シカゴ連銀全米活動指数、3カ月平均のマイナス幅拡大へ
更新日:2019年05月21日(火)
4月のシカゴ連銀全米活動指数は-0.45。市場予想の-0.2を下回り、-0.15から+0.05へと上方修正された3月からは急落、1月の-0.21、2月の-0.57に続き、今年4カ月間のうち3度めのマイナス圏。米国の経済活動が過去の平均を示すゼロラインを下回る状態が優勢となっています。
構成指数では生産・所得指数の低迷状態が続き、直近4カ月連続のマイナス圏推移で4月は-0.44、昨年5月(-0.58)以来11カ月ぶり低水準となっています。
-0.7を下回るとリセッション入りの可能性を示唆する3カ月平均は-0.32。リセッションラインのマイナス幅の半分以下にとどまり、警戒すべき水準には至ってはいません。
ただし、3カ月連続のマイナス圏推移となり、2016年5月(-0.40)以来、2年11カ月ぶりの低水準となっています。
3カ月平均のピークは、ほぼ8年ぶり高水準となった昨年4月の+0.47。8月にも0.40の高水準を記録して以降、米10年債利回り(月間平均)とともに低下基調が続いています。
また、最後のリセッションから抜け出して以降の3カ月平均のボトム水準は-0.4から-0.5ポイント。現状はこのボトムに迫る水準まで低下してきました。
6カ月連続低下中の米10年債利回りの4月の月間平均は2.53%。5月の月間平均は現時点で2.45%。7カ月続落も濃厚な状態にもなっています。
そして、5月に入って米中貿易摩擦激化への警戒感が増大し、ファーウェイ禁輸措置の余波も拡大の気配。
米国の対中関税第4弾の対象リストに含まれる米国企業の関税反対の動きは急速に広まり、大統領宛の公開書簡への署名企業は173社にも上っているようです。
ファーウェイへの部品供給停止は半導体株の売りを誘発し、米株下落につながっています。
シカゴ連銀全米活動指数の3カ月平均のマイナス幅は、5月以降にも、もう一段拡大しそうな状況です。
20日のNY金相場は+1.6ドル、0.13%の小幅高で3日ぶりの反発。米国のファーウェイ禁輸措置の影響から米ハイテク株の下げを主導にナスダックが大幅続落となり、中国側も「ファーウェイとの取引を停止した企業とは、取引を控える可能性」と報復措置声明を発表するなど、米中貿易戦争エスカレートへの警戒感も続く週明け。ユーロドルの4日ぶり反発基調に伴う若干のドル安にも下支えされたNY金は1270ドル台半ばで下げ渋り。この日の変動値幅はわずかに5.5ドルと今年最小、昨年12月以来5カ月ぶり、変動率0.43%は昨年6月22日(4.7ドル、0.37%)以来、11カ月ぶりの小動き。ドル高が限定的となり、1270ドルのサポート水準付近では底堅さも見られるものの、2.3%台で下げ渋った
米10年債利回りが2.4%台を回復していることが上値の重石にも。1270ドルを割れると1240ドル近辺を目安に一段安の展開にも。
NYプラチナは-6.1ドル、0.74%安となって4日続落。2月15日(806.9)以来、3カ月ぶりの安値水準。短期
下値目安820ドル台到達に伴い、時間外には反発の動きも下抜けたばかりの200日移動平均線(831.1)も意識され、830ドル手前で失速。再び戻り売り圧力に押されてNY朝には820ドル割れ、一時811ドルまで下落して3月安値(809.6)にもほぼ到達。今年安値から高値までの76.4%戻し(813.8)も達成し、この水準で下げ止まらないようだと800ドルの大台ラインが次の攻防水準にも。
ドル円は先週末からほぼ横ばい推移。東京時間には国内1-3月期GDP速報値の上振れを受けた株高・円安の流れで110円30銭台まで上昇。しかし、依然として戻り売り圧力も強く、この水準がこの日の高値となり、欧州時間にかけては109円80銭台まで下押し。ファーウェイを巡る制裁措置の応酬への警戒感もリスクオフ要因に。しかし、日々下値も上値も切り上げる流れも続き、NY時間には株価の反発と米10年債利回りの上昇にも連れて110円を回復。目先は110円台半ばまでもう一段上値を試す余地も。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場5/20終値とチャート
21日の国内金価格は-9円、0.19%安となって5日続落。1月25日(4836)以来4カ月ぶり安値水準での軟調推移が継続。5日続落以上は4月半ば以来、1カ月ぶりで今年2度め。NY金の上値が限定的となるなかで米中対立に伴うリスクオフムードが強まりやすい状況も下押し圧力に。平行状態でそろって下落する9-21日移動平均線(4872-4900)が抵抗線となり、下値目安4780円台を目指す流れが進行中。
プラチナ価格は-38円、1.22%の大幅安となって15営業日続落。過去10年での続落最長記録を4日連続更新。売られ過ぎMAX状態を示すRSI=0%が2日連続、もはや貴重なレアケース。
第1四半期に過去最大の買い越しとなったプラチナETFの大幅売り越しへと巻き戻しの展開が進行しているものと推測され、相当数の売りは吐き出された状態にも。ただし米中対立にともなう中国景気減速への警戒感やリスクオフの円高リスクも下押し圧力として残存。今年安値から高値までの76.4%戻し(3104)を下抜けたことで、次なるサポート候補は3000円の大台ライン。
※参考:
金プラチナ国内価格5/21とチャート
2019年05月21日(火)時点の相場
国内金:4,843 円 5/21(火)
▼9(
0.19%)
国内プラチナ:3,085 円 5/21(火)
▼38(
1.22%)
NY金:1,277.3 ドル 5/20(月)
▲1.6(
0.13%)
NYプラチナ:814.2 ドル 5/20(月)
▼6.1(
0.74%)
ドル円:110.06 円 5/20(月)
▼0.02(
0.02%)
5/20(月)のその他主要マーケット指標
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