ユーロ圏製造業PMIは回復基調も50超はギリシャとフランスだけ
更新日:2019年12月03日(火)
11月のユーロ圏製造業PMIは46.9となって速報値からは0.3ポイント上方改定されて2カ月続伸。ドイツとフランスも同様に上方改定されて2カ月続伸となったことで、ユーロ圏製造業の回復基調は本格化しそうな状況のようにも見えます。
ユーロ圏製造業PMIとしては、好不況の節目50割れは10カ月連続となってはいますが、新規受注、生産、雇用、購買いずれも縮小水準ながらも上昇、緩和傾向を示す状況となり、新規輸出受注は14カ月連続の減少ながら、そのペースは5カ月ぶりの水準へと緩和。生産見通しは調査対象8カ国全てで楽観視され、6年ぶりの急上昇となったようです。
<ユーロ圏製造業PMIランキング-2019年11月>
1位:ギリシャ=54.1:3カ月ぶりの上昇で3カ月ぶり高水準、30カ月連続50超、10カ月連続1位。
2位:フランス=51.7:続伸で5カ月ぶり高水準、4カ月連続50超。
3位:アイルランド=49.7:半年ぶり50超を回復した10月(50.7)から反落、2カ月ぶり低水準。
4位:オランダ=49.6:続落、6年5カ月ぶり低水準。
5位:イタリア=47.6:3カ月続落で8カ月ぶり低水準、14カ月連続50割れ。
6位:スペイン=47.5:3カ月ぶりの反発で2カ月ぶり高水準、6カ月連続50割れ。
7位:オーストリア=46.0:続伸で3カ月ぶり高水準、8カ月連続50割れ。
8位:ドイツ=44.1:続伸で5カ月ぶり高水準、11カ月連続50割れ。5カ月連続40台前半。10カ月連続最下位。
節目50超を維持し続けてきたオランダもついに50割れ、アイルランドも再び50割れ。節目50を上回ったのはギリシャとフランスの2カ国のみ。
1位と最下位は10カ月、不動。
低迷するドイツの景況感を引き上げる牽引役としては、やや力不足の感も否めません。
世界的にも、牽引役となるはずの米国の11月ISM製造業景況指数が予想外の低水準にとどまり、4カ月連続の節目50割れ。製造業の回復基調には再び先行き不透明感も漂います。
2日のNY金相場は-3.5ドル、0.24%安で4日ぶりの反落。株高・円安の流れに時間外の米10年債利回りも1.78%付近から1.8%台へと急騰スタートとなったこともあり、軟調な週明け。週末の国家統計局、この日東京朝には財新の11月中国製造業PMIがいずれも好結果となったこともリスク選好の流れをサポートし、時間外には一時1460ドル割れを試す場面も。しかし、ブラジルとアルゼンチンの通貨安に対して自国通貨切り下げと非難するトランプ米大統領が鉄鋼・アルミニウム関税を復活させると発表したことでNY市場にかけては巻き戻しの展開へ。ロス米商務長官の「中国との貿易協議で合意できなければ、トランプ米大統領は15日に対中関税を引き上げるだろう」発言もこの流れを後押し、さらに米11月ISM製造業景況指数が予想外の低水準にとどまったことも株安・円高とドル安をサポートし、NY金は一時1470ドル台を回復。1450ドル台では底堅く、しかし1470ドル台では上値も重く、保ち合いレンジの上下限を確認する展開に。流れは徐々に反発方向へと傾斜中の様子もあり、レンジ上限を突破できれば1500ドル近辺へ。逆に下抜けると1420ドル台へと一段安の展開にも。
NYプラチナは-0.7ドル、0.08%の反落。時間外には金に連れての軟調局面も892ドル台で反発、6日連続890ドル付近でサポートされ、あらためてこのラインの堅さを確認。NY午前の反発局面では906ドルまで急反発も伸び悩み、20日移動平均線(902.8)にも上値を押さえられる形となり、900ドル付近での揉み合い状態に。価格ラインと移動平均線の収縮状態はピーク水準を維持し、急拡散への警戒感も継続。910ドル台を上抜けできれば950ドル付近を目指す流れにも、890ドルの下限を割れると850ドル台までが下値目安にも。
ドル円は50銭超のドル安円高。日経平均の年初来高値更新とともに堅調推移となった東京市場では半年ぶり高値となる109円70銭台まで、20銭ほど上昇。欧州時間までは109円台半ばまでのレンジで小幅保ち合い推移となり、NY時間に急反落。トランプ大統領の南米2カ国への関税賦課発表でドル安の流れが強まり、ロス商務長官の対中関税発言、さらにISM製造業景況指数の下振れで一段安となって108円90銭台まで下落。今朝の東京時間では109円台を回復も、上値トライに向けた流れは完全に巻き戻され、108円台半ばから109円台半ばまでの保ち合いレンジに押し戻された状態に。強めの抵抗水準となった109円半ばをあらためて突破できれば111円付近を上値目標に円安トレンドへも。108円半ばのサポートを割り込むようだと9月初旬までの保ち合い水準106円近辺までが下値目標にも。
※参考:
金プラチナ相場とドル円 NY市場12/2終値とチャート
3日の国内金価格は-27円、0.48%安で3日ぶりの反落。NY金の小幅安に円高が重なり、上値トライへの流れは押し戻される形に。短期的な方向感は上方向優勢の状態ながら、5620円台が当面の上値抵抗水準となり、ゆるやかに低下する21日移動平均線(5613)にも上値を押さえられやすい状況にも。あらためてこれらを上抜けできれば5700円台再トライの展開にも。下方向には上昇軌道の90日移動平均線(5563)がサポート。これを割り込むようだと8月後半の保ち合い圏、5500円の大台割れも意識される展開にも。
プラチナ価格は-16円、0.46%の反落。円高による下押し圧力をNYプラチナの下げ渋りでカバー、下げ幅を限定的にとどめて三角保合い下放れを回避。9日移動平均線(3452)と21日移動平均線(3439)ともつれ合う形で上下動のレンジを一段と縮小し、大幅変動待ちの構図も継続。3450円台を突破すると9月高値付近、3570円台までが当面の上値目標に。3420円台を割れて三角保ち合い下放れとなれば10月初旬の安値保ち合い水準3320円台までが当面の下値目標にも。
※参考:
金プラチナ国内価格12/3とチャート
2019年12月03日(火)時点の相場
国内金:5,596 円 12/3(火)
▼27(
0.48%)
国内プラチナ:3,437 円 12/3(火)
▼16(
0.46%)
NY金:1,469.2 ドル 12/2(月)
▼3.5(
0.24%)
NYプラチナ:899.7 ドル 12/2(月)
▼0.7(
0.08%)
ドル円:108.97 円 12/2(月)
▼0.54(
0.49%)
12/2(月)のその他主要マーケット指標
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