賃金上昇率は3カ月連続前年比+3.1％超、年初のドル安金高解消金プラチナ短期相場観 Let's GOLDモバイル

賃金上昇率は3カ月連続前年比+3.1％超、年初のドル安金高解消
更新日：2019年01月05日(土)

ある程度好結果が予想されていた米12月雇用統計では、非農業部門雇用者数（NFP）の伸びが市場予想を大幅に上回り、過去2カ月分も上方修正されました。
賃金上昇率は前年比+3.2％（+3.15％）となって市場予想の3.0％を上回り、10月（+3.17％）と並び9年半ぶりの高水準。10月以降は3カ月連続で前年比+3.1％を超え（11月は+3.13％）、3カ月平均では3カ月連続上昇で+3.15％となり、2009年5月（3.19％）以来、9年7カ月ぶりの高水準となっています。
ただし、急騰し過ぎることもなく、程良い高水準まで上昇しての横ばい推移にもなっています。

また、失業率は11月の3.7％から12月は3.9％となり、5カ月ぶりの水準へと上昇しましたが、労働参加率が62.9％から63.1％へと上昇し、2017年9月（63.1）以来1年3カ月ぶりの高水準となったことが影響した模様。

強いて言えば、失業率3.9％は12カ月移動平均の3.89％を上抜けつつある状態にもなり、過去にはリセッション入りへのサインとなったこの関係性は、次月以降の動向が注目されます。

U6失業率は7.6％で横ばい推移となり、8月の7.4％で底打ちの可能性を示した後の小反発状態が続きます。
長期失業者の割合は20.7％から20.5％へと低下。9年10カ月ぶり低水準となった5月（19.7）以来、半年ぶりの低水準。こちらは低下基調再開が続きます。

米労働市場の好調ぶりを改めて見せつけるような結果となり、米景気減速懸念を払拭するような勢いで前日までのリスクオフムードを一掃、年初のドル安金高の流れも解消し、巻き戻しが進みそうな状況にもなってきました。

NY金・日足チャート 2018/11/28 - 1/4

4日のNY金相場は-9ドル、0.7％安となって3日ぶりの反落。前日急騰となった流れのまま、東京時間には勢いで1300ドルの大台にワンタッチ。6カ月半ぶり高値を更新したことで上値トライ一服となって調整へ。好結果が予想された米12月雇用統計では、さらにその上を行く好結果に米長期金利急騰とドル高の流れとなって1290ドル台前半から1280ドル割れへと急落。しかし、パウエルFRB議長の「利上げとバランスシート縮小には柔軟に対応」発言を受けてドル高の巻き戻しとなり、金は1280ドル半ばへと反発。11月半ばから続く上昇トレンドには一服感も生じ始めており、下値は20日移動平均線（1263.7）辺りまでがサポートの目安となり、調整もそこそこに1300ドル付近へと上値再トライの展開となった場合には6月高値圏1310ドル台までが次の上値目安にも。
週間ベースでは+2.8ドル（0.22％）の小幅高で3週続伸。

NYプラチナ・日足チャート 2018/11/28 - 1/4

NYプラチナ相場は+27.9ドル、3.49％の大幅反発。7月3日（+32.9ドル、4.04％）以来、半年ぶりの大幅高となり、11月27日（835.3）以来の高値水準に。金の1300ドルトライに追随して時間外には一時810ドルまで上昇し、いったんは壁を突破した形に。雇用統計直後の反応は限定的となり、パウエル発言後に勢いが増した株高の流れに追随する形で800ドル付近から820ドル台後半まで大幅急騰。短期的な上値目安820ドル台にいきなり到達したことで目先は上昇一服が予想され、1カ月ぶりに上抜けた90日移動平均線（820.6）辺りまででサポートされるかどうか。
週間ベースでは+37.6ドル、4.76％の大幅反発。10月29日からの週（+41.3ドル、4.95％）以来2カ月ぶり、過去2年で3番目の大幅上昇。

ドル円・日足チャート 2018/11/30 - 1/4

ドル円は80銭超のドル高円安となって6日ぶりの反発。日経平均の下げ渋りとともに買い戻し優勢となった東京時間には一時108円40銭台まで反発。昨年安値から高値の61.8％戻しの節目に当たるこの水準では頭打ちとなって欧州時間には108円をはさんでの保ち合い推移、NY朝には米雇用統計の好結果を受けて108円60銭近辺まで上昇。パウエル発言を受けてのドル安の流れで失速するも株高のリスクオンの流れで円安となり、108円台半ばに収束。週明けもリスクオンの流れが続き、108円半ばの節目水準を超えることができれば50％戻しとなる109円60銭近辺までが次の上値目安に。ただし107円60銭台を再び割り込むような展開となれば106円70銭台辺りまでが下値目安にも。
週間ベースでは-1.74円（1.58％）で3週続落。
※参考：金プラチナ相場とドル円 NY市場1/4終値とチャート

2019年01月05日(土)時点の相場
国内金：4,848 円 12/27(木) ▲35(0.73％)
国内ﾌﾟﾗﾁﾅ：3,056 円 12/27(木) ▲56(1.87％)
NY金：1,285.8 ﾄﾞﾙ 1/4(金) ▼9.0(0.70％)
NYﾌﾟﾗﾁﾅ：827.2 ﾄﾞﾙ 1/4(金) ▲27.9(3.49％)
ﾄﾞﾙ円：108.53 円 1/4(金) ▲0.84(0.78％)

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