12月に向けて、金とプラチナは200日移動平均線との攻防へ
更新日:2018年11月26日(月)
臨時開催された25日のEU首脳会議で、英国のEU離脱案が正式承認されました。ユンケルEU委員長は「離脱案を拒否することで、より好条件の合意が得られると考える者は失望するだろう」と英国議会での否決を警戒し、反対派を牽制。
野党・労働党に加え、与党側につく英領北アイルランドの地域政党、民主統一党(DUP)も反対を表明し、与党内部での反対派も相当数程度存在するとみられる現状からは、もし可決することになれば、かなりのポジティブ・サプライズにも。
12月に向けて、メイ首相vs英国議会反対派との激しい攻防が続きそうです。
今週アルゼンチンで開催されるG20では米中首脳会談も行われる模様で、貿易協議進展や米国の対中追加関税のいったん保留の可能性も指摘され、その動向も12月から年末に向けての波乱要因となりそうです。トランプ米大統領と習近平国家主席との覇権争いをかけた攻防の行方にも注目されます。
また、今週は27日のクラリダFRB副議長から始まるFRB高官の講演も多数予定されています。NY連銀ウィリアムズ総裁他、各地区連銀総裁にパウエルFRB議長講演まで、12月FOMC前のブラックアウト期間直前、今後の利上げ見通しなどへの最後のヒントが示されることにもなりそうです。
最近になって若干強まりつつあるようにも見えるハト派寄りへと傾斜していくのか、タカ派姿勢を維持していくのか、12月に向けての市場の流れに最も影響を与えそうなのはやはり、FRBの政策動向におけるハトvsタカの攻防。
国内金価格にとって、12月に向けては200日移動平均線との攻防がポイントになりそうです。
11月5日には4812円まで上昇し、200日移動平均線(4816)にほぼ並ぶ水準に達しましたが、その後はこのラインに上値を押さえられる形となっての軟調推移。足下では8月以降続く上昇トレンドの下値サポートラインに支えられて水準を切り上げる展開となっています。
そして、200日移動平均線とも重なり、4月以降上値を押さえ続けた抵抗線と、下値サポートラインとで構成する三角保ち合いは間もなく、頂点を迎えることになります。
12月に向けて、200日移動平均線(現在4794)を上抜けることになれば、過去20日間の高値ライン(4812)を押し上げて、上昇トレンド継続へと向かうことになります。逆に下値サポートラインを下回ることになった場合、過去20日間の安値ライン(4708)を、8月以降で初めて下方向へと押し下げる可能性が高まり、上昇トレンドに変調をきたすことになります。
3連休明け、26日の国内金価格は-11円、0.23%の反落。ほぼ水平状態の21日移動平均線(4762)を2週間ぶりに上抜けた勢いは続かず、4750-60円を中心として上下に若干ブレながらも横ばい推移が続く状態に。ただし、わずかに上ブレた状態を維持しており、21日移動平均線にサポートされる状態が続けば再度上値トライに向けた流れが強まる可能性も。しかし、4740円を下回るようだと下押し圧力が強まり、4600円割れを試しに行くような流れにも。
国内プラチナ価格も200日移動平均線との攻防が重要となりそうです。11月8日には3397円まで上昇し、その前後含めて7日間、この攻防ラインを上抜けていました。13日にこのラインを下抜けて以降は保ち合い推移の展開となり、8月以降の上昇トレンドを支える下値サポートラインをわずかに割り込みつつあります。
12月に向けて、200日移動平均線(3323)を再度上抜けていくような展開とならなければ、これも三角保ち合いを下方ブレイクする形にもなり、過去20日の安値ライン(3201)を押し下げるような展開も予想されることになります。
26日のプラチナ価格は-23円、0.7%の反落。短期的には下降基調が続く9日移動平均線(3289)が上昇基調の21日移動平均線(3300)を下抜けて上値を押さえる形となる軟調局面。3260円台から3310円までのレンジでの保ち合い推移も続き、下限を割り込むようだと軟調な流れが急加速する可能性、下値目安は9月末安値水準3160円台辺りまで。上限を上回ることができれば流れも変わって上値トライ再開へ、上値目安は11月高値更新トライで3400円台も。
※参考:
金プラチナ国内価格11/26とチャート
2018年11月26日(月)時点の相場
国内金:4,761 円 11/26(月)
▼11(
0.23%)
国内プラチナ:3,274 円 11/26(月)
▼23(
0.70%)
NY金:1,223.2 ドル 11/23(金)
▼4.8(
0.39%)
NYプラチナ:845.0 ドル 11/23(金)
▼5.6(
0.66%)
ドル円:112.97 円 11/23(金)
▲0.03(
0.03%)
11/23(金)のその他主要マーケット指標
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