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逆イールドは2年債と10年債も、2007年以来でリセッション懸念
更新日:2019年08月15日(木)
米10年債と2年債も逆イールドに 2019年8月14日14日、米国の30年債利回りは2.07%台まで低下して過去最低水準を更新。10年債利回りは前日の1.70%台から1.57%台へと低下、1.58%台までの低下にとどまる2年債利回りを下回り、2007年6月以来、12年2カ月ぶりとなる「逆イールド」現象が発生。

10年債と3カ月債との関係では、ことし3月に11年ぶりに逆イールドが発生し、5月以降は常態化しており、これに続く長短金利差逆転でリセッション入り警戒サイン。
また、この日は英国債でも10年債利回りが0.45%割れへと低下し、2年債利回りの0.48%を下回って逆イールドに。

米中貿易戦争激化が経済成長に及ぼす影響への懸念が続くなか、米英での逆イールドが発生したこの日は中国の7月鉱工業生産が前年同月比+4.8%と、17年ぶりの低い伸びにとどまり、輸出不振に陥るドイツでは第2四半期GDPが前期比-0.1%となって2018年第3四半期に続いて3四半期ぶりのマイナス成長。ユーロ圏の鉱工業生産も3年余りで最大の落ち込みとなり、世界の主要国に拡散する景気減速懸念と景気後退への警戒感が米英逆イールドを誘発した格好にもなったようです。

FF金利を米10年債利回りが下回る状態が続き、10年債と2年債との逆イールドが発生すると1-2年後にはリセンション入りとなってきた歴史を繰り返すのでは、との警戒感は高まります。
逆イールドを「クレイジー」としたトランプ大統領はその原因を「利上げを急ぎ過ぎたFRB」にあると相変わらずの批判。ナバロ米大統領補佐官も「FRBは一刻も早く50bpの利下げを行うべき」との発言。

FRBの独立を脅かす発言を批判していたイエレン前FRB議長は、今回の逆イールドについては「有力なシグナルではない可能性がある」との発言も。「米経済にはリセッション入りを回避するのに十分な力強さも」あるとし、リセッション入りへの可能性は小さいとの見方も。
ただし、その「可能性が高まりつつある」ことを否定はできないとの警告も。

NYダウは前日の1.48%の大幅反発から一転、この日は800ドル超、3%超もの大幅反落となり、世界同時株安となった昨年10月10日以来の下げ幅となり、安全資産需要から金価格の高止まり状態も続きます。

NY金・日足チャート 2019/7/11 - 8/1414日のNY金相場は+13.7ドル、0.9%の反発。逆イールドへの警戒感が強まったロンドン・NY市場にかけて水準を切り上げる展開に。リスク回避の金利低下と株安、円高ドル高の流れとなってNY金は1510ドル付近の保ち合いから上放れて1520ドル台後半へ、NY午後には一時1535ドル付近まで上昇。終値ベースでは2013年4月11日(1564.9)以来、6年4カ月ぶり高値となり、抵抗水準となりつつあった1520ドルの節目も突破。上値目安となる1530ドル台にもしっかり到達、前日の急騰局面でつけた最高値では1540ドル台半ばまで上昇しており、短期的に到達可能な水準には既に達した状態のようにも。目先は上値再トライでも1540ドル前後まで、1500ドルの大台ラインを下値サポートに足場固めも必要に。1500ドル割れの際には1480ドル付近までが調整目安。

NYプラチナ・日足チャート 2019/7/11 - 8/14NYプラチナは-11.7ドル、1.36%の大幅安となって5日続落。5日続落は3月以来、5カ月ぶりで今年2度め。欧州時間には金の急騰に追随も小幅高にとどまって860ドル手前まで、NY市場ではリスク回避の株安の流れに引っ張られる形となって850ドル割れへと戻り売り。7月17日(847.1)以来、1カ月ぶり安値水準となり、節目の850ドルを割り込んだことでさらに一段安の可能性も。90日移動平均線(846.6)にサポートされなければ830ドル付近までが目先の下値目安に。
金との価格差は12日の653.5ドル、13日の654.4ドル、そしてこの日は679.8ドルへとさらに急拡大となって3日連続過去最大を更新。

ドル円・日足チャート 2019/7/11 - 8/14ドル円は80銭強のドル安円高となって大幅反落。対中関税第4弾の一部先送り発表を受けて前日NY時間に107円ちょうど付近まで急騰したのが戻りのピークとなり、戻り売り再燃。逆イールド懸念から欧州時間以降に売り圧力が強まると106円割れ、NY時間には105円60銭台まで下げてようやく下げ渋る形に。前日の大幅反発の61%を打ち消す形となり、106円台後半を維持することはできず上値トライへの可能性も大きく後退。目先、戻り売り優勢の状態で上方向には106円70銭付近が抵抗水準、下方向には105円20銭台がサポート水準となり、これを割り込んで105円割れへと向かうようだと年初のフラッシュ・クラッシュでつけた安値更新も意識され、103円台後半までが次の下値目安にも。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場8/14終値とチャート

15日の国内金価格は+34円、0.62%高で3日続伸。綱渡り状態のようにも見える近年最高値圏推移にも、悪材料が事欠かかないことから安全資産の金買い需要も一向に衰えを見せない状況に。8日につけた近年最高値5487円を上回って5500円の大台に突入、小幅保ち合いも上抜ける形となって一段高への可能性も、目先の上値目標水準は5530円台まで。5460円台が当面のサポート水準となり、これを割り込んだ場合には5400円の大台ライン付近までが下値目安に。

プラチナ価格は-49円、1.56%の大幅反落。7月12日(3080)以来、1カ月ぶりの安値水準に。下値警戒感が高まる状況のなかでの前日の小反発は、急降下する9日移動平均線(3128)にしっかりと上値を押さえられる形となって保ち合い下放れ。一段安への可能性が高まる状態となり、下値目安は3040円台辺りまで。上方向に3140円超へと切り返すことができれば地合い回復方向へ、7月末高値保ち合い下限付近3230円近辺を目指す流れにも。
金との価格差は13日の2351円から2429円へと大幅拡大で過去最大を更新。
※参考:金プラチナ国内価格8/15とチャート

2019年08月15日(木)時点の相場
国内金:5,518 円 8/15(木) ▲34(0.62%)
国内プラチナ:3,089 円 8/15(木) ▼49(1.56%)
NY金:1,527.8 ドル 8/14(水) ▲13.7(0.90%)
NYプラチナ:848.0 ドル 8/14(水) ▼11.7(1.36%)
ドル円:105.82 円 8/14(水) ▼0.84(0.79%)
→8/14(水)のその他主要マーケット指標

←鉱工業生産に設備稼働率、引き続き米景気減速警戒指標も 08/16(金)
→健康保健、医療サービス価格高騰でコアCPIは今年最高水準に 08/14(水)
→伸び悩む賃金上昇率にも、ゼロ賃金の割合は10年ぶり低水準に 08/13(火)
→ドイツ貿易収支、6月は輸出入ともに約3年ぶりの大幅減 08/10(土)

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