ドイツIFO景況感指数も再び低下基調へ
更新日:2018年10月26日(金)
10月のドイツIFO景況感指数は102.8。9月の103.7から低下し、半年ぶりの水準へと急反発した8月の103.9からは2カ月連続の低下。現況指数も期待指数も同様の動きとなって3カ月ぶりの水準へと低下、期待指数は再び節目の100ポイント割れ。
期待指数のピークアウトからスタートした減速局面は7月までで終息したかにも見えましたが、まだ終わっていない可能性もありそうです。
IFOのレポートによれば、グローバルな不確実性がますます高まっていることがドイツ経済への影響を強めている状況。
製造業では期待値が著しく低下し、現在のビジネス状況の評価は、2017年3月以来の最低水準まで低下。受注は引き続き減少し、設備稼働率は0.5ポイント低下して87.1%。
サービス分野では現況評価がかなり低く、事業環境が悪化。対照的に期待値は幾分上昇。
貿易では今月も指数が下落。現況も期待値も評価を縮小。小売業では、卸売業よりもはるかに急激に低下。多くの小売業者は価格引き上げ見通し。
建設業では、景気指数は過去最高を更新。現況評価は高水準となり、対照的に期待値はわずかに縮小。
前日発表されたの製造業PMIの推移とも同様の展開となり、ドイツ連銀は「経済成長が一時的に休止した可能性」を指摘。ドラギECB総裁 も「最近の経済データは予想よりも弱い」ことを認め、「勢いが幾分弱まっていることは承知している」と警戒感も示し、「ブレグジットや米中貿易通商の行き詰まり、イタリアはリスク」であるとしています。
そのいっぽうで、ECBの金融政策については「ベースラインシナリオを修正する段階ではない」と強気姿勢を維持し、「QEの延長に関する議論はしていない」との発言も。
ユーロドルが8月につけた今年安値1.1300ドル台が意識され、これを割り込むとさらに大きく水準を切り下げる可能性も警戒される状況となってきたなかで、ユーロ圏とドイツの製造業PMIは節目の50が、ドイツの景況感指数は節目の100がそれぞれ意識され始める状況にもなってきました。
これらが節目水準へとさらに近づくことになれば警戒感は増し、節目を割り込むようなことがあれば、ECBの政策にも影響が及ぶことになり、米ドルをさらに押し上げてしまうことにもなりかねません。
25日のNY金相場は+1.3ドル、0.11%の小反発。世界同時株安で買われた流れで時間外には1240ドル台前半まで上昇して失速。欧州時間からは巻き戻しの流れとなって1230ドル台半ばへと反落。ECB理事会後のドラギ総裁会見ではリスク要素を意識しながらも基本シナリオに変更がないことが示され、一時的にはユーロ買い。しかし格好の戻り売り局面を形成した形となってユーロドルは2カ月ぶり安値となる1.1350ドル台まで急反落。ドルインデックスも2カ月ぶり高水準へと押し上げられて金も軟調推移の展開に、しかし1230ドル付近では底堅さも。4月高値1369.4ドルから8月安値1167.1ドルまでの38.2%戻し、1244.4ドルが意識されて1240ドルラインがやや強めの抵抗水準となり、反発の勢いは徐々に減速。1220-40ドルの保ち合い水準を上抜けできれば1250ドル台へ、下抜けの場合には1200ドル近辺へ。今晩の米7-9月期GDP速報値は波乱要因にも。
NYプラチナ相場はわずかに0.4ドルの小反発。時間外の830ドル台半ばからNY市場では830ドル近辺へと小幅に軟調推移。ドラギECB総裁会見後には一時820ドル半ばまで売られる場面もあったものの、しっかりと買い戻される底堅さも。NY引け後には再び830ドルをはさんでの揉み合いとなり、820ドルから840ドルまでのレンジ半ばで方向感模索の状態に。1月高値1033.3ドルから8月安値755.7ドルまでの23.6%戻し(821.2)と90日移動平均線(823.2)が強めのサポートを形成する可能性も、割り込めば800ドル割れを試す下落局面形成にも。
ドル円は30銭弱のドル高円安となって3日ぶりの反発。日経平均が800円超下げて7カ月ぶり安値をつける展開となったなかでも東京朝の111円80銭台がこの日の安値となって戻りを試す展開に。欧米株の大幅反発とユーロ売りによるドル高にもサポートされてNY時間には112円70銭付近まで上昇。しかし先週半ば以降、112円後半から113円手前までの水準では上値を押さえられ続けており抵抗感も強まる状況。米第3四半期GDP速報値のポジティブ・サプライズなどがあればドル高の流れが強まる展開にも。抵抗水準を突破できれば上値目標は114円50銭台の今年高値更新トライへ。逆にネガティブ・サプライズとなれば112円のサポートを割り込んで111円近辺までの下値トライの展開にも。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場10/25終値とチャート
26日の国内金価格は+5円、0.11%の小反発。7月高値4830円台を目指した流れは遅々として進まず、徐々に保ち合い推移か、もしくは一定の調整局面を迎えそうな雲行きにも。現状水準を維持する状態が続いた場合、1週間後には90日移動平均線(4683)も下げ止まり、中期的にも中立状態を回復する状況。また、24日につけた直近高値4765円は6月高値4957円から8月安値4458円までの下落幅に対する61.8%戻し(4766)にも相当し、居心地の良い水準に到達した状態との見方も可能か。短期的には堅調優勢の流れはもう少し続きそうな状況だが。
週間ベースでは+29円(0.61%)となり、4月以来半年ぶりの4週続伸。
プラチナ価格は-6円、0.19%の小幅続落。抵抗線となりつつある9-21日移動平均線(3212-6)がゆるやかに下降し始め、90日移動平均線(3162)も下げ止まらず、水準的にも今年1月高値から8月安値までの38.2%戻し(3267)付近となる3258円まで反発して失速した状態。短期的なチャート形状はラウンドトップ、ダブルトップもしくは三尊天井を形成しつつあり、3180円台から10月安値3177円までが重要な節目水準に。これを割り込んだ場合には下げ幅拡大も警戒され、3000円の大台ラインが再び意識されるような展開にも。
週間ベースでは-9円(0.28%)の小幅安で3週続落。
※参考:
金プラチナ国内価格10/26とチャート
2018年10月26日(金)時点の相場
国内金:4,763 円 10/26(金)
▲5(
0.11%)
国内プラチナ:3,188 円 10/26(金)
▼6(
0.19%)
NY金:1,232.4 ドル 10/25(木)
▲1.3(
0.11%)
NYプラチナ:831.9 ドル 10/25(木)
▲0.4(
0.05%)
ドル円:112.35 円 10/25(木)
▲0.26(
0.23%)
10/25(木)のその他主要マーケット指標
米第3四半期GDP速報値上振れでも同時株安は止まらず 10/27(土)底が見えないユーロ圏製造業PMI、米欧に続き日欧も3年ぶり逆転 10/25(木)リッチモンド連銀製造業指数は急減速も6カ月平均では過去最高 10/24(水)シカゴ連銀全米活動指数は12年ぶり好調期を形成も失速の兆し 10/23(火)
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