ドイツIFO景況感は金融危機後最低レベルで底打ち反発へ
更新日:2019年11月26日(火)
11月のドイツIFO企業景況感指数は95.0となって4カ月ぶりの高水準。現況指数は97.9で10月からはわずかに0.1ポイントの上昇。8月の97.4から9月には98.6へと急反発後はこれを下回る水準にとどまる伸び悩み。期待指数は92.1で4カ月ぶりの高水準。
3カ月移動平均で見ると、景況感指数は10月に94.6となって6年11カ月ぶり低水準、11月は94.8へと反発。現況指数も10月に97.9となって4年9カ月ぶり低水準、11月は98.1へと反発。期待指数は10月には91.3で10年3カ月ぶり低水準、11月は91.5へと反発。傾向としても底入れ、反発への可能性が高まる状況となってきました。
景況感指数を前年同月比で見ると、11月は前年比-7.0。8月に-9.6となって2009年6月(-11.5)以来、10年2カ月ぶりの落ち込みとなった後は3カ月連続でマイナス幅を縮小しています。
ただし、15カ月連続の前年割れとなっており、2018年4月以降の20カ月のうち18カ月が前年割れという状態。前年割れを抜け出すにはまだしばらく時間を要しそうです。
なお、過去の長期前年割れとしては2011年から2013年にかけて、欧州債務危機時の23カ月連続。2007年から2009年にかけてもリーマンショックから世界金融危機時の23カ月連続。
ドイツ企業の景況感は世界金融危機の時以来の落ち込みとなり、当時に次ぐ長期低迷期を形成し、ようやく底打ちの兆しとなって回復フェーズへと向かおうとしている状態となってきました。
ドイツの第3四半期GDPは速報値、改定値ともに前期比+0.1%となって2四半期連続のマイナス成長を回避、リセッション入りを回避したことに続いて第4四半期も回復基調継続とな
る可能性が高まりつつあるようです。
セクター別では、卸売が3カ月ぶり高水準へと反発し、サービス業と貿易は4カ月ぶり、小売は5カ月ぶり高水準へと反発。建設業は9カ月ぶり低水準へとやや低調。
製造業は9年9カ月ぶり低水準となった9月の-6.4から10月には-5.3へと反発後、11月は-5.9へと再反落。製造業のマイナス圏推移は5カ月連続となり、2008年から2010年にかけて以来、およそ10年ぶりの長期低迷期を形成しています。
回復基調は一本調子では続きません。
25日のNY金相場は-6.7ドル、0.46%の下落。横ばいをはさんでの3日続落で11月12日(1453.7)以来、2週間ぶりの安値水準。週末のオブライエン米大統領補佐官の楽観見通し発言に続き、中国の一部メディアからも「中国と米国は第1段階の合意が非常に近い」と報じられてリスクオンの流れに。香港区議会選挙での民主派圧勝も市場の安心感につながった様子で米株主要3指数が過去最高値更新となるなど世界同時株高の流れに時間外から軟調推移となったNY金は1460ドルを割れてNY朝には一時1450ドル台前半まで下落。一時的には1460ドルまで反発も上値は重く、引け後には再び1450ドル台前半へ。1450ドルの節目でサポートされない場合には8月初旬の急騰前水準、1430ドル台まで下値余地拡大へ。
NYプラチナは+7.8ドル、0.87%高となって3日ぶりの反発。先週末の急落で一時的に890ドルを割れたところがいったん底値となって反発局面に。時間外には900ドルの大台にはわずかに届かず失速も、NY市場での再トライで大台は回復。しかしNY金が軟調推移となっているせいかプラチナの反発も勢いに欠け、900ドルラインでの揉み合い状態に。90日移動平均線(901.2)にも上値を押さえられた形にもなり、これが抵抗線となるようだと再び下値警戒感も。890ドルに切り上げたサポートラインを割り込んだ場合には8月末の急騰前水準860ドル付近までが下値目安に。90日線を超えて反発継続なら920ドルの節目との攻防へ。
ドル円は30銭弱のドル高円安となって3日続伸。週明け東京市場朝に108円60銭台から70銭台へと水準を切り上げて9日移動平均線(108.66)を上抜けてスタートしたところがこの日の安値となってコンスタントに水準を切り上げる堅調推移。20日移動平均線(108.76)を上抜けて欧州時間には108円80銭台へ、NY時間には108円90銭台へと上昇し、200日移動平均線(108.94)との攻防状態も今朝の東京時間にこれを上抜けると109円台へ。株高の流れに牽引されるように、ようやく、ゆっくりと動意づいた様子も。11月高値109円40銭台までが目先の上限となり、これを上抜ける為には追加の好材料も必要か。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場11/25終値とチャート
26日の国内金価格は-8円、0.14%安で3日続落。9月30日(5566)以来、約2カ月ぶり安値水準で節目の5580円割れに伴う調整局面がゆっくりと継続中。下値目安5540円前後までもう少しの下落余地。米中協議進展等の好材料が続くなどして、NY金が1450ドルを割れて一段安となった場合には下げ幅拡大の可能性も。その場合には5500円割れを試しに行く展開にも。
プラチナ価格は+17円、0.5%高で3日ぶりの反発。21日移動平均線(3456)を挟んでの上下動を繰り返す展開が続き、予想どおり9日移動平均線(3411)にサポートされての反発も限定的に。この3420円前後の水準でサポートされるのは9月上旬と月末に続いて3度目。目先、21日移動平均線(3452)を上抜けできるかどうかがポイントにも。これに届かず、あるいは抵抗線となるようだと軟調な流れが強まる可能性も。3410円台を下回るようだと11月安値3338円近辺を目安に一段安の展開にも。
※参考:
金プラチナ国内価格11/26とチャート
2019年11月26日(火)時点の相場
国内金:5,569 円 11/26(火)
▼8(
0.14%)
国内プラチナ:3,432 円 11/26(火)
▲17(
0.50%)
NY金:1,456.9 ドル 11/25(月)
▼6.7(
0.46%)
NYプラチナ:900.4 ドル 11/25(月)
▲7.8(
0.87%)
ドル円:108.93 円 11/25(月)
▲0.28(
0.26%)
11/25(月)のその他主要マーケット指標
米住宅市場の回復基調は加速中 11/27(水)国内金価格は節目5600円割れ、プラチナは3400円の節目を維持 11/25(月)ドイツ製造業PMIに底打ち感も、サービス業の減速止まらず 11/23(土)世界のプラチナ需給:2019年第3四半期と2019年見通し 11/22(金)
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