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★金プラチナ短期相場観★

米GDPは予想外の上方改定、PCEインフレは予想以上に低迷
更新日:2019年11月28日(木)
トリム平均PCEとコアPCEインフレ 2019年10月感謝祭前の27日、この日発表された米経済指標は好結果が続き、予想以上に米国経済の底堅さを確認することになり、リスクオンの流れが強まりました。
米7-9月期のGDP改定値は前期比年率+2.1%となり、速報値の+1.9%から上方改定。第1四半期の+3.1%からは減速も第2四半期の+2.0%を上回ったのは想定外。在庫投資の底堅さと設備投資の落ち込み緩和などが寄与した模様で、逆イールド解消にISM製造業景況指数の底入れの兆し、好調を維持する労働市場などに続き、リセッション懸念を一段と先送りすることにもつながり、株高の延命材料にもなりそうです。
また、個人消費支出は前期比年率+2.8%への下方改定予想に反して+2.9%で速報値から変わらず。

10月の耐久財受注速報値も前月比-0.9%予想に反して+0.6%、輸送機器を除いた数値でも+0.1%予想を上回る+0.6%。非国防資本財から航空機を除いたコア受注は+1.2%となって1月(+1.4%)以来9カ月ぶりの大幅増。非国防資本財から航空機を除いたコア出荷も-0.2%予想に反して+0.8%となり、1月(+1.2)以来9カ月ぶりの大幅増。
さらに週間新規失業保険申請件数も予想を下回る好結果となった他、継続受給者数は46年3カ月ぶり低水準となるなど、労働市場の改善傾向もまだまだ続きます。

そのいっぽうで、FRBのインフレ指標となるPCEインフレは予想以上の低迷が続きます。
小数点以下2桁で見ると10月のPCEは前年比+1.31%。+1.4%予想を下回り、9月の+1.32%からはほぼ横ばい推移も、わずかに下回って2016年9月(+1.20%)以来、3年1カ月ぶりの低水準。シンメトリックな目標の中央値2%割れは12カ月連続。
食品とエネルギーを除くコアPCEも前年比+1.7%予想に反して+1.59%。9月の+1.65%からも低下し、2カ月連続の低下で5カ月ぶりの低水準。2%割れは13カ月連続。
セクタ別ではサービス価格が前年比+2.2%で横ばい推移となり、商品価格は前年比-0.6%で9月の-0.7%からはマイナス幅を縮小も前年割れは11カ月連続。エネルギー価格も-4%台での推移が3カ月連続、マイナス圏推移は6カ月連続。

なお、ダラス連銀が発表する、PCE構成品目の上位と下位20-30%を除いて算出するトリム平均PCEでは、10月は前年比+2.0%。8月の+2.06%から2カ月連続の低下で4カ月ぶりの低水準。これも2%割れが警戒される状況となってきました。

当面の利下げ休止は確実視される状況ですが、利上げ再開も当面、見通せない状況です。

NY金・日足チャート 2019/10/24 - 11/2727日のNY金相場は+0.5ドル、0.03%の小幅続伸。米中協議進展期待や米7-9月期GDPの上方改定など米経済指標の好結果も続き、リスク選好の流れはこの日も継続。米株主要3指数は4日続伸で最高値更新、ナスダックは初の8700ポイント台へ。米10年債利回りも反発し、ドル高優勢の流れも継続。1460ドル台で軟調推移となったNY金はダブルボトムの可能性も残す1450ドルをサポートに20日移動平均線(1474.3)も推移する1470ドル台のネックラインが抵抗水準にもなって保ち合い継続。NY引け後の時間外にはトランプ大統領の香港人権法案署名を受けて小幅に反発、この後の中国側の反応もリスク要因にも。

