下げ渋り続くユーロ圏製造業PMI、しかし反発には時間も
更新日:2019年06月22日(土)
ユーロ圏のサービス業PMI(53.4)と総合PMI(52.1)は6月速報値で、いずれも2カ月連続上昇となり、7カ月ぶりの高水準。
製造業PMIは47.8となり、市場予想を若干下回るも5月からは0.1ポイントの上昇。5カ月連続で節目50割れの低迷状態は続くも、3月の47.5を下回らず、下げ渋る状態も続きます。
そして、サービス部門の成長が製造業の低迷を相殺する構図も継続中。
製造業の生産指数は5カ月連続の低下となり、サービス業での受注残高は4カ月で最大の伸びを示したのに対し、製造業の受注残は大幅減少が続く状況。
インフレ圧力も緩やかなまま。
商品とサービスの輸出受注は減少したものの、下落幅はやや緩やかに。
楽観見通しは2014年後半以降最低水準に低下しており、今後数カ月間は成長が鈍いままであることを示唆。
ユーロ圏の製造業PMIが6年ぶり低水準での横ばい推移から反発へと向かうには、もう少し時間がかかりそうな様子です。
なお、フランスの製造業PMIは5月の50.6から6月速報値では52.0へと2カ月連続上昇、ドイツも44.3から45.4へ、低水準ながらも1ポイント超の大幅上昇。
ユーロ圏製造業PMIの減速基調を牽引してきたドイツの下げが一服し、フランスも堅調推移となり、減速の牽引役も独仏から周辺国へと移りつつあるようです。
また、米国の製造業PMIも6月速報値では50.1。5月の50.5からさらに低下し、9年9カ月ぶりの低水準となって節目50割れ寸前の状態に。
ユーロ圏の減速基調は下げ止まりの兆しを見せてはいますが、米国の減速基調はまだ、下げ止まりを確認できません。
21日のNY金相場は+3.2ドル、0.23%の続伸。2013年9月3日(1412.0)以来、5年9カ月半ぶり高値水準での一段高で1400ドル台に到達。時間外につけた高値1415.4ドルも2013年9月3日(1416.4)以来5年9カ月半ぶりの高値。米長期金利低下とドル安の流れが強まった東京午前の時間帯に1400ドルの大台を超えるとさらに15ドル程の急騰。さすがに達成感もあり、週末というタイミングからも反落の流れは加速しやすく夕方には1390ドル割れ。しかし、欧州・NY市場にかけてはドル安のサポートも受けて反発、1400ドルをはさんでの揉み合い状態に。米国とイランとの軍事的緊張の高まりなども下値を支えた様子。
1340ドル台まで急騰した6月7日のRSIは87%に対し、前日の急騰では83.9%と頭打ち。5月末安値から1415.4ドルまでの23.6%戻し(1380.4)辺りまでの調整はすぐにでも入りやすそうで、その次のサポート候補としては38.2%戻し(1358.8)、昨年8月安値からここまでの23.6%戻し(1356.8)などが重なる1350ドル台辺りまで。
週間では+55.6ドル、4.14%の大幅反発。上昇率は2016年4月25日からの週(+60.5ドル、4.92%)以来、3年2カ月ぶりの大幅高。
NYプラチナは+5.4ドル、0.67%の反発。時間外に金の一段高に連れた場面での上値は814ドル台まで、上方向への節目が抵抗水準となり、NY市場にかけての軟調推移では一時800ドル割れも、NY午後には810ドル付近に戻して終了。底入れ、反発の兆しとなってきた20日移動平均線(804.8)にサポートされ、二番底からの反発局面形成をかけた攻防は次週へ持ち越し。
週間では+6.3ドル、0.78%の反発。
ドル円は前日から変わらず、107円30銭台での横ばい推移。東京時間午前には米10年債利回り低下とともに前日安値を下回り、1月3日のフラッシュ・クラッシュ以来5カ月半ぶり安値となる107円00銭台まで下落。しかし、この水準では押し目買い圧力も強く、短期的な下値目安107円近辺到達とともに下げ渋りの様子。NY時間には5月中古住宅販売件数が市場予想を上回り、3カ月ぶりの水準へと増加したことも好感され、米株上昇にも連れて一時107円70銭台まで上昇。しかしその後は週末の調整局面となり、株安にも連れて107円30銭台へ。目先は107円台が主要レンジにも、108円台半ばが当面の抵抗水準となり、これを上抜けると局面が変わる可能性もあり、109円台後半へと一段高の展開にも。
週間では-1.25円、1.15%の反落。下げ幅は3月18日からの週(-1.55円、1.39%)以来3カ月ぶりの大幅安。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場6/21終値とチャート
2019年06月22日(土)時点の相場
国内金:5,135 円 6/21(金)
▲89(
1.76%)
国内プラチナ:3,006 円 6/21(金)
▼18(
0.60%)
NY金:1,400.1 ドル 6/21(金)
▲3.2(
0.23%)
NYプラチナ:811.0 ドル 6/21(金)
▲5.4(
0.67%)
ドル円:107.31 円 6/21(金) +-0.00(0.00%)
6/21(金)のその他主要マーケット指標
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