モメンタム中立回復で4年連続12月上昇に挑む国内金価格
更新日:2019年12月02日(月)
米国ではブラックフライデーのオンライン販売額が今年、74億ドルとなって過去最高を記録。1日のオンライン販売額としては昨年のサイバーマンデーの日の79億ドルに次いで過去2番目とのことで、米国経済を支える個人消費は今もなお堅調。中国では国家統計局が発表した
11月の製造業PMIが7カ月ぶりに節目の50を回復し、財新の製造業PMIに至っては約3年ぶり高水準。予想外に早期回復の兆しとなった形も、輸出の弱さは中国も米国も続く状況。
米中部分合意に向けての双方の歩み寄りは、双方の貿易回復に向けても重要な課題に。
その米中協議が第1段階合意に向けて動き出した11月には、国内金価格も近年最高値からの急落局面を形成して調整局面入りとなりましたが、11月後半にかけては下げ渋り。12月は反発の兆しとなってのスタート。
昨年6月以降の急騰局面において、その勢いや方向性を示すモメンタム(ここでは10日前との価格差。シグナルはその10日移動平均)では、価格が最初にピークをつけた6月末に最高値298円を記録しました。価格が5500円を超えた8月半ばのピーク時期でもモメンタムは270円台にとどまり、6月末のピーク水準を下回りました。価格がピークアウトする前、既に9月からモメンタムは低空飛行、マイナス圏入りも何度か試す状態となっていました。
価格のピーク水準が切り上がるのに対してモメンタムのピーク水準が切り下がり続ける、ダイバージェンス状態が4カ月余り続いた結果が11月の急落につながりました。そしてモメンタム-100円前後の軟調推移が続いた後、0付近の中立状態を回復して12月を迎えることになりました。シグナルはまだマイナス圏推移が続き、弱さも残る状態ですが、12月は昨年まで3年連続上昇、過去7年では6勝1敗と実績としては上昇しやすい月。4年連続上昇をかけて今年も12月は上昇スタート。
週明け東京市場朝は日経平均が200円超の上昇で年初来高値を更新する勢いとなり、株高円安の流れとなってドル円も20銭弱水準を切り上げて109円70銭付近、先週高値との攻防に。対照的に時間外のNY金は1470ドル台から1460ドル半ばへと水準を切り下げて金曜日の上げ幅を半分削る軟調スタート。2日の国内金価格は+25円、0.45%の続伸となって11月8日(5626)以来、3週間ぶりの高値水準。21日移動平均線(5619)を上回るのも11月7日以来で短期トレンドも好転の兆しに。NY金の下げ幅が拡大するようだと失速の可能性もあるものの、限定的にとどまればもう一段の上昇余地も。当面の上値目標は10月前半高値圏、5670円近辺まで。
国内プラチナ価格は9月初旬のピークアウト以降、価格もモメンタムも上下動を繰り返す保ち合いを形成。足下11月後半にかけての三角保ち合いでは、モメンタムではピークアウトして失速状態。モメンタムもシグナルラインもプラス圏を維持してはいるものの、勢いは弱くプラス圏維持かマイナス圏へと沈むか、どちらに転んでもおかしくない状態での12月入り。
12月は昨年まで2連敗、過去8年では4勝4敗の五分。騰落状況も確率的には中立の12月、3年ぶりの上昇をかけてのスタート。
2日のプラチナ価格は+26円、0.76%高で3日ぶりの反発。先週末に900ドルの大台を割り込んだNYプラチナが週明けには下げ渋って大台再トライの動きでスタートしていることにもサポートされ、三角保ち合い下放れを回避。下抜けたばかりの21日移動平均線(3442)を上抜けて9日移動平均線(3454)との攻防となり、揉み合う形で上下の変動幅を縮小。NYプラチナが900ドルの大台をしっかりと回復できれば上方向へ、回復できなければ下方向へ、という状況にも。3480円の節目を上回れば9月高値圏3570円近辺を目指す流れに発展する可能性も。逆に3420円台を維持できなくなれば10月初旬の安値保ち合い水準3320円台も意識される展開にも。
※参考:
金プラチナ国内価格12/2とチャート
2019年12月02日(月)時点の相場
国内金:5,623 円 12/2(月)
▲25(
0.45%)
国内プラチナ:3,453 円 12/2(月)
▲26(
0.76%)
NY金:1,472.7 ドル 11/29(金)
▲11.9(
0.81%)
NYプラチナ:900.4 ドル 11/29(金)
▲5.0(
0.56%)
ドル円:109.51 円 11/29(金) +-0.00(0.00%)
11/29(金)のその他主要マーケット指標
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