NYプラチナ・日足チャート 2019/10/24 - 11/27NYプラチナは-16.3ドル、1.79%の大幅安で3日ぶりの反落。前日NY午前に920ドル手前まで上昇して反落した流れを受け継いでの軟調推移、時間外では20日移動平均線(907.2)付近で揉み合いとなって下げ渋る状態にもなったものの、NY朝にこれを下抜けると一段安。900ドルの大台ラインにはサポートされず、一時890ドル付近まで下落。その後の反発局面では900ドルの大台ラインが抵抗線に切り替わった可能性が警戒される状況にも。4日間で890ドル前後の安値を3度つけてトリプルボトム、もしくはダブルボトム形成の可能性も含めてサポート水準に。上方向には910ドル台からネックラインとなる920ドルまでが抵抗水準となって保ち合いレンジを形成。下限割れの場合には11月安値860ドル台までが下値目安に、上限突破なら11月高値圏950ドル近辺を目指す流れにも。

ドル円・日足チャート 2019/10/24 - 11/27ドル円は50銭弱のドル高円安となって5日続伸。5日続伸は昨年7月以来、1年4カ月ぶりのこと。前日までの4日続伸合計の上昇幅に匹敵する上げ幅となって久々に動意づいた様子で5月30日(109.61)以来、半年ぶりの高値水準に。GDP改定値と個人消費、耐久財受注、失業保険申請件数に継続受給者数など複数の指標で好結果が続いたことで株高の流れとともにNY朝からドル高円安の流れが急加速。109円00銭台から109円60銭台まで上昇。数年前なら1円以上の上昇も見込まれるところ。今朝の東京時間にはトランプ大統領の香港人権法案署名を受けてやや軟調な展開に。上方向への節目となる109円40銭を上抜けたことで、ドル高円安の流れが進行しやすい状況に。米中関係悪化などでリスク回避の流れが強まるか、月末月初の指標でネガティブサプライズなどがなければ長期三角保ち合い上限付近となる111円台前半までが当面の上値目標に。
※参考:金プラチナ相場とドル円 NY市場11/27終値とチャート

28日の国内金価格は-3円、0.05%の小幅反落。急降下後に水平へと移行しつつある9日移動平均線(5594)との揉み合いとなって短期的には下げ渋って横ばい推移へ。21日移動平均線(5625)は上方で下落基調が続き、短中期的には軟調な流れが続いていることを示し、下からは上昇基調が続く90日移動平均線(5553)がサポート候補にもなって中長期的な上昇トレンド維持を示す状態。月末月初にかけて5560円台から90日線も割り込むようだと5500円の大台割れを試しに行くような流れにも。5610円の節目と21日線も超えるようなら5670円近辺を目標に上値トライ再開へも。

プラチナ価格は-35円、1.01%の大幅安で3日ぶりの反落。21日移動平均線(3448)を挟んでの上下動を繰り返す展開は継続し、今度は下抜け。振幅幅を縮小しながら三角保ち合い頂点付近を形成しつつあり、方向感も中立状態に。上下動を繰り返すパターン継続なら3480円に切り下げた上値抵抗水準との攻防へ、これも上抜けることができれば9月高値圏3570円近辺までが上値目標に。パターンが崩れて保ち合い下放れへと向かうようなら11月安値水準3340円前後までが下値目安にも。
※参考:金プラチナ国内価格11/28とチャート

2019年11月28日(木)時点の相場
国内金:5,594 円 11/28(木) ▼3(0.05%)
国内プラチナ:3,443 円 11/28(木) ▼35(1.01%)
NY金:1,460.8 ドル 11/27(水) ▲0.5(0.03%)
NYプラチナ:895.4 ドル 11/27(水) ▼16.3(1.79%)
ドル円:109.50 円 11/27(水) ▲0.46(0.42%)
→11/27(水)のその他主要マーケット指標

←回復基調の11月ユーロ圏景況感、反発できない国と指数 11/29(金)
→米住宅市場の回復基調は加速中 11/27(水)
→ドイツIFO景況感は金融危機後最低レベルで底打ち反発へ 11/26(火)
→国内金価格は節目5600円割れ、プラチナは3400円の節目を維持 11/25(月)

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