金プラチナ相場情報
Let's GOLD

★金プラチナ短期相場観★

ユーロ圏インフレ鈍化で来年夏以降の利上げにも黄色信号
更新日:2018年12月01日(土)
ユーロ圏消費者物価指数 HICP 2018年11月EU統計局が発表した11月のユーロ圏消費者物価指数(CPIまたはHICP)速報値は前年同月比+2.0%。2012年12月(+2.2%)以来、5年10カ月ぶり高水準となった10月の+2.2%からは急低下。昨年6月に+2.0%に到達し、6カ月連続で2.0%以上を維持する状態にはありますが、ECBのインフレ目標2%弱に対しては、ほぼ上限付近。
食品やエネルギーなどを除くコアCPIでは前年比+1.0%にとどまり、それほど加熱感はない水準へと減速してきた格好です。

原油価格の高騰とともにインフレ率が上昇してきた流れが、足下の原油価格急落によりインフレ押し上げ要因剥落の兆しとなる状況は米国のインフレ動向とも一致します。

しかし、米国では既にインフレ目標水準に到達し、利上げフェーズも末期を迎えようかという状況に対し、ユーロ圏ではこの年末に量的緩和を終了し、来年夏以降に利上げフェーズ入り?の可能性が指摘される状況。
ECBの前回の利上げフェーズは2011年3月の政策金利1.00%から、2回の利上げで2011年7月に1.50%へ。その4カ月後の2011年11月には利下げフェーズへと移行しました。
2011年3月のインフレ率は前年比+2.7%。インフレのピークは2011年9-11月の+3.0%。

ユーロ圏では景況感などの減速基調が続き、イタリアでは第3四半期GDP改定値が前期比-0.1%となり、4年ぶりのマイナス成長で景気後退局面入りも警戒される状況となってきた現状もあります。

ECBが予定どおり来年後半にかけて利上げをスタートした場合でも、前回の利上げフェーズよりも短命に終わる可能性も想定されそうです。
インフレの伸び悩み状態が続けば、利上げフェーズ入りすら、先送りとなることも考えられます。

NY金・日足チャート 2018/10/26 - 11/3030日のNY金相場は3日ぶりの反落で3.9ドル安。G20と米中首脳会談を控えての様子見状態から、欧州時間からは徐々にドル高の流れが強まり軟調推移。NY市場では米11月シカゴPMIが予想を大幅に上回る66.4となり、11カ月ぶり高水準となったこともありドル買い急進で金も急落。ただし1220ドル割れも一時的にとどまり、引けにかけては1220ドル台を回復して終了。ユーロドルが再び1.13ドルの節目付近まで軟調推移となり、ドルインデックスも97ポイント台へと最近の高値圏へと再浮上し、ドル高の流れも一服から反落へ、あるいは突き抜けてさらに加速かという分岐点に。対中国追加関税先送りなど比較的静かなイベント通過となれば、金消費大国、中国の景気悪化懸念緩和とドル高一服で金は1210ドルの下値を維持して保ち合い推移から堅調方向にも。1210ドルの節目を割れるようだと今年安値圏再トライへと向かう展開も予想され、逆に1230ドルを上抜けることができれば1280ドル台を目標に上値トライの展開にも。
週間ベースでは-3ドル(0.25%)で3週ぶりの反落。月間では+5.2ドル(0.43%)で続伸。

NYプラチナ・日足チャート 2018/10/26 - 11/30NYプラチナ相場は-21.1ドル、2.57%の大幅安となって4日続落。9月14日(798.6)以来、2カ月半ぶりの安値水準に。下げ幅としては8月15日(-29.8ドル、3.72%)の急落以来。短期的な下値目安810ドル台を再度試しに行く流れとともに売り圧力も再燃、金の急落局面なども重なり、NY引けのタイミングでは一時的に800ドルの大台割れ。短期的にはやや行き過ぎの感もある反面、三尊天井をつけての下落局面が続いた場合、最大では760ドル台辺りまでの下落も想定可能となり、今年安値圏再トライであらためて二番底をつけに行く可能性も。
週間ベースでは-45.2ドル(5.35%)で4週続落。8月13日からの週(-52.3ドル、6.3%)以来3カ月ぶりで今年2番めの大幅下落。月間では-43.2ドル(5.12%)で3カ月ぶりの反落。

ドル円・日足チャート 2018/10/29 - 11/30ドル円は15銭ほどのドル高円安となって3日ぶりの反発。東京市場では113円台半ばでの小康状態、欧州時間からは徐々にドル高円安基調となり、シカゴPMIの大幅上振れや株高の流れにもサポートされて一時113円70銭近辺まで上昇。しかしNY終盤には米10年債利回りが2カ月半ぶりに3%割れへと急低下したことで急失速。ドル円では小幅にドル高円安となったものの、他通貨との関係では米中首脳会談への警戒感などもあってかドル高円高となってドル円の値幅も40銭に満たない小動きに。日足レベルでは113円半ばから後半を中心に保ち合い推移の様相となり、114円台へと抜け出すことになれば今年高値更新トライへと向かう可能性もある反面、113円台前半へと円高方向への流れが強まれば112円台半ばまでは下げやすい状況に。
週間ベースでは+0.60円(0.53%)で続伸。月間では+0.61円(0.54%)の反発。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場11/30終値とチャート

2018年12月01日(土)時点の相場
国内金:4,777 円 11/30(金) ▲2(0.04%)
国内プラチナ:3,199 円 11/30(金) ▼35(1.08%)
NY金:1,220.2 ドル 11/30(金) ▼3.9(0.32%)
NYプラチナ:799.8 ドル 11/30(金) ▼21.1(2.57%)
ドル円:113.57 円 11/30(金) ▲0.15(0.13%)
→11/30(金)のその他主要マーケット指標

←米中貿易戦争は休戦合意、中国製造業PMIも節目50割れ回避 12/03(月)
→独・仏は下げ止まりもユーロ圏景況感指数は1年半ぶり低水準 11/30(金)
→2018年第3四半期・世界のプラチナ需給と2018-2019年見通し 11/29(木)
→住宅価格指数はダブルトップ、米住宅市場はピークアウトへ 11/28(水)

→ 最近よく読まれた記事
→ 明日の国内金プラチナ相場価格リアルタイム予想
→ PIVOT指数から見るNY金相場サポート&レジスタンスライン
→ PIVOT指数から見るNYプラチナ相場サポート&レジスタンスライン

トップページへ
金プラチナ短期相場観
金プラチナ価格予想
PIVOT指数
主要マーケット指標
地金相場週間推移
相場情報メール
年間高値安値
国債格付一覧
チャートギャラリー
相関性RANK
トレンドワード
純金積立
マーケットトピックス


★PCサイトはこちら★
★iPhone/スマホ★