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離職率と賃金格差のピークアウトが賃金上昇率の抑制要因に
更新日:2019年05月08日(水)
離職率と転職者の賃金上昇率 2019年3月米労働省が発表した月次求人労働異動調査で3月の求人数は748.8万件となり、市場予想を上回る好結果。これで求人数と失業者数(3月:621.1万人)との差は127.7万件、4カ月ぶりの大幅乖離となり、求人数が失業者数を上回る状態は13カ月連続となっています。
労働需給逼迫状態が続き、賃金上昇圧力となるべきところが、最近は賃金上昇率が伸び悩み状態となっています。

月次求人労働異動調査での3月の離職率は2.3%。昨年6月に2005年9月(2.3%)以来、12年9カ月ぶり高水準となって以降、10カ月連続で2.3%の横ばい推移が続いています。歴史的高水準を回復し、ピークアウトの可能性も示す状態にもなってきているようです。

アトランタ連銀が発表する賃金上昇トラッカー(個人時給の中央値前年比の3カ月平均)によると、転職者の賃金上昇率は3月に4.1%。1月に4.6%まで上昇し、2007年10月(4.7)以来、11年3カ月ぶり高水準となって以降は急低下。
非転職者の賃金上昇率は3.2%となり、2月の3.1%からは小幅上昇も、2008年11月(3.9%)以来10年ぶり高水準となった昨年11月の3.9%から低下傾向が続きます。

この結果、転職者と非転職者との賃金格差は3月時点で0.9%。
賃金格差は2016年7月に1.5%となり、過去最大となった2001年8月(1.8)以来14年11カ月ぶり高水準。これ以降は何度か1.5%まで拡大も2018年2月を最後に縮小傾向となっています。転職者と非転職者との賃金格差も歴史的高水準まで拡大した後、ピークアウト状態となっている可能性もありそうです。

転職市場の飽和状態が企業ニーズと転職者のスキルとのアンマッチとなり、人材不足が転職者の賃金上昇を抑制している面もあるのかもしれません。
全体の賃金上昇率加速を牽引してきた転職者の賃金上昇率が伸び悩み、離職率と賃金格差がいずれもピークアウトの可能性を示す状態となってきていることが、最近の賃金上昇率の伸び悩み要因の一つとなっているようです。

NY金・日足チャート 2019/4/2 - 5/77日のNY金相場は+1.8ドル、0.14%の小幅高で3日続伸。米中貿易摩擦激化への警戒感が高まり、VIX指数は1月以来3カ月半ぶり高水準へと跳ね上がり、日米欧の主要株価指数は軒並み1%台後半の下落率となって1カ月前後ぶりの水準に。リスク回避の金買い優勢の展開も勢いはそれほど強まらず、前日安値を下回らず、前日高値も超えられず、1280ドル台での小幅揉み合い状態に。ゆるやかに低下する20日移動平均線(1285.2)も引き続き抵抗線に。これを超えて1290ドルの節目も突破することができれば上値トライ再開となり、4月高値1310ドル台までが上値目標に。

NYプラチナ・日足チャート 2019/4/2 - 5/7NYプラチナは-7.5ドル、0.85%安で3日ぶりの反落。時間外には880ドル台後半まで上昇も、890.4ドルまで低下してきた20日移動平均線も意識されて頭打ち、欧州株の大幅安に連れる形で急反落すると880ドル割れ、NY市場では揉み合いながらも870ドル前半へと一段安に。短期下落トレンド脱却に向けたトライはいったん小休止、目先は880ドルから20日移動平均線までが抵抗水準となり、これらを突破できれば900ドルの大台再トライに向けた流れにも。下方向には850ドルが節目となり、割れると3月末安値830ドル台までが次の下値目安に。

ドル円・日足チャート 2019/4/3 - 5/7ドル円は50銭弱のドル安円高となって3日続落、3月25日(110.04)以来、1カ月半ぶりの安値水準に。米中協議への不透明感からリスク回避の円高ドル安の流れが進行、世界同時株安状態と米10年差利回りの低下基調も重石に。前日の急落後に大きく戻したことでサポートラインとなる可能性もあった90日移動平均線(110.57)も大きく割り込み、今朝の東京市場では日経平均の大幅続落スタートにも連れて110円割れを試しに行くような場面も。米中貿易摩擦激化懸念が解消されない限りは軟調な流れが続きやすく、108円台半ばまでが当面の下値目標に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場5/7終値とチャート

8日の国内金価格は-16円、0.33%安となって3日続落、1月25日(4836)以来3カ月半ぶりの安値水準に。株安円高の流れが強まり、リスク回避の金買いが限定的にとどまる現状ではカバーし切れず、4890円台の節目割れ。1月末の急騰前水準4820円台を下値目安に軟調局面がもう一段進行しやすい状況に。なお、行き過ぎの場合にはゆるやかに上昇する200日移動平均線(4802)がサポート候補にも。

プラチナ価格は-69円、2.05%の大幅安で6営業日続落。6日続落は12月以来、5カ月ぶり。下落率2%超は4月10日(-78円、2.26%)以来で今年3回目、3番目の大幅下落。3400円の中長期節目水準を割り込んだことで下押し圧力が強まった形となり、当面の主要レンジが3000-3400円に押し戻された可能性も。目先は短期下値目安3280円近辺までもう少しの下落余地も。
※参考:金プラチナ国内価格5/8とチャート

2019年05月08日(水)時点の相場
国内金:4,883 円 5/8(水) ▼16(0.33%)
国内プラチナ:3,304 円 5/8(水) ▼69(2.05%)
NY金:1,285.6 ドル 5/7(火) ▲1.8(0.14%)
NYプラチナ:873.4 ドル 5/7(火) ▼7.5(0.85%)
ドル円:110.26 円 5/7(火) ▼0.46(0.42%)
→5/7(火)のその他主要マーケット指標

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→ユーロ圏景気回復へ、イタリアへの警戒感も 05/07(火)
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→世界の金需要-2019年第1四半期 05/03(金)

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