移民政策を巡る紛糾が結果となって表れ、メルケル政権への打撃となっています。ブレグジット、イタリア予算問題に加え、ドイツの政局不安が加わるようだとユーロ売り要因となりやすく、相対的なドル高がNY金の重石となりそうです。
日足ベースでの国内金価格は上昇トレンドを維持し、一目均衡表では三役好転。短期的には強気相場入り。強いて言えば遅行線が直面する雲の下限が今週、4742円から4717円へと水準を切り下げて目先の抵抗水準となる可能性もありそうです。
週足ベースでは転換線を上回りながらも基準線(4721)に上値を押さえられる状態にあり、二役逆転。弱気相場での回復途上。
月足ベースでは基準線(4793)・転換線(4765)の下に位置し、雲(4638-4752)の中での推移、遅行線は価格ラインとの攻防、一役逆転の二役揉み合い状態。4700円台後半へと水準を切り上げることになれば、長期的な地合いは好転へ。
世界同時株安で900円超の急落となった日経平均が週末には100円超の反発で持ち直しの兆しとなっていたものの、週明けの東京市場では200円超の反落スタートとなったこともあり、112円台前半で下げ止まりの兆しとなっていたドル円も週明けは112円20銭台までのジリ高スタート後に112円近辺へと円高に振れる場面もあり、引き続き株安円高地合い。NY金は時間外で先週末とほぼ同水準の1220ドル台前半もわずかに堅調推移。15日の国内金価格はわずかに+1円と小幅に続伸。先週末急騰後の水準を維持しただけ、の状態。下落基調が止まらない90日移動平均線(4700)を上回る水準を維持し、下からは9-21日移動平均線(4681-4659)がそろって堅調推移で価格を下支え。4730円の攻防ラインが抵抗水準にもなりやすいだけに、突破できた暁には上昇の勢いを強める可能性もあり、次の上値目標は7月高値圏となる4830円台へ。
日足・一目均衡表の転換線(3218)と揉み合っていたプラチナ価格は先週末の急騰でこれを上回り、三役好転。強気相場をなんとか維持する状態。
週足ベースでは転換線(3119)を大きく上回る基準線(3200)を超え、一応一役好転、残り二役は逆転状態、弱気相場からの回復途上。
月足ベースでは、下落基調が続く基準線(3452)を下回る転換線(3344)にも届かず、三役逆転状態の弱気相場でわずかに反発し始めた状態。
プラチナ価格は+5円、0.15%の小幅続伸。週明けのNYプラチナが先週末からわずかに水準を切り上げて840ドル台前半での堅調推移となっていることにサポートされ、短期上昇トレンド失速と調整局面入りへの可能性を先送り、という状態。短期的には最大で6月高値圏3320円台を目指す流れがスタートした可能性もあるものの、そのためには10月高値3258円を超えて勢いが加速する必要。21日移動平均線が90日移動平均線を上抜けつつある3183円から3170円台が強めのサポート水準として作用する可能性もあり、ここを割り込んでしまうと下げ幅拡大となってしまう可能性も。
※参考:
金プラチナ国内価格10/15とチャート
2018年10月15日(月)時点の相場
国内金:4,714 円 10/15(月)
▲1(
0.02%)
国内プラチナ:3,240 円 10/15(月)
▲5(
0.15%)
NY金:1,222.0 ドル 10/12(金)
▼5.6(
0.46%)
NYプラチナ:840.0 ドル 10/12(金)
▼6.6(
0.78%)
ドル円:112.19 円 10/12(金)
▲0.08(
0.07%)
10/12(金)のその他主要マーケット指標
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