米11月製造業受注は2年5カ月ぶりの2カ月連続マイナス
更新日:2019年02月05日(火)
政府機関の一部閉鎖の影響で延期されていた11月の製造業受注が米商務省から発表されました。
結果は前月比+0.3%の市場予想に対して前月比-0.6%。10月の-2.1%に続いての前月比マイナス。2カ月連続で前月比マイナスとなるのは2016年5-6月以来、2年5カ月ぶり。また、3カ月平均では-0.8%となり、2017年7月(-0.2%)以来1年4カ月ぶりのマイナス圏で、2016年2月(-1.3)以来2年9カ月ぶりの低水準。
また、耐久財受注は速報の+0.8%から+0.7%へと下方修正されて3カ月平均では-1.2%となり、2年9カ月ぶり低水準。輸送機器を除く耐久財受注は+0.2%予想に対して-0.4%となり、3カ月平均では-0.17%となって2年7カ月ぶり低水準。
民間設備投資の先行指標とされる、非国防資本財から航空機を除いたコア受注は-0.6%。3カ月平均では-0.2%となって2年ぶりの低水準。
軒並み低調な結果となり、先週末から続いていたドル買いと金利上昇の流れは頭打ちとなり、軟調推移となっていた金が下げ渋るきっかけとなりました。
政府機関の一部閉鎖がなければ1カ月前に発表され、年初のリスク回避局面を増幅させることになっていたかもしれません。
今回、政府機関再開に向けて合意したつなぎ予算が失効する2月15日まであと10日。
国境の壁建設予算を巡る交渉が決裂となるようなら、政府機関の再閉鎖、もしくはトランプ大統領による国家非常事態宣言の可能性もあり、米政局リスクと財政リスク再燃にもつながりかねません。
雇用統計を機に市場に漂い始めたリスク選好ムードも一変し、再び緊張感が高まる可能性もありそうです。
4日のNY金相場は-2.8ドル、0.21%の小幅続落。1320ドル台前半でスタートした週明け時間外から、先週末の雇用統計以降の流れが継続する形となって軟調推移。ドル高と金利上昇の流れが続き、
米10年債利回りが1月の保ち合い水準2.7%台を回復したNY朝に金は1310ドル台前半まで下落。しかし、米11月製造業受注の下振れを受けて流れがストップ。下げ渋った金は若干の反発も1320ドルを回復できずに失速、先週末からの流れが反転するまでには至らず、NY引け後には1310ドル台半ばへ。1月後半からの短期上昇トレンドは1331.1ドルをピークにいったん区切りをつけた可能性。目先、保ち合いから調整局面となりやすく、下値サポート候補は1300ドルの大台ライン前後まで。切り返して1320ドル後半から1330ドルの高値水準を突破できれば延長戦、上値トライ再開で1340ドル台までが次の上値目安にも。
NYプラチナ相場は-3.9ドル、0.47%安となって5日ぶりの反落。軟調推移の展開でNY朝には810ドル台半ばまで下落も、その後の反発局面では一時820ドル台半ばまで上昇。NY引け後にも820ドル台を維持する底堅さも。先週末の雇用統計後につけた高値835ドルで短期上値目標到達となり、金と同様に1月末からの上昇局面にも一服感。ただし、調整幅としては限定的にとどまり、再度830ドル台を試すような勢いもありか。1月7日高値836.5ドルと2月1日高値835ドルでダブルトップをつけた形にもなっており、調整局面拡大となる前にこれを崩しておきたいところだが。目先、堅調維持のためには20日移動平均線(813.6)がサポート候補に。
ドル円は40銭弱のドル高円安となって続伸。今年高値を更新し、12月28日(110.27)以来のドル高円安水準。先週末からのドル高円安基調を維持し、東京時間からNY朝まではゆるやかに水準を切り上げる展開に。予想外の低下となった米製造業受注の発表前には110円10銭台まで上昇、その後の反落局面でも109円80銭台では底堅く、今朝の東京市場でも再度110円ラインとの攻防へ。米長期金利の上昇とドル高優勢の流れ、株安に連動しやすい状態にある円安基調にもサポートされ、109円80銭の節目を突破したことで、短期的にはドル高円安がもう一段進行しやすい状況に。当面の上値目標は12月末高値水準、111円台前半まで。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場2/4終値とチャート
5日の国内金価格は前日から変わらず、昨年6月15日(4957)以来7カ月半ぶり高値水準での横ばい推移。NY金の調整幅が限定的にとどまり、円安進行によって下げ渋り。目先、NY金の調整がそれほど進まない状態が続くようなら高止まり状態が続く可能性も。過熱感緩和に向けて水準を切り下げるのではなく、時間で解決する方法もありか。しかし、確率的には相応の調整進行の可能性は高く、4900円の大台前後から9日移動平均線(4905)辺りまでが目安・・・はやや浅め。
プラチナ価格はわずかに+1円、0.03%の小幅高で3日続伸。12月14日(3123)以来、1カ月半ぶり高値水準で今年高値更新もほぼ横ばい推移となり、短期上値目安3120円台手前で一服状態に。NYプラチナの下げ渋りによってもう一段上値を伸ばす可能性も残される一方で、調整幅拡大となれば国内価格にも下値警戒感も。現状ではまだ確率は低そうだが3060円のサポートを割り込むようだと3000円の大台ライン前後までが次の下値目安にも。
※参考:
金プラチナ国内価格2/5とチャート
2019年02月05日(火)時点の相場
国内金:4,951 円 2/5(火) +-0(0.00%)
国内プラチナ:3,113 円 2/5(火)
▲1(
0.03%)
NY金:1,319.3 ドル 2/4(月)
▼2.8(
0.21%)
NYプラチナ:822.8 ドル 2/4(月)
▼3.9(
0.47%)
ドル円:109.87 円 2/4(月)
▲0.37(
0.34%)
2/4(月)のその他主要マーケット指標
米ISM非製造業景況指数は半年ぶり、ユーロ圏は4年ぶり低水準 02/06(水)国内金価格6日続伸以上の8割は1月から3月まで 02/04(月)賃金上昇率は6カ月連続3%台、米労働市場の力強さ 02/02(土)ロシアなど中銀の大幅買い越しで2018年世界の金需要は4.5%増 02/01(金)
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