フィラデルフィアもNY連銀に追随、5月製造業景況感は反発も
更新日:2019年05月17日(金)
5月のフィラデルフィア連銀製造業景況指数は16.6。市場予想の9.0を大きく上回り、4月の8.5からも大幅上昇、1月(17.0)以来4カ月ぶりの高水準。
2年9カ月ぶり低水準となった2月の-4.1がボトムとなって反発基調を強め、
前日のNY連銀に追随する形にもなりました。
大きな流れで見れば方向性は一致しているものの、短期的な上下動ではしばしば逆行するNYとフィラデルフィアの景況感も、今回ばかりは同水準で同じような好結果となったようです。
フィラデルフィア連銀の構成指数では、出荷が1年4カ月ぶり高水準へと反発も新規受注は低下。受注残は4月からは上昇も3カ月連続で5ポイントに満たない低水準にとどまります。
向こう半年の見通しを示す期待指数は3年2カ月ぶり低水準となった4月の19.1から5月は19.7へとわずかに上昇。下げ止まっただけ、の状態にも見えます。
また、受注残の見通し指数は-10.6となり、2008年11月(-13.3)以来、10年半ぶり低水準となっています。
米中貿易摩擦激化への警戒感も影響しているのか、NY連銀とは対照的に、今後の見通しは決して明るくはないことを示す状況にもなっています。
インフレ指標では、仕入れ価格が1年8カ月ぶり低水準となった3月からは2カ月連続で小幅上昇、販売価格は1年5カ月ぶりの低水準。
仕入れ価格の見通し指数は2年11カ月ぶり低水準となった4月からは大幅上昇、販売価格見通しも2年2カ月ぶり低水準となった4月からは大きく上昇し、5カ月ぶりの高水準。
関税による物価上昇を見込んでか、低インフレはいつまでも続かないとの思惑も見え隠れ、インフレ加速への警戒感もNY連銀とは対照的となったようです。
16日のNY金相場は-11.6ドル、0.89%の大幅反落で1週間ぶりの安値水準。米政府による華為技術(ファーウェイ)への禁輸措置、同社製品の使用規制に伴う米中摩擦激化への警戒感からのリスクオフムードは限定的に。時間外には1300ドル再トライも水平状態に移行してきた90日移動平均線(1299.5)に上値を押さえられて反落。NY朝には米5月フィラデルフィア連銀製造業景況指数と4月住宅着工件数、失業保険申請件数がいずれも予想よりも好結果となり、ドル高と長期金利の反発基調加速に伴い1290ドル割れへと一段安。上値目標1310ドル台に対しては14日高値1304.2ドルまでにとどまり、90日移動平均線など複数のテクニカルな抵抗線と1300ドルの大台ラインも若干意識されての巻き戻し。1300ドルが当面の抵抗水準となる可能性も残し、1270ドルのサポート水準までが目先の主要レンジに。20日移動平均線(1284.2)にいったん下値を支えられた形にもなっており、上値再トライで1300ドル台をしっかり回復できれば3月高値1320ドル近辺までが次の上値目標にも。
NYプラチナは-14.1ドル、1.66%の大幅続落。3月15日(831.8)以来、2カ月ぶりの安値水準に。ゆるやかに上昇を続ける90日移動平均線(846.7)にサポートされて下げ渋った時間外には850ドル台を試す場面も一時的にとどまり、NY朝には金の下落にも連れて戻り売り、2カ月ぶりに90日線を下抜けた勢いで840ドル割れへと一段安。90日線がサポートからレジスタンスに切り替わった可能性もあり、下値目標820ドル近辺に向けた流れが進行。ほぼ水平状態の200日移動平均線(831.2)にいったんは下値を支えられた状態も。
ドル円は30銭のドル高円安へと反発。ファーウェイへの措置を嫌気しての株安基調にも連れ、軟調推移となった東京・欧州時間には109円30銭台の安値を2度つけて反発。109円60銭近辺まで戻したところでNY朝には一連の米指標好結果を受けて株高・円安と金利上昇・ドル高の流れが加速、3日間上値を押さえられてきた109円70-80銭の水準を突破。しかしNYダウが26000ドル寸前で失速し、米10年債利回りが2.4%を維持できずに反落するとともにドル円も110円手前で失速。ただし、円高圧力は緩和されつつある様子もあり、4月後半から3週間続いた円高トレンドは109円で底打ちした可能性も。110円を回復できれば90日移動平均線(110.67)近辺までは上値を伸ばす可能性も。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場5/16終値とチャート
17日の国内金価格は-20円、0.41%安となって3日続落。9日移動平均線(4882)を再び下抜けたことにより、価格ラインの上に90日までの移動平均線が下から昇順に並ぶ、下向きのパーフェクトオーダーを完成。短期トレンド好転向けたトライに失敗した可能性も高まる状態にも。ただし、上昇基調を維持する200日移動平均線(4805)を大きく上回る水準にあり、下押し圧力もそれほど強くはない状態のようにも。重要なサポート水準4860円を割り込むようだと下値模索の展開も想定され、4780円近辺までが当面の下値目安にも。
週間ベースでは+4円、0.08%の小幅反発。
プラチナ価格は-41円、1.28%の大幅安となり、13営業日続落。過去10年での続落最長記録を2日連続更新。前日の90日移動平均線下抜けに続き、200日移動平均線(3182)も下抜け。RSIは2.8となり、2011年9月29日の3.6を下回り、少なくとも過去10年では最低水準。一方的な売られ過ぎ状態と、時間外のNYプラチナが一時820ドル台を試す場面もあり、そろそろセリング・クライマックスにも。
週間ベースでは-99円、3.05%安となり3週続落。
※参考:
金プラチナ国内価格5/17とチャート
2019年05月17日(金)時点の相場
国内金:4,869 円 5/17(金)
▼20(
0.41%)
国内プラチナ:3,152 円 5/17(金)
▼41(
1.28%)
NY金:1,286.2 ドル 5/16(木)
▼11.6(
0.89%)
NYプラチナ:833.6 ドル 5/16(木)
▼14.1(
1.66%)
ドル円:109.86 円 5/16(木)
▲0.30(
0.27%)
5/16(木)のその他主要マーケット指標
ミシガン大消費者信頼感指数は15年ぶり高水準も 05/18(土)NY連銀製造業景況指数は底入れの可能性も※インフレ指標を除く 05/16(木)米4月中小企業楽観指数は3カ月連続の改善、見通しも改善も 05/15(水)世界のプラチナ需給-2019年第1四半期 05/14(火)
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